健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

核酸(DNA・RNA)について

2005年11月20日 | 健康
○核 酸

 核酸が発見されたのは1869年、スイスの化学者ミーシャーによる。動植物全ての細胞(特にその核)に含まれる高分子有機化合物で、酸性を示すことから核酸と名づけられ、以後、遺伝的性質に関与する物質として研究された。今世紀前半には遺伝子DNAとRNAが含まれていることが明らかにされ、1953年にはJ・ワトソン(米国)とF・クリック(英国)がその分子構造を明らかにして、1962年にノーベル生理・医学賞を受賞している。この頃からアメリカではヘルスフードへの応用が模索され始めて、1976年にはアメリカの開業医B・フランクが臨床経験を踏まえて、核酸を多く含む食品の摂取が有益であることを発表して話題をさらった。

 数年後にはわが国にも紹介されたが、当時用いられていたのは低分子の核酸であったために大きい効果が得られず、大きな市場を形成するまでには至らなかった。しかし基礎的研究は続行され、現在主流を占める鮭の白子から精製されるような高分子の核酸の登場によって、高い評価を得ることになったのである。

 生物の細胞は、細胞壁に包まれた細胞質の中に浮かぶ核があり、その中に染色体という物体があるが、これはすべての遺伝情報を保持したDNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)とタンパク質とならなっている。人の例を述べると、1個の受精卵がまず2つに分裂するが、そのとき遺伝子も全く同じものが複製され、分かれたほうの核に組み込まれる。2つは4つに、8つにと倍々に増えていき、ついには60兆個もの細胞となって1個の肉体が完成するのであるが、その全ての、細胞がその人に固有の同じ遺伝子を持っているのである。遺伝子DNAには、その人の生命活動に関わる一切の遺伝子暗号が書き込まれており、RNAはそれに基づいて特定のアミノ酸からタンパク質を合成するとき、細胞内にその場所を作ったり、必要な遺伝情報をDNAからそこへ運んだり、あるいは細胞内のアミノ酸を集める役割をする。

 人体では脳や心臓の細胞などを除く全ての細胞が常に新陳代謝して入れ替わり、約200日で全身の細胞が新しく生まれ変わるために、たくさんの核酸を消費している。その核酸は肝臓で生合成(デノボ合成)されるか、食品中の核酸から再合成(サルベージ合成)する形で補われる。ところが20歳を過ぎると肝臓でのデノボ合成機能が衰えるため、食品による核酸補給への依存度が高まってくる。しかし、普通の食品の中に含まれる核酸成分は低分子なので、腸内で消化されてしまってサルベージ合成の役に立ちにくいのである。

 その点、鮭の白子や酵母などの核酸は高分子であるから最後まで分解されてしまうことなく、低分子の状態で吸収されて各細胞に運ばれ、再合成の原料になることができる。このことを逆に考えれば、核酸の補給が不自由分だと細胞の新陳代謝が遅くなり、それだけ組織や器官の老化が促進されるということである。

 人体では、紫外線や外傷の害を受けやすい皮膚や毛髪、あるいは生殖器官は特に新陳代謝が盛んで、したがって核酸を多く消費するのであるが、核酸食を十分に摂っていると皮膚や髪の若々しさが保たれる。性的機能が高まるという経験的事実は、上記のような考え方の妥当性を裏付けるものといえよう。

 また、核酸は塩基とリン酸からなるヌクレオチドが多数連なったものであるが、小腸内でヌクレオチドから、さらにヌクレオシド(塩基に糖が結合したもの)にまで分解され吸収される。これらのヌクレオシドの中のアデノシンは、脂肪細胞内の脂肪合成を促進すると同時に、脂肪分解を抑制するインスリン様作用を持つ。また、ノルアドレナリンの細動脈収縮を阻止するα-ブロッカー様作用も併せ持っている。かなわち成人糖尿病を改善し、抹消循環をスムーズにして、肩こりや冷え性をよくする可能性を持つ物質である。

