健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

八つ目うなぎについて

2006年01月21日 | 健康
○八つ目うなぎ

 八つ目うなぎは海峡で、目は2つしかないが、目の後ろにエラ穴が7個並んでいて一見すると8つもあるように見えるのでこの名がついたようだが、うなぎ(うなぎ科)とは違ってヤツメウナギ科に属する。夏バテを防ぐスタミナ食として良く知られているうなぎ以上に、八つ目うなぎは強力なスタミナ食、また夜盲症などに効く食品として古来珍重されており、食用というより薬用としての評価が高い。

 その栄養的特徴は、生のものでも100g中のビタミンAが8200ugと、まさにうなぎの3.5倍も含まれている。さらにタンパク質も15.8g、脂肪21.8gと良質のものが豊富である。そのほか、鉄2mg、ナイアシン3mg、皮の部分にはビタミンB1が多く含有されている。

 こうした栄養素の中で、特に有効性が認められているのがビタミンAである。Aの効用として、最初に知られているのが夜盲症の治療効果であるが、Aは夜盲症に限らず、目の網膜や粘膜が乾燥するのを防ぐ働きがあり、うるおいのある生き生きとした目を保つ効果がある。

 近年の研究では、ビタミンAがガンの治療予防に非常に効果を発揮するものとして報告され、注目を集めている。その効用として、動物実験では発ガンまでのガン細胞の成長期間(プロモーション期)を長引かせる抑制効果が認められている。また、国立がんセンターが行った疫学的な研究報告によると、ビタミンAを多く摂っている地方の人には子宮ガンが少ないという調査報告が出ている。たとえば、Aを1日1800~2000IUも摂っている東北・北陸・関東では子宮ガン患者は少なく、1日1200IUの九州・四国地方には患者が多かった。

 ビタミンAは、ガン予防の他にも、上皮細胞(体の表面や内腔にある皮膚や粘膜など)を形成する栄養成分であるとともに、体の各機能を調整して抵抗力をつけるという重要な作用もある。つまり、ガン予防を含めて、皮膚や粘膜の健康のためにビタミンAは皮膚や粘膜の健康のためにビタミンAは必要な栄養である。

 ビタミンAの所要量は、成人1日当たり男性が600ug、女性が540ugなので、干した八つ目うなぎであれば1日に10gを食べれば、十分に満たせることになる。最近の野菜はビタミン類の含有量が減少しているので、八つ目うなぎは実に貴重な栄養源である。スタミナ増強だけでなく、日常の健康増進に役立つ健康食品として、ぜひ常用したいものの一つである。

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カバノアナタケ(チャーガ)について

2006年01月20日 | 健康
○カバノアナタケ(チャーガ)

 チャーガはタバコウロタケ科のキノコで、カバノアナタケとも呼ばれる。カバナタケ、白樺茸という異名もある。白樺や岳樺などカバノキ科の木肌の割れ目に寄生して菌糸を伸ばし、木質を腐食しながら菌核を形成する。菌核は石炭のようになり、大きなものは10kgにも達する。国内では北海道とごく一部の高山にしか育たない。人工栽培はできないが、菌糸培養は成功している。チャーガと同じ菌核には、漢方薬の茯苓、雷丸、猪苓などがある。ロシアの作家ソルジェニツィンのガン病棟には、このチャーガが登場し、ガンの抑制効果に触れられている。

 チャーガについての薬理研究はまだ少ないが、チャーガの抗腫瘍活性の多くが免疫賦活作用と関連していることから、エイズウイルス(HIV)に応用する研究が進められている。チャーガの抗HIV作用は、感染細胞とウイルスの両方へ作用してもたらされると考えられている。日本農芸化学会1998年度大会で、工技院生命研/北海道食加研らのグループが「カバノアナタケ由来の水溶性リグニン様物質によるHIV-1プロテアーゼの阻害」を発表している。

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アラビノキシランについて

2006年01月19日 | 健康
○アラビノキシラン

 いわゆる健康食品、機能性食品の中には、医薬品に肉薄する内容を持つものも多いが、このアラビノキシランも良く管理された操作を経て米糠から分離抽出されたヘミセルロースを、さらに酵素反応によって変性させて得られた機能性多糖の一種である。

