健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

蜂蜜(ハチミツ)について

2006年01月11日 | 健康
○蜂蜜(ハチミツ)

 蜂蜜は、蜜蜂(働き蜂)が花蜜を採集し、大顎腺から分泌する酵素(α-グルコシターゼ)の作用によってそれを変化させ、熟成させたものである。花蜜にはショ糖が5~40%含まれ、このショ糖が花蜜の甘さを形成しているが、蜜蜂の酵素はショ糖を分解してブドウ糖と果糖の混合液に変える。この混合液が蜂蜜である。

 蜂蜜の成分をみると、水分20%、ブドウ糖40%、果糖40%である。甘さは花蜜に比べて格段に強い。その理由の一つには、果糖はショ糖に比べ約5倍の甘みを持っていること、もう一つは水分が少なく、糖分が濃くなっていることだ。花蜜は普通の水よりも比重が重いくらいで、蜜蜂が巣に持ってきたときには約1.1に濃縮された状態にある。これをさらに働き蜂は蜜房に自らの羽で風を送ることによって1.33~1.5という非常に高い濃度に濃縮してしまう。同時に、もう一つの酵素グルコースオキシターゼの作用で、ブドウ糖が低phのグルコン酸に変わり、そのとき過酸化水素が発生するが、それらがこの濃度の高さとともに殺菌作用ともなって、理想的保存状態が保たれるわけである。

 果糖は甘さの原因であるとともに、蜂蜜の有効性を示すものである。ショ糖(砂糖も同じもの)は体内で一度分解しなければ吸収されないが、果糖はそのまま吸収され、エネルギー源となる。デンプンやショ糖など炭水化物は順々に消化され、やがて果糖類とブドウ糖に分解されエネルギーとなるのであるが、この消化・分解の過程を経ずエネルギー化できる果糖は、疲労回復等に有効で貴重な即効的栄養源である。

 そのほか栄養成分も、たんぱく質、ミネラル、ビタミン類をバランスよく含み、かつ酵素や花粉体、アセチルコリン、抗生物質なども含有し、全体として栄養価の高いものとなっている。

 蜂蜜は果糖を中心とした総合的な栄養食品で、下記に列挙するような多くの効果を発揮する。

 ①疲労回復効果。ブドウ糖、果糖には栄養増進、強心、利心、利尿、解毒などの作用があり、糖類の中で最も早く吸収されるため、尿酸の分解作用とともに、疲労回復に役立つ。②乳幼児の栄養。砂糖のように体内のカルシウムを損なわず、胃腸に負担をかけずに吸収されるので、骨や歯の発育に良い。また、腸内の細菌を防ぐ、ビフィズス菌を繁殖させる力が強く、乳幼児の栄養として最適。③生活習慣病に有効。蜂蜜中のミネラルは、コレステロールを除き、血液をアルカリ性に保ち、内臓の働きを活発にし、心臓病などに有効性を発揮する。さらに肥満防止、脳卒中、貧血、前立腺肥大の予防効果もあり、不眠症、頭痛、神経痛などによく効く、ガンや潰瘍の進行を防ぐ効果も期待されている。豊富なビタミンB群、パントテン酸の作用で老化防止、美容効果も高い。

蜂蜜の商品一覧

薬蜜の商品一覧

ヤーコンについて

2006年01月10日 | 健康
○ヤーコン

 ヤーコンは、キクイモによく似たキク科の多年草で、南米アンデス地方が原産。草丈は1.5~2mで黄色い花をつける。地下に1つ200gくらいの、サツマイモによく似た塊根ができるが、現地ではこの部分を食用イモの一つとして利用している。別名アンデスポテトと呼ばれる。

 食用にされる塊根は多汁で甘みがあり、皮をむいて生で食べると梨のような歯ざわりがある。きんぴらごぼうのように炒め物にしたり煮物にしても良い。日本にはニュージーランド経由で昭和の末期に導入されたが、日常的な食材としては普及しなかった。

 ヤーコンが最近になって注目され出したのは、腸内細菌のバランスを整え、コレステロールを低下させるフラクトオリゴ糖の含有量が驚異的に多い(乾燥物で67%)ということである。また、キクイモと同じように難消化性多糖のイヌリンが含まれている。サツマイモやジャガイモに多いデンプンは含まれていないため、低カロリー食品でもある。

