泣き言はいわない

山本周五郎の作品には多くの箴言が出てくる。その中の心にしみる455の言葉を納めたのがこの一冊だ。生きる勇気が湧いてくる名言ばかりだが、その中でも私が一番好きなのは「ながい坂」に出てくるこの言葉だ。

「なにごとも人にぬきんでようとすることはいい、けれどもな、人の人生はながいものだ、一足飛びに山の頂点へあがるのも、一歩、一歩としっかり登ってゆくのも、結局はおなじことになるんだ、一足飛びにあがるより、一歩ずつ登るほうが途中の草木や泉や、いろいろな風物を見ることができるし、それよりも一歩、一歩を慥かめてきた、という自信をつかむことのほうが強い力になるものだ」

癒されるねぇ～～。