 もう一つ見逃せないのは、活性酸素の被害への対応である。農薬や食品添加物、大気汚染など種々の原因で体内に発生する活性酸素が、老化現象をはじめ動脈硬化など多くの疾病の原因となり、細胞内に入って核酸を酸化し、DNAの遺伝情報を損傷する恐れがあることが、近年随所で指摘されている。核酸は、そのようなダメージを受けた細胞を修復するための貴重な材料物質としても、有効に作用すると考えられているのである。

核酸の商品一覧

にんにくについて

2005年11月19日 | 健康
○にんにく

 ニンニク(大棗)はユリ科の多年生草木で、4~10個程度の鱗片からなる鱗茎を食用とする。古代エジプト時代から香辛料や強壮剤として使われ、約2000年前にインド、中国を経て、日本に伝わってといわれる。したがって古くからその効用が知られており、漢方では発汗、解熱、呼吸器病、喘息、百日咳。健胃、下痢、吐潟などに効くとされている。

 ニンニクの有効成分については、1936年にわが国でスコルジニンが発見され、抽出に成功したのをきっかけに、科学的解明が大きく前進した。1940年代にはアメリカとスイスの学者によってアリイン、アリシンが発見され、ニンニクの効能が証明されるに至った。スコルジニンはニンニク臭と無関係な成分で、強壮効果を発揮する基である。その作用は強力な酸化還元作用によって、体内に入った栄養物を完全に燃焼させてエネルギーにする働きがある。その結果、体組織を若返らせ、新陳代謝を盛んにするので強壮、疲労回復、食欲増進、解毒等に効力を発揮する。

 アリインは硫化アリルの一種で、ニンニク中のアリイナーゼという酵素によって加水分解されるとアリシンに変わる。アリシンはニンニク臭の素となっている物質で、強い抗菌作用を持っており、チフス菌やコレラ菌をはじめ寄生虫や原虫、抵抗力の強い結核菌やライ菌にまで作用することが確かめられている。このアリシンが体内でビタミンB1と結合するとアリチアミンというビタミンB1化合物になるが、ビタミンB1分解酵素のチアミナーゼの作用を受けないため、活性持続型ビタミンB1とした体内で有効に働くようになる。ビタミンB1は糖質の代謝を助ける働きをするが、不足すると疲労感や不眠、イライラ感が生じる。ニンニクを食べると疲労が回復するのは、このアリチアミンという化合物の作用によるものである。

 にんにくにはまた、抗ガン食品としても優れた効果のあることがわかり、大きな関心を呼んでいる。アメリカと中国が共同で行った疫学調査によると、にんにくを年間1.5kg以上摂っている人は、ほとんど食べない人に比べて、イガの発生率が半分以下という結果が報告されている。にんにくとがん予防に関する研究はまだ始まったばかりだが、前出のアリシンにはNK細胞の活性を高める作用があることや、にんにくに含まれるイオウ化合物(ジアリルスルフィド、アリルメチルトリスルフィドなど)には、発ガン物質の毒性を消す解毒酵素の働きを活性化したり、加熱によってストレスが加わる生成される自己防御物質アリキシンに、発ガンを抑制する作用のあることがマウスの実験によって明らかにされている。

 1990年、アメリカの国立がん研究所(NCI)は植物性食品に含まれる抗ガン成分を研究するプロジェクトを発足させたが、その中で最も重要性が高い食品としてピラミッドの頂点に位置づけられたのがニンニク(ガーリック)であった。このようにニンニクは今、古くからの強壮・強精という顔に加えて、抗ガン・抗酸化食品という新たな役割も担おうとしている。

ニンニクの商品一覧

プラセンタエキスについて

2005年11月18日 | 健康
○プラセンタエキス

 哺乳動物では、受精卵が子宮内壁に着床すると同時に胎盤(プラセンタ)が形成され始める。そして、胎児はそれを通じて母体から酸素や栄養の補給を受けると同時に、体内に生じた老廃物を排出するのであるから、いわば胎盤は胎児にとって、肝臓・腎臓・肺臓の役割を併せ持つ臓器であるということができる。胎盤はその科にも造血、タンパク合成、有害物質の解毒作用を持つばかりか、ホルモンを分泌して母体の排卵や子宮の収縮を抑制したり、乳腺を発達させたり、子宮頚管や骨盤軟骨部を柔らかくし、分娩に際しては、子宮の収縮や乳汁の分泌を促進させる働きを持つ。