 フラクトオリゴ等は、ショ糖に1~3個の果糖(フルクトース)が結びついたオリゴ糖の一種で、天然にはヤーコンのほか、ゴボウ、アスパラガス、ニンニクなどの野菜類に含まれているが、現在ほとんどは、ショ糖に果糖転移酵素を作用させて工業的に生産されている。フラクトオリゴ糖には大腸内のビフィズス菌の増殖を促し、便秘、高脂血症の改善の他、血糖値の抑制、老化防止、ミネラル吸収促進などの効果が認められている。このため肥満や動脈硬化の予防につながる低カロリー甘味料、虫歯の心配のないネオシュガーの素材として広く利用されている。

 天然フラクトオリゴ糖のかたまりともいえるヤーコンを使った健康食品としては、ヤーコンジュースやヤーコン茶がある。

ヤーコンの商品一覧

小麦胚芽油について

2006年01月09日 | 健康
○小麦胚芽油について

 小麦胚芽油は天然ビタミンEが豊富に含まれていることから、老化防止や美容に役立つ健康食品として広く利用されている。

 ビタミンEが医学的に注目されたのは1936年のこと。ネズミに牛乳だけを与えていると生殖能力が衰退してしまうが、これに小麦胚芽油を加えて与えると繁殖力が回復した、という実験結果にヒントを得て、アメリカのエバンスが小麦胚芽油に含まれている有効成分を研究、発見した物質にトコフェロール(子供を得られるアルコール)と名づけた。この成分がビタミンEで、そのためセックスビタミンともいう。

 その効果は生殖機能の回復だけでなく、抗酸化作用があるため体細胞の老化や生命それ自体に深く関わりを持ち、例えば細胞膜に含まれる酸化されやすい不飽和脂肪酸などが酸化されて、生理活性の減退、細胞の老化を早めることになる。また血球膜が弱まってくると、赤血球が破壊されるようになる。また、細胞膜や血球の膜の劣化が原因となって、筋肉の萎縮とか皮膚炎、肉体の老化などを招くことになる。Eは、これらを予防するのに欠かせない栄養である。生活習慣病に組み入れられる疾病の多くは肉体の老化を主要因にして起こるが、Eはその予防に有効性を発揮するわけである。

 小麦胚芽油は特にビタミンEの含有量が多く、8種のトコフェロール異性体(α型、β型など同じ種類だが少しずつタイプが違うもの)もバランスよく含まれ、天然ビタミンEの複合体とも呼ばれている。近年は重金属などの毒性物質の害を防御する働きも指摘されている。

 小麦胚芽油には、大きく分けて次のように働きがあることになる。

 ①若さを保ち、成人病を予防する効果。すなわち、ホメオスタシス(恒常性維持)の増強。天然ビタミンE複合体には、性ホルモン、黄体ホルモン、さらには副腎皮質ホルモン等のホルモン分泌を活発にさせる働きがある。②細胞分裂を倍増し、体を細胞から若返らせ、それが細胞の寿命を延ばす結果、ガン予防にもつながっている。③体内脂質の酸化を防ぐ。体細胞の細胞膜の脂肪酸が酸化して細胞が傷つくことを防ぐため、老化予防に大きな効果がある。またDNAが酸化されて傷つき、細胞がガン化するのを防ぐ。④体内の酸素を十分に保ち、体力が向上する。⑤血行を良くし、貧血を治し、健康美を作る。⑥微小血管にバイパスを作り、動脈硬化を予防する。脳卒中は脳の微小動脈の硬化によって動脈から静脈に血液が返りにくくなることでも起こるが、この微小血管に故障が起きたとき、それに代わるバイパスを作る機能を促進するのも天然ビタミンE複合体である。⑦いくら摂取しても副作用の心配がない。

 また、小麦胚芽油の中から発見されたオクタコサノールは、長い炭素の直鎖を持ったアルコール鎖(ほかにトリアコンタノール、ヘキサコサノールなどがある)の一つであるが、オクタコサノールは運動時におけるスタミナや耐久力の向上、酸素利用を高めることに著しい効果がある。これはすでに小麦胚芽油の効果として知られていたことであったが、1960年代に人を対象にその実験を行った米イリノイ大学のトーマス・クレトンによって、それがオクタコサノールによるものであることがつきとめられた。