 食物繊維は難消化性でカロリー源にはならないが、生理活性物質として嘱望される成分で、種類も多岐にわたるが、いずれも腸管におけるコレステロールの再吸収を阻害することにより血中総コレステロールの低下、また、胆汁液の排泄促進作用により悪玉コレステロール(LDL)の低下に寄与することが認められているとともに、食事による血糖値の急激な上昇を抑えて糖尿病の治療を容易にしたり、食餌性の有害物質を吸着除去して発ガンなどの疾病を予防するなどの効果が広く認識されるようになってきている。そしてそのような直接的な効果に止まらず、体内に取り込まれたある種の食物繊維が免疫増強作用(BRM)を発揮することも明らかで、一例としてマンネンタケやシイタケなどのキノコやビール酵母の細胞壁成分(β-1-3グルカンなど)の働きは良く知られている。

 アラビノキシランはアメリカの免疫学者マンドー・ゴーナムらの協力を得て、消化管から吸収されやすい比較的低分子の食物繊維である米糠のヘミセルロースB(米糠1kgに3~5g含有)を素材に、シイタケ菌の培養濾液中に含まれる酵素複合体を反応させるという修飾方法がとられ、これによって本来のヘミセルロースの複雑な基本構造を損なうことなく反応性を高め、免疫賦活性を与えることに成功したものである。

 この生理活性物質の抽出技術の確立は、1995年3月のことで、以後本格的な基礎試験が開始され、多くの動物実験や実際にガン患者への経口投与することなどを通じて、顕著なNK細胞活性の向上が認められ、さらに免疫作用をつかさどるリンパ球のT細胞やB細胞の活性も高まるため、細胞性免疫機構が活性されて間接的に抗原の活動を抑制すると同時に、アラビノキシラン自体がガン細胞の増殖を直接的な抑制することもわかってきている。しかも、水溶性で摂取しやすく、副作用がないという特長を備えていることも見逃せない。

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玄米酵素について

2006年01月18日 | 健康
○玄米酵素

 玄米は生きた米といわれる。これは、精製した白米には発芽する能力がないことに対する違いを、端的に表現した言葉である。例えば、玄米に水を与えれば発芽するが、白米は腐敗してしまう。これは胚芽部がついているか、いないかによる。そしてこれが玄米と白米の栄養価の違いともなるわけで、玄米は特にビタミン、ミネラルが豊富に含まれていることで良く知られている。

 酵素の働きについては良く知られているが、例えば消化酵素は、人間が食べ物を食べ、消化・吸収・分解・合成されて、体の細胞に必要な物質となる。その間の過程で、何十、何百という酵素に媒介されている。どの酵素がなくても、人間の代謝機能に大きな穴をあけることになり、その結果、不調や病気を招く要因ともなる。

 そこで、その代謝機能の促進と玄米の栄養を吸収しやすくしたのが玄米酵素である。玄米酵素とは、玄米の栄養素である胚芽に、純粋な蜂蜜を加え、それに麹菌を使って発酵させ、人体に必要な酵素を積極的に培養強化したものである。酵素は熱に弱いので、製造の乾燥段階で低温乾燥を用いなければ、せっかくの酵素も分解してしまい、何の役にも立たなくなってしまう。

 こうした作られた玄米酵素には、玄米胚芽の豊富な栄養素とともに、数十種にも及ぶ活性酵素群が含まれている。特に、有用性の高い酵素生産菌といわれるアスペルギールス、オリーゼ菌(麹菌)が、胃腸内に置いて糸状菌となり、さらに数多くの酵素を生産し、その酵素が血液中に入ると体の組織や細胞の働きを高めたり、各種ホルモンの生成なども促進し、健康の増進に役立つといわれている。

 酵素科学は現代の際先端技術の一つであるが、これは逆にいえば、未解明の分野ともいえる。今ようやく酵素の重要性も広く再認識されるようになり、玄米胚芽の豊富な栄養を酵素を用いてより有効に利用できるようになったことは、健康づくりにとって有益なことといえる。

 玄米酵素の含有成分をみると、粗タンパク質が15.41%で、各種アミノ酸や酵素が豊富である。粗脂肪も植物性脂肪が26.6%と多く、バランスのよい食品といえる。そのほか、ビタミン類は100g中に、B1・2mg、B2・0.6mg、E65.8mg、ナイアシン(ニコチン酸)46.7mgなどが含まれている。