 このように、体内で生命を育て上げるという絶妙な働きを持つ胎盤への関心は古くからあり、約1400年前の薬物書「本草拾遺」には、人胞と胞衣の名で、また16世紀に李時珍が編纂した「本草網目」には紫河車の名で記録されている。これは肉食動物はもちろん、本来は肉を全く食べない牛や馬のような草食動物さえ、出産直後に必ず胎盤をきれいに食べてしまうという事実に注目した結果である。江戸時代ではわが国でも紫河車を取材とした混元丹や牛車肉や紫河車丸などが用いられた。いずれも「虚を補う」もので、全身の衰弱、肺結核、貧血、気管支炎、喘息、子宮や卵巣の発育不全、神経衰弱などに用いられたのであるが、もちろん同時に不老長寿、若返り、強壮・強精が期待されたことは言うまでもない。

 胎盤の効用に光が当てられた最初は、旧ソ連オデッサ医科大学のフィラトフが組織療法に用いたことであるが、わが国では戦中から戦後にかけて1960年代以降、多くの大学研究室や民間研究機関でテストが開始され、胎盤に含まれる水溶性成分、脂溶性成分の解明、臨床研究、さらに成分抽出法の改良が行われた。酵素分解処理や凍結融解処理など各種の処理法によって違いはあるが、各種のアミノ酸、ペプタイド、ミネラル、ビタミン、酵素類、糖類などからなる生理活性物質が分析されており、さらに未知の低分子有機物の存在が推定されている。

 次々に明らかにされた効用は非常に多岐にわたっており、末梢神経促進作用、細胞賦活作用、活性酸素除去作用、抗炎症作用、抗疲労作用、発育促進、造血機能の活性化、細菌感染に対する抵抗力増強、乳汁分泌の亢進、自律神経の調整作用などが認められているが、最近は抗アレルギー作用も明らかにされて花粉症や皮膚炎への対応が期待されているほか、発ガン抑制作用の研究(国立遺伝研究所)にも新たに感心が寄せられている。

 プラセンタエキスは、既に慢性肝炎、胃・十二指腸潰瘍、更年期障害などを適応症とする医薬品(注射薬)として認定されているほか、経口的に摂りやすいエキス類も各種提供されており、肌の若返りを目指す化粧品への活用も盛んに行われている。

 プラセンタエキスの商品一覧

玄米について

2005年11月17日 | 健康
○玄米

 玄米は久しく忘れられた存在であったが、近年、加工食品の氾濫、食事の欧米化による弊害が指摘される中で、日本人の主食である米の栄養価が再検討されるに及び、健康回復の決め手として注目されるようになった。

 玄米も白米も同じイネ(稲)であることはいうまでもないが、精米の過程でさまざまな有用物を取り除いてしまったのが白米であるといえよう。稲は外側から順に籾殻、果皮・種皮・糊粉層からなる米糠、胚乳という構造になっており、胚乳には発芽部分である胚芽(米胚芽)がついている。このうち、籾殼のみを取り除いたのが玄米、米糠と胚芽を取り除いて胚乳だけになったのが白米である。また、精米法を工夫して、胚芽を残しながら米糠部分だけを取り除いて胚芽米もある。

 胚乳がほぼデンプンだけであるのに対し、米胚芽にはビタミンB群、ビタミンE、K、ミネラルが豊富に含まれている。また米糠には良質なタンパク質、脂質、植物繊維類が豊富だ。果皮と種皮層には脂肪、タンパク質、植物繊維(セルロース)など、糊粉層には脂肪、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどをそれぞれ含んでいる。植物繊維は胃や腸の蠕動を活発にし、便秘の予防に役立つほか、腸内でビタミンを合成する働きがあり、現代人に不足がちな成分として重要性が見直されている。このような意味から、玄米を「完全食品」と定義する人も多い。