 その効果を要約すると、運動耐久性の向上、血中コレステロールの減少、酸素利用の改善、運動後の筋肉痛を防止するなどである。それは同時に筋肉神経性の障害にも有効であることを物語っており、筋肉萎縮などの治療にも実際に使われている。仕事や運動で疲れやすく、耐久力のない人、筋肉痛を起こしやすい人には、きわめて効果の高い栄養補助剤である。

小麦胚芽油の商品一覧

カルシウムについて

2006年01月08日 | 健康
○カルシウム

 日本人の平均的栄養摂取量の増大にもかかわらず、カルシウムと鉄分だけは決定的に不足しているとの警告が発せられて久しく、とくに近年はカルシウム不足による骨粗鬆症に強い関心が寄せられている。現状は厚生労働省が1日所要量を600~700mg(成人)としているのに対し、統計によれば530mg近くを摂るようになってきているのであるが、アメリカでは1日所要量900mgを推奨しており、それを1000mgにするべきだという意見さえあるといわれている。それに従えば、日本人の平均的現状はやっと必要量の半分弱をカバーしているに過ぎない。なお、許容上限摂取量は2500mg。

 成人の体には体重の約2%のカルシウムがあり、その99%は骨格や歯など硬組織の成分として、リン酸塩や炭酸塩、フッ化物という形で存在し、残り1%は体液(ほとんどは血液で、わずかな量が細胞液など)の中にカルシウムイオンとして溶け込んで、生理機能を調節したり、あるいはタンパク質と結合した有機カルシウムとして一定濃度のバランスを保っている。そこで、カルシウムの摂取が少なく血中カルシウムが不足すれば、第一に成長期では骨格や歯の発達が阻害され、また高齢者では(ときに若年層でも)骨が周密さを失って軽石のようにもろくなる骨粗鬆症になる場合がある。骨に蓄えられたカルシウムが血液中に溶け出してしまうからである。そしてこの場合、骨から溶かし出すには副甲状腺ホルモン(パラソールモン)が働き、反対に女性ホルモン(エストロゲン)がそれを防ぐ働きをする。閉経後の女性が骨粗鬆症になりやすいのは、このエストロゲン不足になるからである。

 カルシウムの関与する生理・生命現象は、それ以外にも非常に多岐にわたっている。第一に、神経や筋肉の働きを活性化すると共に、無用な興奮状態を和らげるようにも働く。つまり、体の活動性のバランスを整えるのであるが、この調整機能は、さらに大きなスケールで体のホメオスタシス(恒常性の保持)を実現する上でも重要な役割を演じていることが明らかになっている。

 第二に、中枢神経を鎮め、イライラや過敏症を抑えてストレスを緩和させる。ストレスの蓄積から胃潰瘍になったりするケースは非常に多いが、カルシウムはストレスの緊張を解くように働くことで、この種の疾病を予防するのである。

 そのほか、血小板を活性化して、出血時の血液凝固をしやすくするとか、白血球やリンパ球の活性化、血中コレステロールを下げて動脈硬化や脳卒中を防ぐ、神経伝達物質の産生、ホルモン分泌の調整、多くの酵素の働きを助けることなどにも関与していることが明らかにされている。

 日本の多くの地域が火山灰土に覆われているため、土中にも自然水中にも(従って農作物中にも)カルシウムが少なく、そのために摂取量が不足しがちなのであるが、意識的にカルシウムの多い食物を摂る場合でも、カルシウムの吸収を促進する働きを持つビタミンDを一緒に摂るようにするとか、吸収されやすい形のカルシウムが含まれた食品を摂る、吸収を妨げるリンの同時摂取を控えるなどの注意も肝心である。

カルシウムの商品一覧

紫イペ(タヒボ)について

2006年01月07日 | 健康
○紫イペ(タヒボ)

 紫イペは南米アマゾンの熱帯雨林に植生するノウゼンカヅラ科の樹木で、タヒボともいわれる。学名は、タブベイヤ・アベラネダエ。紫色の花を咲かせる食虫植物である。現地では古くから、この内部樹皮を煎じたものがお茶として常用されてきた。また、消炎薬として傷の癒しにも使われたと伝えられている。

 近年、紫イペに関する薬理研究は抗ガン性という観点から世界各国で行われているが、1965年、イタリアのカルロ・エルバ研究所の実験で、紫イペの樹皮に含まれるラパコールという物質(色素成分)に抗腫瘍作用があることが解明された。ブラジルでも1960年代から、抗生物質研究者や植物学者らによる研究によって実験が行われ、抗ガン剤や白血病に対する効果が明らかにされている。また、分裂が盛んな細胞へ強い障害性を持つことがインビトロで確認されているほか、マウスを使った実験で、紫イペの長期摂取による肝障害は見られなかったという報告もある。