 玄米酵素は、こうした栄養成分とともに、各種の酵素の効用を利用できるところが大きい。これらの働きは幅広く、体の新陳代謝を活発にするため、体質の改善、健康の増進に優れた効果を発揮する。

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サンザシ(山査子)について

2006年01月17日 | 健康
○サンザシ(山査子)

 山査子(山楂子とも)は漢方薬の平胃散や緒苓湯に加味される生薬としてよく知られているが、18世紀前半に朝鮮半島から薬用植物として渡来以来、日本ではもっぱら観賞用の庭木として定着した。バラ科の落葉性低木で、複雑に枝分かれして棘が多い。春先に短い小枝の先に白い梅の花に似た小花をつけたあとに、直径2cmほどの球形の実がなり、秋に赤または黄色に色づくが、この果実は桃のように子房が肥大したもの(真果)ではなく、子房以外の萼や花托が発達したもので、偽果と呼ばれるものである(リンゴやイチゴも同様である)。

 漢方薬では山査子の成熟した果実を乾燥させたものを、健胃・整腸・消化・駆瘀血(古血を除くの意味)、鎮静薬として用い、胃や腸の出血には黒焼きにした山査子炭を用いている。

 薬用成分としては、ケルセチン、アントシアニジン、オレアノール酸、クエン酸、クラテゴール酸、フラボノイド、タンニン、サポニンなど多彩であるが、薬理テストでは①血圧をゆっくりと持続的に下げる作用(血管拡張作用)、②赤痢菌や緑濃菌に対する抗菌作用、③血中コレステロールを低くする作用、④降圧作用及び強心作用、⑤胃液の分泌を促進する作用、⑥月経痛や産後痛を癒すなどが認められている。

 調理では、肉類を煮るときに山査子の実を数個入れると肉が柔らかくなるといい、また、煮魚に加えれば毒消しになるといわれている。民間的な使われ方としては、完熟寸前の果実を採って、日干ししたものを煎じて飲むと(果汁そのままでも良い)二日酔いに効く。また、成熟した山査子の実500g(種子を除く)に対して、氷砂糖200g、1.8Lのホワイトリカーを加えた山査子酒は健胃・整腸によい。

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メシマコブ子実体について

2006年01月16日 | 健康
○メシマコブ子実体

 池川らによるキノコの抗腫瘍活性比較研究でメシマコブ(子実体)は非常に高い数値を示した。しかし、野生のメシマコブは極めて入手困難であったために、その成果を広く世に問うことができず、メシマコブ子実体は幻のキノコとして長く埋もれてしまうことになるわけである。その間、韓国ではメシマコブ菌糸体の培養技術が確立したが、成分的にみて、培養菌糸体と子実体とは異なっている。天然メシマコブと同系の、すなわち子実体の人工栽培はどうしても必要であり、それを得ることが急務であることは周知の事実であった。しかし、子実体人工栽培の難しさに多くの研究者、企業の挑戦は跳ね返され、メシマコブ子実体の人工栽培は実現不可能の様相すら見せていた。

 「栽培ができないのなら天然物を探せばいい」という逆転の発想で、天然メシマコブ探しを始めたのはツムラグループの日本生薬だった。絶滅かといわれている日本と違って、漢方の故郷である中国なら天然メシマコブがあると、中国全土に探索の手を伸ばした。そしてメシマコブとして流通している10数種に及ぶキノコ(いわゆる桑黄)を集め、ツムラの漢方生薬研究所で同定を行った結果、真正メシマコブの同定に成功し、業界で大きな話題となったのはまだ記憶に新しい。

 人工栽培の成功は20001年の春、長野県松本市からもたらされた。当地で長年、各種の薬効キノコの人工栽培に取り組んできた企業サイシンが、約10年間の試行錯誤の末、メシマコブ子実体の人工栽培に成功、S-ME菌と命名され、周年栽培が可能となったのである。同年の秋からは生産体制も整い、メシマコブ子実体のきざみが出荷されるようになった。この人工栽培の成功によって、メシマコブの新時代が到来するものと期待されている。