 そこで白米偏食によって起こる障害であるが、便秘、貧血、不眠、思考力の低下、物忘れ、脚気、自律神経失調症、動脈硬化、肩凝り、慢性疲労のほか、ガンの原因にもなる、と報告されている。なかでも脚気は、江戸時代以降に白米を多く摂るようになったことからビタミンB1が不足して急増したもので、明治時代には日本人の国民病とまでいわれていた疾患である。

 一食に白米を茶わんで2~3膳食べる人が栄養のバランスをとるには、食べきれないほどの副食品を食べる必要があるが、玄米ならばその必要はない。逆にいえば、それほど玄米には各種栄養素がバランスよく含まれているのである。玄米の効用についてまとめてみると、次のようになる。

 ①玄米の外皮のセルロース(植物繊維)が腸壁を刺激し、胃や腸の働きを活性化し、消化吸収を早める。そのため便秘の解消や慢性胃腸病の回復などに効果がある。②血圧を正常に戻し、コレステロールを減少する作用がある。白米は酸性食品だが、玄米は胚芽中のビタミン、ミネラルが豊富で、体内で吸収されると血液をアルカリ性にするアルカリ性食品である。これによって、血糖値が正常に保たれ、ストレスに対する抵抗力がつき、高血圧、動脈硬化に効果がある。また、鉄分をはじめとするミネラルがレバーに匹敵するほど多く、造血機能を高め、貧血の予防・治療にも有効である。③心臓病や痔、あるいは虚弱体質といわれる人にも有効である。また、玄米食をゆっくり食べると過食をしなくなるので、栄養過多にようる糖尿病、肝臓病にも有利に働く。

 玄米は通常、白米と同じように炊いて食べるが、精白米に比べると硬いため圧力釜を利用することが多いが、最近は玄米を簡単に炊くことができる家庭用炊飯器も売られている。普通の炊飯器を使う場合は二度炊きして炊き上げる工夫が必要だ。このほか、普通の土鍋を使い、玄米と一緒に入れて炊くと炊飯中に玄米が発芽し、やわらかく炊き上がるという特殊なセラミック製品も出ている。どうしても玄米の堅さが気になるという人は玄米粥にして食するという方法もある。また最近では、玄米の全粒を微粉末にした製品もあり、さまざまな料理に活用することが可能だ。

玄米の商品一覧

牡蠣肉エキスについて

2005年11月16日 | 健康
○牡蠣肉エキス

 牡蠣は、欧米では海のミルク、海のフルーツと呼び、日本でも海の玄米といわれるほど、その栄養価の高いことで知られている。そのため、古くから体力増強、滋養に役立つ貴重な栄養食品として利用されていた。(牡蠣殻も良質のカルシウム源として利用されている。)

 牡蠣肉エキスの栄養的特長はタンパク質25%、灰分18%、糖質40%、その他グルコースなどである。この中で、糖質の50%以上がグリコーゲン(貯蔵多糖体)で占められているのが注目される。グリコーゲンは、通常は摂取した糖やグリセリンなどから合成され貯蔵される栄養成分であるが、牡蠣の場合これを食べると、唾液に含まれる酵素のアミラーゼによって消化され、胃腸の働きを要せず直ちに体内に吸収され、滋養となる。そのため、即効的滋養、強壮効果が期待できる。

 次に高タンパクという特徴がある。生100g中、約10gのタンパク質含有率で、さらに、その中身が良質なことも重要である。イソロイシン、リジン、メチオニンなど8種の必須アミノ酸をはじめ、その他10種、合計18種類のアミノ酸が含まれている。

 さらに動脈硬化を防ぎ、血圧を下げるアミノ酸の一種・タウリンの依存がクロースアップされる。研究によると、高血圧自然発症ラットにタウリンを加えた飼料を与えたところ、血圧の上昇を抑え、動脈硬化の発生原因となる血中コレステロールを減らすことを発見した。