 最近は日本でも研究が活発になり、坂井俊之助(金沢大学がん研究所免疫生物部)の紫イペの疾病予防効果の研究や、、医師による臨床試験も精力的に行われている。ここでは、大森隆史(大森内科アレルギークリニック)の臨床報告を例にあげる。

 「C型肝炎から肝硬変、肝臓ガンにまで進んだ患者に対し、1回に0.5gの紫イペエキスを1日3回、毎食後に服用してもらった。これ以外の治療としては、肝炎のために肝臓庇護剤、ビタミン剤の投与だが、これらには抗ガン効果の期待できる薬効はない。紫イペを服用して1~2週間は特に自覚症状はなかったが、3週間後の血液検査で驚くような結果が出た。肝臓のガン細胞が作り出すアルファフェトプロテイン(AFP)という腫瘍マーカーが激減していたのである。さらに免疫力を示すNK細胞活性も増加していた。

 確認のために行った腹部エコー検査、腹部CT検査においても肝臓内のガン組織の縮小、大動脈リンパ節の縮小がはっきりとわかった。3ヵ月後には腫瘍マーカーはほぼ正常化し、肝臓内のガン組織を注射針で採取して顕微鏡で確認したが、ガン細胞は認められなかった。わずか3ヶ月という、非常に短い期間で肝臓ガンが縮小し、リンパ節への転移も改善したわけである。」

 大森はこの経験をきっかけに紫イペのガンの免疫療法をスタートさせ、以後も紫イペを利用してのガン治療は続いているが、この症例のように紫イペ単独の効果がはっきりとわかるデータは貴重なものである、と大森は述べている。

 また、「免疫療法でガンを治療する場合、数種類の物質を用いて行うため、もし治療効果があってもどの物質が一番効果的かどうかを判断することは不可能になる。その意味では、体験談で繰り返し報告されてきた紫イペの効果が、臨床場面でそれも単独の効果として客観的なデータで確認できたことに大きな意義があったと思う」としている。」

紫イペ(タヒボ)の商品一覧

トマト(リコピン)について

2006年01月06日 | 健康
○トマト(リコピン)

 ナス科の一年草果菜で、南米ペルー、メキシコが原産。日本へは江戸時代初期、オランダ人によってもたらされたが、もっぱら観賞用にされ、明治時代に西洋の野菜として再登場してからも特有も匂いが好まれず、市場で扱われ始めたのは60年位前のことである。

 その後、品種改良が進み、近年では青臭さと酸味の少ないものが多くなった。生食、炒め物、煮物、、サラダ、ジュースなど、利用形態はバラエティーに富んでいる。

 ビタミンCが豊富で、ほかにもA・B1・B2・B6、ニコチン酸、K・P・葉酸、ルチンなどをはじめ、鉄やカリウムなどミネラル類も多い。ヨーロッパではトマトのある家に胃病なしといって肉食偏重の食生活にトマトが有益であるとしているのは、ビタミンB6の脂肪代謝作用を指している。微量成分のビタミンPやルチンは毛細血管を強化し、葉酸は造血機能を活性化し貧血を改善する。トマトの酸味のクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸などの有機酸によるが、これらは食物の体内での燃焼を促すので、気分爽快、疲労回復に役立つ。

 最近、トマトの赤い色素成分であるリコピンに注目が集まっている。リコピンはカロテノイドの一種で、トマト、スイカ、柿などに多く含まれ、強い抗酸化作用を持ち、ガン、脳卒中、糖尿病といった生活習慣病の予防に役立つことが明らかになっている。リコピンの抗酸化作用は、同じカロテノイドの中まであるβ-カロチンを凌ぐとさえいわれている。この色素成分がネズミの大腸ガンの発生を抑えることを秋田大学医療技術短大部や京都府立医大などのグループが確かめ、日本がん予防研究会(1997年)で発表している。

 また、環境汚染物質によって引き起こされる肺疾患に効果があるとの研究も報告されている。これは、米国で開かれた国際シンポジウム「トマト食品の役割と疾病予防」で発表されたもので、ビタミンC、Eに加え1日12オンス(約340ml)のトマトジュースを摂取した場合、2週間で肺におけるリコピンレベルが12%増加すると共に、活性酸素による肺細胞DNAへのダメージが20%減少したという。