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メシマコブ菌糸体について

2006年01月15日 | 健康
○メシマコブ菌糸体

 メシマコブ菌糸体培養技術を完成させた韓国では、その薬理研究が産学協同で進められ、開発された製剤は1993年に韓国政府から抗ガン剤の認可を受けた。そしてこの開発研究は韓国内で高く評価され、兪益東(韓国生命工学研究所)は98年度の茶山技術賞を受賞している。

 開発に当たり韓国では既に90年ごろから多数の薬効研究が発表されているが、兪益東も携わった著名な研究として、抗ガン剤(抗ガン性抗生物質)のアドリアマイシン(ADR)を併用した比較実験がある。これはまず無菌マウスに黒色腫(メラノーマB16F10)を移植後、①メシマコブ菌糸体の熱水抽出物(以下、エキスと表記)を100mg/kg、②ADR(0.1mg/kg)、③エキス+ADRを投与すると、対照群(無投与)は20日後に、①と②は40日後に生存率0となったが、③の併用グループは60日後の生存率が40%であった。

 そこでADRを3倍濃度の0.3mg/kgに増量すると、②のADR単独投与では60日後の生存率が20%に向上、③のエキス併用では、60日後の生存率が90%にも達したのである。

 抗ガン剤と相補的に作用することを実証したこの実験成果は、現実的なガン治療にとって極めて有益であり、順次こうした研究成果が報告されていったことから、安全性のチェックを経て医薬品に認可されたのである。さらに細菌の兪らによる研究では、自家免疫疾患が一因となるインスリン依存症(Ⅰ型)糖尿病を持つマウスに対しても、メシマコブ菌糸体エキスは血糖値を正常にし、発病を抑制する効果を示したことも発表している。この培養菌糸体エキスはわが国への導入され、多くの基礎研究や臨床報告が行われている。

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メシマコブについて

2006年01月14日 | 健康
○メシマコブ

 メシマコブは担子菌類タバコウロコタケ科キコブタケ属のキノコで、メシマコブという和名は男女群島(長崎県)の女島に多くの野生株が見られたことに由来する。桑の古木に寄生して、コブ状から次第に扇状に育ち、通常は傘の直径が8~12cm、大きなものは30cmを超えるほどにもなる。傘の裏側(地面側)が黄色いところから、漢方の古典・本草綱目に桑黄の名で収載されているものが、このメシマコブだとされている。

 わが国のキノコ薬効研究の黎明期に当たる1968年、めぼしい薬用キノコを集めて行われた池川哲郎(国立がんセンター研究所)らの抗腫瘍活性比較研究で、メシマコブは非常に高い数値を示した。この研究に触発された医師の山名征三(広島・西条病院)は、患者の協力も得てその優れた抗腫瘍活性を確認したが、野生のメシマコブは極めて入手困難であったために、その成果を広く世に問うことができなかった。その後も野生の桑の古木は減少、人工栽培も困難で、メシマコブの入手難は改善することがなかったが、ここにきて事情が一変した。韓国でメシマコブ菌糸体の培養技術が、日本でメシマコブ子実体の人工栽培がそれぞれ完成したのである。

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アマチャヅル茶について

2006年01月13日 | 健康
○アマチャヅル茶

 アマチャヅル(甘茶蔓)はウリ科の多年草蔓草で、日本のどこにでも、特に産地やヤブ際などに生えている。有名になるまでは雑草としてみられて、ほとんどかえりみられなかったのであるが、1977年、徳島文理大学薬学部の竹本常松が日本生薬学会で発表したのがきっかりとなり、にわかに脚光を浴びた。

 竹本の研究によれば、アマチャヅルには薬用人参と同じ有効成分があるとされる。抽出された成分は50種以上のサポニンで、そのうちの4種類が薬用人参と同じ構造をもつジンセノサイドで、中枢神経に対して鎮静作用と興奮作用の双方に作用する効果を持っている。そのほかのサポニンは、全く新しく発見されたものばかりで、これら新種サポニンの薬理効果については研究が続行されているが、その成果の一つとして、ラットへの高ショ糖食の長期摂取によって引き起こされる高脂血症がアマチャヅルサポニンの投与によって、予防できることが報告され、さらに血小板からの血栓誘発物質であるトロンボキサンA-2生成を抑制することも報告されている。