 愛媛大学の奥田拓道らの研究グループは、牡蠣肉エキスにインスリン作用があることを見出し、その成分がアデノシンであることを明らかにし、また過酸化脂質投与ラットの肝臓障害及び高脂血症の予防効果を見出して報告している。

 そのほか、ビタミン類ではビタミンEをはじめ、B2、B6、B12などがあり、ミネラル類ではカルシウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、マンガン、コバルト、要素などを豊富に、かつバランスよく含んでいるのが特徴である。こうした牡蠣の栄養豊かな栄養が、優れた効用を発揮するのに役立つわけである。例えば、肝腎かなめの臓器である肝臓の働きが少しでも低下すると、根気がなくなった、疲れやすい、朝が起きにくい、などの自覚症状が現れる。衰えた肝臓機能の改善・向上を図るには、高タンパク・高ビタミン・高カロリーの食事が基本となるが、牡蠣肉エキスはこうした条件を満たす貴重な健康食品である。

 肝臓に関する効果意外では、①貧血によい、②血圧を正常にする、③ホルモン分泌を促進する、④細菌やウイルスに対する抵抗力が付く、⑤内臓障害を予防する、⑥筋力・体力を付ける、⑦老化を防ぐ、⑧ストレスに強くなるなどがある。

 牡蠣肉エキスの商品一覧

有機ゲルマニウムについて

2005年11月15日 | 健康
○有機ゲルマニウム

 ゲルマニウムはという元素は1886年、ドイツのウィンクラーが銀鉱石を分析中に新元素を発見、これを祖国(ゲルマニア)にちなんでゲルマニウムと命名したものである。

 以来、金属とも非金属ともつかぬ元素で科学的にも特殊な挙動を示すことから、有機ゲルマニウム化合物が生体に特徴的な役割を担うと考えられてきた。その半導体としての性質を応用した高性能検波器が発明された1940年頃からは電子工学の飛躍的発展に貢献したが、ゲルマニウムの生理活性作用については、アメリカのハメットやメイヤーらが無機ゲルマニウム(二酸化ゲルマニウム)の貧血や腎毒性について22年に報告して以来、特にみるべきものはなかった。

 ゲルマニウムが石炭にも含まれていることは30年代には既に知られていたが、その生物学的意義については注目されなかった。しかし50年代半ば頃から、(財)石炭総合研究所所長の浅井一彦とその所員たちがこの事実に注目し、植物中に含まれるゲルマニウムの量を分析して、いわゆる生薬に分類される植物に多く含まれていることを確認した。この研究をきっかけに、56年、同研究所の及川浩らはゲルマニウム化合物の生理活性について検討し、「ゲルマニウム果糖錯塩溶液のX線による放射線障害予防効果」を日本医学放射線学会に発表している。

 60年代半ばには及川により水溶性の有機ゲルマニウム化合物である「カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド」が合成され、67年に日本化学会に発表された。以後この化合物についての研究は、やはり浅井一彦が創設した浅井ゲルマニウム研究所に継承され、医薬品のガイドラインに基づく厳格な安全試験が実施報告されるとともに、以下に示すような多くの生理活性研究や臨床報告がなされている。

 なお、92年にWHOにより「カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド」のINN(国際一般名)の化学名として「p・tCEyGeO」が通知された。

 ゲルマニウムの生理活性に関する研究成果としては、X線による突然変異の抑制作用、化学物質による発ガンや各種ガンに対する抗ガン作用、抗ウイルス、免疫調節、鎮痛、抗炎症、抗酸化作用などに及び、臨床においても肺ガン・女性性器ガンなどの各種ガン、肺疾患、慢性関節リウマチ、骨粗鬆症などへの適応といった多くの臨床報告があり、特に慢性疾患や痛みを伴う疾患に対するQOLの改善効果が注目される。また、血液流動性改善についても着目すべき研究がある。

 現在「p・tCEyGeO」は健康食品素材として、製品化も実現した。その安全性は高く、生体の機能を適正に調整しつつ健康維持に貢献する「科学された健康食品」としての評価も定着した。