 このほか、メリーランド大学のコーチックらの研究によると、リコピンは活性酸素が原因となる目へのダメージにも有効で、視覚機能の維持に重大な役割を果たしているという。高齢化による視覚障害に有効なカロテノイドとしてはルテインがあるが、リコピンもルテインとの相互作用になって目の疾病に大きな効果をもたらすとされている。

トマト(リコピン)の商品一覧

烏龍茶について

2006年01月05日 | 健康
○烏龍茶

 烏龍茶は痩せるお茶としてブームを作り、いまや一般飲料として完全に地歩を築いた。典型的な半発酵茶の茶で、いわば緑茶と紅茶の仲間のお茶である。烏龍の名は、発酵によって茶の葉は烏のように黒くなり、形の萎縮して曲がりくねり、龍に似ているためである。

 烏龍茶の効用として、最もよく知られているのは脂肪分解作用である。中国料理は一般に高カロリー、高脂肪で知られ、特に宴会用のフルコースになると、その量の多さもさることながら、油っこい料理が相次いで出されるので、胃の負担も重くなる。そのため烏龍茶を料理の間に飲んで、消化を促進し、次の料理が食べやすくなるようにということで、利用したといわれる。

 現在わが国の食生活は、高カロリー、高脂肪の傾向が高まり、そのため肥満を招くケースが増えている。そこで、烏龍茶を食中・食後に飲めば、脂肪代謝を促進して、肥満の予防に役立つ。この烏龍茶の作用は、食欲増進、消化促進に加えて、脂肪分をスムーズに分解し、過剰な脂肪分が体内に残らないように働きかけるもので、肥満の予防作用はその結果の一つに過ぎない。烏龍茶の効用で大事なのは、食欲を増進する中で、体の栄養バランスを正常に保つよう働くことである。

 烏龍茶には花粉症などアレルギーに効果のあることも最近の研究でわかっている。藤田保健衛生大学医学部とメナード化粧品との共同研究で報告されたもので、烏龍茶に含まれているカテキン類がアレルギーの原因となるヒスタミンの放出を抑制するとみられている。緑茶や紅茶より烏龍茶の方が改善効果が強く、特に烏龍茶の茎に含まれているカテキン類からは高い効果が得られたという。

 現在、わが国で販売されている烏龍茶は多種類あり、さまざまである。その中でも良質とされているのが福建省・武夷山に産する武夷岩茶(鉄羅漢など)と、同じく安溪に産する鉄観音である。茶は地質によってその品質も異なり、福建省の岩茶はミネラルを含んだ岩山で栽培されるため、かなり豊富にミネラル分を含んだアルカリ性食品でもある。

 また、烏龍茶の発酵度は半発酵で、その製法には微妙な感覚が要求され、長年の経験が活かされている。発酵は生葉を粉砕せずに日光に当て、さらにその後、室内で葉を萎ませながら葉内の酵素活性を高める。この過程で、生葉中にはない香気成分(ネロリドール、インドール、ジャスミンラクトンなど)が発現するといわれている。

 半発酵の烏龍茶は、緑茶と異なる点も多く、これが烏龍茶の特徴で、例えばカフェインが少ない。また、緑茶の場合は「宵越しの茶を飲むな」といい、これはタンニンの解毒・殺菌作用が弱まるためであるが、烏龍茶は解毒・殺菌作用が変質しないため、宵越しの茶としても飲める。さらに長期保存しても緑茶のように変質する心配は少ない、などの特徴がある。

烏龍茶の商品一覧

ザクロについて

2006年01月04日 | 健康
○ザクロ

 ザクロ(石榴)はイラン、アフガニスタン近辺を原産地とするザクロ科の果樹で、球状の果皮が熟して不規則に割れると中の赤い種子が現れ、甘酸っぱいその実が食用となるが、漢方ではその果皮を石榴皮、または石榴殻と呼び、収斂、整腸、止血、駆虫薬とし、また口内炎や扁桃腺炎などにも用いてきた。花(石榴花)も止血の目的で、外傷や鼻血、月経不順などに使われる。ヨーロッパでは新鮮な樹皮や根の皮を煎じて条虫の駆虫薬とする民間療法があり、有効成分としてイソペレチエリンなどのアルカロイドやタンニンが見出されている。果実を絞った汁は、民間では口臭の除去や酔い醒ましなどにも用いられてきた。