 アマチャヅルサポニンは鎮静作用として働くものの方が多く、興奮作用に働くものは、ほとんど見出されていないことから、アマチャヅルは、ストレスの多い現代時にとってまことにタイムリーな出現といえよう。ストレスが引き起こす障害は枚挙にいとまないが、それらの障害はこのアマチャズルの鎮静作用によって、ほどよく解消されそうだ。

 ちなみに、これまでの体験例などからその有効と思われる病気をあげてみると、胃痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、便秘、下痢、偏頭痛、神経痛、肩こり、腰痛、気管支炎、喘息、高血圧、低血圧、糖尿病といった病気があげられる。リウマチや白髪に効くという例もある。

 要するに、ストレスによって惹き起こされる全ての症状に対して、プラスに働く可能性が高い。他の例と同じく臨床的にはっきりした裏づけが取れないものもあるが、服用者が自覚症状の消失・軽減を証言していることを無視するわけにはいかないだろう。

 アマチャヅルという名のとおり、糖質が多いため甘みがあり、子供でも抵抗なく飲めるところがいい。一家揃って飲む健康茶として推賞できる。ティースタイルで服用する商品が多数売り出されているが、自宅のプランターなどで手軽に栽培したアマチャヅルの葉や茎を切り分け、天日に生乾きに乾燥させて、細かく裁断し、さらに日陰でカラカラに干しあげれば、自分で作ることができる。それに熱湯を注いで、お茶のようにして飲む。

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玄米酢について

2006年01月12日 | 健康
○玄米酢

 酢の歴史は古く、酒が保存中いつの間にか強い酢に変わったことに始まる。そのため、平安時代には酢のことを「からさけ」「苦酒」」などと呼んでいた。酢づくりの製法は、応神天皇の時代に、酒の醸造法と相前後して、和泉の国(現在の堺あたり)に伝えられたといわれる。その後、江戸時代になって、相模(神奈川県)の中原、駿河(静岡県)の善徳寺、尾張(愛知県)の半田などにも伝えられ、これは日本伝統の米酢であったようだ。また、中国の米酢醸造法が九州南部に伝えられたという歴史もある。

 天然玄米酢は、原料となる玄米の優れたタンパク質のおかげで、醸造酢の中でもアミノ酸含有量が特に多い。ある純粋米酢の分析表によると、必須アミノ酸8種をはじめアミノ酸18種が含有され、他の食品に勝っている。玄米の栄養が、しっかりと酢に生きているわけで、そのため純粋米酢の中でも天然玄米酢は、貴重な健康食品として広く認知されている。

 とくに100%純粋の天然玄米酢の効用は、血液浄化作用にある。また別のデータでは、最大血圧はもちろんのこと、最小血圧をも下げる神秘的な血圧調整作用があると報告されている。また、外科手術時の出血とともに血糖値上昇を引き起こすことは臨床医が経験するところであるが、愛媛大学医学部の奥田拓道らによって、これらの減少がラットの実験において証明され、その際、細胞間質液のphが低下し、インスリンが作動できないことによって高血糖が引き起こされることが明らかにされた。そして、このような細胞間質液のph低下に対し、天然玄米酢は改善効果を示すことが解明された。

 現代人に多い生活習慣病の原因としては、動物性脂肪や塩分、砂糖などの摂り過ぎが指摘されているが、それによって血液中のコレステロールや中性脂肪、乳糖、焦性ブドウ糖(ピルビン酸)などが増え、血液に粘りが生じて毛細血管への通りが悪くなる。こうした状態の血液を漢方医学では?血といい、それが基本原因となると考えられる。

 天然玄米酢には、赤血球の細胞膜を安定させるとともに、血管壁の細胞を軟化させる働きがある。さらに、豊富なアミノ酸が血液の粘りを解消する作用もあり、体の各細胞や機構を活性化することにより、血圧を下げると考えられている。?血がとれれば、高血圧や動脈硬化はもちろん、多くの生活習慣病の予防などにも有効性を発揮することが期待される。

 なお、この天然玄米酢、または天然米酢を見分けるには、これらの原材料表示は「米、麹、水」であるが、合成酢は「米、アルコール、酒粕」となっている点に注意することである。

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