 なお、二酸化ゲルマニウム(無機ゲルマニウム)は毒性があり、また有機ゲルマニウム化合物でも、厳格な安全性試験によってその安全性が保証されたもののみを使うべきである。

有機ゲルマニウムの商品一覧

有機ゲルマニウム(植物性)の商品一覧

日本山人参について

2005年11月14日 | 健康
○日本山人参

 セリ科植物には漢方でよくその名を知られたミシマサイコ(三島柴胡)、ウイキョウ(茴香)、センキュウ(川?)、トウキ(当帰)など多くの薬草を数えるが、日本山人参も同じセリ科(シシウド属)の多年草である。尾鈴山で1964年に採集された原標本が残されており、1971年に北川正夫によってヒュウガトウキと名づけられた。

 一方、原植物は1982年に小島正秋(宮崎女子短期大学)らのグループにより「日本山人参」と命名され、翌83年には農事組合法人が設立されて栽培と普及活動を開始。同年、同組合の依頼によって栽培の基礎研究を宮崎大学の実験圃場で開始し、以後約2年間にわたり研究を実施するとともに、廣江美之助の協力を得て、原植物をイヌトウキと報告したが、93年になって、日本山人参の原植物はヒュウガトウキであると訂正している。

 ヒュウガトウキはイヌトウキよりも大きく、草丈2mに達し、イヌトウキが九州・四国・近畿地方南部に分布するのに対し、自生地が宮崎のみに局限しているのが特徴である。

 研究によると、代表有効成分はクマリン系のYN-1のほか、イソプテリキシン、アノマリンなどで、薬理作用は①アドレナリンの作用を抑制して抹消血管を拡張し、血液循環を改善、②インスリンを助長して糖尿症状を改善、③肝臓への脂肪の蓄積を阻む、④生体内の過酸化脂質の蓄積を防ぎ、動脈硬化、肌のあれ、ハゲを予防、⑤ガン患者の英明効果(ガン細胞由来の毒素トキソホルモン-Lを阻害)、⑥アレルギーや炎症の原因となるロイコトリエンC4を抑制、⑦性ホルモン(男性・女性)の分泌促進、⑧血圧降下作用(アンギオテンシン変換酵素を阻害)などであることが和漢医薬学会その他で発表された。

 以後、多くの臨床医が研究に参加し、NK細胞活性化作用、血小板凝固抑制作用、アルドース還元酵素阻害作用などを見出すとともに、臨床的には各種新抗ガン組織の縮小あるいは延命効果、また、インスリン非依存性糖尿病の高血糖値の改善、インターフェロンとの併用もしくは単独使用によるC型肝炎の治癒、帰化し喘息や慢性関節リウマチなどの治験例、性機能改善例、冷え・頭痛・肩こりなどの不定愁訴への効果などが明からされている。

 日本山人参の商品一覧

花粉について

2005年11月13日 | 健康
○花粉(ポーレン)

 ヨーロッパでパーフェクトフーズとも呼ばれる花粉(ポーレン)は、蜜蜂が自らの餌として花蜜と一緒に集めて体内にある酵素を加えたもので、働き蜂はこれを食べることでローヤルゼリーを分泌することができる。組成はタンパク質が約35%(そのうち半分が吸収されやすい遊離アミノ酸)、各種糖分が約40%で、ほかに有効成分としてビタミンA・B1・B2・パントテン酸・ナイアシン・B6・葉酸・C・E・ルチン、さらにミネラルとしてはカリウム・カルシウム・リン・マグネシウム・鉄・亜鉛・銅・珪素などと豊富である。

 長寿で知られるコーサカスのグルジア族を生物学者ニコライ・ティシティンが調査し、100歳以上の老人の大多数が養蜂家で、花粉の混ざった蜂蜜原液を常食していることがわかってから健康食品的価値が注目され、各国で効能の研究が行われるようになった。