 最近、このザクロが女性のための健康食品としてブームになっている。人気の秘密は、この果実に含まれる女性ホルモン様物質エストロゲンにある。エストロゲンは、女性の更年期障害と深く関わるホルモンで、若い内は体内で合成できるが、歳をとるに従って分泌量が次第に減少していく。その結果、のぼせ、ほてり、動悸、イライラ、頭痛、不眠といった更年期障害を引き起こすが、これらの症状はエストロゲンを補充することで改善される。また、女性に多い骨粗鬆症もエストロゲンの減少と関連があることがわかっている。

 天然の物質で女性ホルモン様作用を示すものには大豆イソフラボンがあるが、ザクロのエストロゲンは人のエストロゲンと化学構造が同じということで注目を集めた。含有量も高く、ザクロの種子には100g中17mgと、同じエストロゲンを含むナツメヤシの0.4mgに比べても格段に多い。エストロゲンは女性特有の症状だけ出なく、悪玉コレステロールを抑えたり、血管拡張作用によって動脈硬化を防ぐ働きもあり、男性にとっても効果が期待できる。

 最近では生のザクロも入手しやすくなっているが、健康食品として売られているのはジュースやゼリーなどである。ザクロ入りヨーグルト、ザクロ酒、食品以外ではザクロを使った育毛剤やシャンプーと、新たなザクロ商品も登場している。

ザクロの商品一覧

ハブ茶(エビスグサ)について

2006年01月03日 | 健康
○ハブ茶(エビスグサ)

 ハブ茶はエビスグサ(夷草)を原料とする健康茶である。エビスグサは北米原産のマメ科の一年草で、別名決明、ロッカクソウともいう。長さ15~20cmの豆果一つから30粒あまりの小豆大の種子が採れるが、これを漢方では決明子と呼び、種々の眼病、習慣性便秘、高血圧、肝炎、脚気、浮腫などに用いる。わが国ではこれを麦茶のように焙じてハブ茶(波布茶)といい、健康増進と強壮、肝臓と腎臓を強くするとして愛飲するが、マムシ毒にも効くといわれ、これがハブ茶の名の由来である。

 わが国へは17世紀に中国から渡来したといわれ、葉を決明葉と呼んで瀉下剤であるセンナの代用にしてこともあるが、それほどの作用がない。もうひとつ紛らわしいことに、同じマメ科の一年草にハブソウ(波布草)という類縁種があり、中国ではこれを地上部全草を望江南、種子を望江南子と呼んで、煎じて健胃・整腸、解毒などに用いる。

 さて、ハブ茶の効用について中国の古い漢方書では「エビスグサの種子(決明子)を煎じて飲めば、腎臓を強化する」と記し、「その葉を菜にして食べれば、五臓を律し目を明らかにする」など、さまざまな効能があるとしている。

 近年のその薬効成分も徐々に科学的に解明されるようになってきたが、その一つに、アントラキノン誘導体という有効成分がある。これは緩下、強壮、利尿などの薬効のほか、高血圧、胃弱などにも有効であることが知られている。

 一方、臨床的な研究も行われ、ハブ茶の具体的な効能も次のように判明してきている。

 ①便秘を治す。アントラキノン誘導体の緩下作用によると見られ、ハブ茶にハチミツを加えると、一層効果的である。また、決明子に大黄を混ぜて煎じた汁も便秘に効く。②胃腸病が治る。胃腸が弱くて煎じて痩せている人は、ハブ茶を飲むとよい。また、決明子20gにキハダ(黄柏)1gを混ぜた煎じ汁は胃弱に効果的で、キハダの変わりにゲンノショウコ(玄草)を混ぜて飲むと、胃潰瘍に効果がある。③目の疲れや充血を取り除く。ハブ茶に常飲し、またその汁で目を洗うと、目の疲れや充血がとれ、視力の衰えを防ぐのに効果がある。④腎臓病に効く。ハブ茶を飲むと水分が大便と共に排出され、腎臓の負担を軽くする。⑤口内炎に効果がある。口の中が荒れたり、舌が赤くただれたり、また乳児の舌が白くなったとき、3度ほど煮だしたハブ茶を口に含むか、うがいするとよい。⑥そのほか、酒を多く飲んだ後に濃いハブ茶を飲むと、二日酔いしない、ハブ茶とドクダミを同量ずつ混ぜて煎じると、高血圧に効く。ハブ茶は黄疸に有効性があり、ゲンノショウコを混ぜて飲むと、肝臓病、胆石症にも効果がある。などといわれている。

ハブ茶の商品一覧

にがりについて

2006年01月02日 | 健康
○にがり

 古くから日本の食塩は、苦味や湿気の原因となるにがり成分を少なくし、粗塩をサラサラした白い塩にする努力が払われてきた。それが大成功を収めたのは1971年、当時の日本専売公社(現・JT)によって全国的に実施されたイオン交換樹脂膜法による製塩である。これによって、海浜地帯での従来の塩田製塩法は影を潜め、工場で電気を使って、成分としては塩化ナトリウムの含有率が99.8%にも達する、文字通り純粋な塩が大量生産できるようになったのである。

 ところが、ここに問題が潜んでいたことが、今になって明らかになってきた。それは調味料としては邪魔だと除外されてしまったにがり成分の中に、人体にとって非常に重要な微量ミネラルが多く含まれており、その欠落が様々な病気を誘発しているのではないか、という指摘である。調べてみると、純度の高い化学精製塩が本格的に市場を占拠した1970年代以降、わが国では生活習慣病がどんどん増え、男女を問わず、若い人から熟年層にまで、直接的な原因はよくわからない、医者がてこずる病気で悩む人たちが増加しているのである。医学界では飽食、栄養の偏り、運動不足、ストレス、環境汚染など、いろいろな要因が取り沙汰されてはいるが、その背後に「欠陥のある精製塩が潜んでいた」と考えると、その因果関係も浮かび上がってくる。

 かつての塩には海水中の全成分でないにせよ、塩化ナトリウム以外の海の成分がたくさん含まれていた。海水の塩分は、その78%が食塩(塩化ナトリウム)で、残る22%には塩化マグネシウム(9.5%)、硫酸マグネシウム(6%)、硫酸カリウム(4%)、塩化カリウム(2%)のほか、数多くの微量ミネラルが含まれており、この微量ミネラル成分の集まりを、一般ににがり(苦汁)と呼んでいる。つまり、精製塩の登場で、塩からにがりが除かれたということは、海水中に含まれていたナトリウムと塩素以外の、貴重な60種類以上ともいわれる微量ミネラル成分を全て失ってしまったということである。

 最近、このにがり成分に着目して、インドネシア産の天然にがりを使った海洋ミネラルサプリメントが登場し、大きな関心が寄せられている。すでに数多くの使用報告が公開されており、その鋭い切れ味と想像を超える治癒力によって、改めてにがりの持つ潜在的パワーの大きさが実証された格好である。また、基礎研究も始まっており、にがり成分に化学的な光も当たり始めしている。

 これまでの使用報告をまとめると、にがりには以下のような効果があることがわかった。

 ①ガンによる全身の痛みが止まった、②生まれつきのアトピー性皮膚炎に即効性、③喘息の発作に高い効果、④高かった血糖値が2週間で下がった、⑤高血圧が改善、⑥自律神経失調症(頭痛・めまい・耳鳴り・肩こり・便秘)に著効、⑦便秘薬を上回る抜群の便秘改善効果、⑧歯周病・歯槽膿漏に即効性、⑨総コレステロール値が急激に下がった、などであるが、いずれも即効性のあることがにがりの大きな特徴のようだ。

 一方、基礎研究は、にがりの塩素の吸収度や抗ガン性などについて、動物実験により行われている(愛媛大学医学部・奥田拓道ら)。海水から分離した天然にがりの塩素濃度は15%程度であるが、ラットに食塩水と、にがり(10%)を加えた食塩水をそれぞれ与え、塩素の血中濃度を比較したところ、にがりの入ったラット群は塩素濃度の上昇がはるかに下回り、食塩だけ塩素よりも吸収されにくいことがわかった。したがって、にがりを使うことによって塩素の害(血圧上昇など)が抑えられることが示唆されるという。

 また、ガンを植え付けたネズミににがりを投与して、ガン細胞の容積の変化を調べたところ、統計的に有意にガン細胞の縮小が認められた。また、抗ガン剤シスプラチンとの経口投与の比較実験では、副作用によって起こる脾臓重量の減少がにがり投与群では見られず、白血球の現象も起こらなかったという結果が出ている。

にがりの商品一覧