 フランスの化学者レミー・ショーハンは早くも1957年に①腸の機能(便秘や下痢)の正常化、②血中ヘモグロビンの増加(貧血に有効)、③滋養と体力回復、④精神安定、⑤副作用は皆無と臨床実験の結果を発表している。やがて多くの研究者によって、花粉食品には抗生物質的なもの、ホルモン的成分、成長促進物質などが含有されていることが明らかにされていったが、中でもとりわけ目立つのは前立腺肥大に対する効果である。

 1959年に始めて研究成果を明らかにしたのはスウェーデンのエリック・ウプマルクで、5年間に及ぶクロロマイセチン(抗生物質)の大量投与でも無効だった前立腺肥大の患者に花粉を投与し、奇跡的な回復を見たのである。1962年には同国の医師ゴスタ・リンダーが、前立腺の感染症にも顕著な効果を見たと発表した。その後、ドイツやアメリカの医学会でも同様の成果が明らかにされるとともに、単に排尿困難、激痛、頻尿といった症状の改善に留まらず、前立腺疾患が原因の性欲減退、性交不能が治ったというケースが次々に報告された。スウェーデンでは早くから花粉が栄養剤、感冒剤、強壮剤として用いられてきたが、前立腺肥大の治療剤として花粉だけを使った薬剤も開発されて、これはわが国でも使われている。

 中国では陳怒仁らのグループが破砕処理した花粉(固い外皮を破砕して成分を浸出しやすくしたもの)を用いて、前立腺炎ないしそのための不妊症の患者423例を他の薬剤を一切使わずに治療した結果、27%が治癒(妊娠)、54%が肥大・炎症の快癒と自覚症状の消失、11%が好転。無効はわずか8%であったと報告し、「植物の精子に当たる花粉の成分が、人間の精子の成分に転換されるのではないか」と述べている。

 こうした顕著な効果は花粉全体の作用であるが、特に含有成分のマグネシウムと亜鉛に着目した研究が欧米に多い。どちらも健全な前立腺や精子に比して、患者のそれは大幅に減少していることが明らかにされており、この欠乏が前立腺ガンの危険に結びつくことも指摘されている。

花粉の商品一覧

サメ軟骨(コンドロイチン)について

2005年11月12日 | 健康
○サメ軟骨(コンドロイチン)

 サメはガンに罹らないという事実から研究が進み、それがサメの全身を構成している軟骨の主要成分に深く関係していることが解明されるに及んで、一躍世界的に注目されることになったのが、サメ軟骨である。その主要成分はムコ多糖体と呼ばれる粘性物質で、コンドロイチン硫酸がその重要な構成成分のひとつである。

 コンドロイチン硫酸の化学構造が決定されたのは1946年のことであるが、その薬理作用の研究はその10年前に偏頭痛、抗潰瘍性を目標として臨床実験が行われている。コンドロイチン硫酸はコンドロムコ蛋白という形でタンパク質と結びつき、主に皮膚、血管壁、軟骨、人体、関節、眼球、角膜、粘液、各臓器などに分布して体内の結合組織を構成し、組織に保水性、潤滑性、弾力性を与え、皮膚のみずみずしさ、若々しさを向上させ、関節や靭帯の弾性、円滑性を保ち、栄養成分の消化吸収・運搬・新陳代謝の促進、骨の成長や骨折の回復、骨粗鬆症の防止などとともに、老化による眼球角膜の混濁を防ぎ、血液中のコレステロールや過酸化脂質を除去して、動脈硬化や高血圧、血液が凝固して血栓ができるのを防ぐなど、多彩な働きを持つ機能性物質である。

 そのため、腎炎・リューマチ・神経痛・五十肩・肩こり・夜尿症・眼疾患・脱毛症などの医薬品にも用いられてきたのであるが、ここに来て俄然コンドロイチン硫酸が脚光を浴びるきっかけを作ったのはサメ軟骨であった。1992年にアメリカのウィリアム・レーンがサメの軟骨がガンを治すを刊行、追いかけるようにしてCBSテレビが末期ガン患者による臨床試験の好結果を報道したことが発端になった。

 アメリカでは早くから、サメ(骨格全てが軟骨である)にガンができないことに気づき、1983年にはすでにマサチューセッツ工科大学らによって、ガンが成長する時生ずる新生血管の形成を阻害する物質が軟骨に含まれていることが解明されていたが、わが国でもその新生血管阻害作用を実験的に確認、さらにサメ軟骨粉末の投与による腫瘍重量の減少と鎮痛作用を認めたのをはじめ、追いかけるように多数の研究者によって前記の生理作用、薬理作用のほか、抗ガン性などの実験結果が次々に公表されている。

 需要が拡大しても化学的に合成することが困難なコンドロイチン硫酸は、生物資源から直接分離精製する方法がとられており、以前から牛軟骨と気管が用いられてきたが、中でも純度の高い高品位のものが抽出できて、しかも抗ガン生の高いことが明らかにされたサメ軟骨が最近は健康食品用として注目されてきている。

 サメ軟骨(コンドロイチン)の商品一覧

キャッツクロー

2005年11月11日 | 健康
○キャッツクロー

 キャッツクローは南米ペルーのジャングルに生育するアカネ科ウンカリア属の蔓性1年草で、樹木に絡みながら伸び、最終的には直径20cm余り、長さ30m以上にも達する。ちょっと風変わりなこの名前の由来は、小枝から出る葉柄の付け根(基部)に、あたかも猫の爪のような形の鈎が突き出しているところから、現地で「ウーニャ・デ・ガト」(猫の爪)と呼んでいたことに由来する。

 樹皮(靭皮部)を煎じて飲むのが一般的な用い方だが、健康食品としてティーバッグのほかにも樹皮から抽出したエキスを粉末やソフトカプセル、糖衣錠にしたものなど、いろいろなタイプのものが市販されている。

 ペルーの先住民インディオは、蔓を切ったときに溢れ出てくる樹液を飲んだりして、消化器官や免疫系の疾患に用いられたとされるが、体系的調査は早くも1950年にペルーで開始され、74年にオーストリアのケブリンガーが抗腫瘍精物質を発見、次いでドイツ、イタリア、イギリス、ハンガリーなどでも研究が行われた。異説もあるが、いずれにせよヨーロッパで1970年代の中頃にも医学者らの研究対象とされたのに比べ、米国でもわが国でも当時キャッツクローは知られておらず、研究開始までに10年ほどの遅れがある。

 当時既にリマ(ペルー)で開催の国際シンポジウムでは、ペルー外科医師メルガレージョが樹皮抽出物に各種進行ガンに効果ありとする臨床例を、また、サンマルコス大学のタンポらは同エキスが合成薬品よりも高い抗炎症作用を見せたことを発表した。そしてこの頃から各国での研究が盛んになり、90年はオースリトアのケンブリガーがキャッツクローの根を6種類のオキシインドールアルカロイドを抽出、そのうち4種類(キャッツクローに特有で活性の高いイソプテロポディン、プテロポディン、イソミトラフィリン、インリンコフィリン)が、白血球の貪食作用を著しく活性化(すなわち免疫力を増強)することを明らかにし、ペルー、イタリアの研究者は、抗酸化性、抗微生物性、抗腫瘍性などを持つ成分の存在を明らかにした。

 現在ペルーの農業省が公表しているキャッツクローに関する資料(1996年3月)によれば、キャッツクローの樹皮から熱水抽出、またはアルコール抽出で得られた成分は、気管支喘息、気管支炎、関節炎、リウマチ、肺や頚部などのガン、ヘルペス(疱疹)、胃腸障害(潰瘍性の胃炎・腸炎を含む)、膵臓炎、肝炎、痔患などに効能があることを明らかにし、「樹皮に含まれるアルカロイドは免疫組織を刺激して抵抗力を増強させ、自然治癒力を活性化させる。また、ポリフェノール類のカテキンやアントシアニジンは潰瘍抑制効果を発揮する。その他、アレルギー抑制効果、胃や肝臓の保護、膵臓や子宮の調整効果も、種々の実験で証明されている」と明記している。

キャッツクローの商品一覧