旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

東北6県完全制覇の旅 千畳敷

2006-09-24 22:00:36 | 列車の旅

五能線 千畳敷駅(青森県西津軽郡深浦町大字北金ケ沢)

列車は十二湖駅に到着する。かなりの乗客が降りた。この列車の編成名である青池に行くのだろう。途中下車して十二湖や橅(ブナ)の自然林の中を歩いて白神山地の自然を垣間見たくもあるが、切符は弘前までとなっている。先へ進むのみである。入れ替わりに乗ってくる客もある。やはりこの列車の席が良いと喜んでいる。列車の渡る橋梁の下、白神山地に発する川の流れは実にきれいに見える。そこには釣り人の姿も見られる。

海岸を見れば、海水浴をする人達を目にする。今日は海の日。7月とはいえ、青森県の日本海は冷たいのではないかと思うが、海に入っている人もいる。水着のネエチャンがこちらに手を振っている。おおっ、と見てみると隣のニイチャンも手を振っている。海に遊びに来ている若者たちが各々手を振っているのだ。こちらが観光列車だからか、青森の人の気質なのか、この後も多くの人から手を振られた。列車に対して、また乗客全てに対して手を振っているんだろうが、この席から他の乗客の姿は見えないので、あたかも自分の為に手を振ってくれているように見える。ちょっと嬉しい。BBQをする一団は食事の手を止めて手を振ってくれる。こちらも振り返すべきなんだろうな。出来なかったけど。

ウェスパ椿山に到着。ここでも観光駅長がお出迎え。駅前には観光施設もあり賑わっている。黄金崎不老ふ死温泉へはここから。次の深浦では5分停車。プラットフォームの向かい側に定期列車が停まっている。観光列車は快適だが、定期列車で地元の人の会話を聞きながら旅するのが好ましい。聞き取れないだろうと思うが。深浦13時39分発。車内放送で次の停車駅、千畳敷での観光体験メニューを紹介する。10分間の停車中に千畳敷海岸を散策してくるというもの。快速〔リゾートしらかみ〕でも、この3号だけが千畳敷に停車する。そんな事は知らずにこの列車の指定を取ったのだが、何だか得した気分である。14時02分千畳敷着。列車からプラットフォームに降りる。まるで観光バスのようである。駅を出て国道を渡ると千畳敷海岸となる。


千畳敷 (青森県西津軽郡深浦町大字北金ケ沢)

寛政4年(1792)の大地震で海底が隆起して出来た海岸。その名は津軽藩主がここに千畳の畳を敷いて宴を催した事に因むという。畳を敷くにしてはゴツゴツした岩場である。海岸には自動車が乗り入れている。塩水で錆びてしまうと思うが。ちなみに海岸に乗り入れなくてもよい駐車場があるので、車で行かれる方はご心配なく。


錆びても知らんがな


足元はこんな岩場

とりあえず海の方に歩いてみる。足元が悪いので注意して歩く。10分で駅とを往復するのはけっこうしんどい。時計とにらめっこである。海岸を見渡せば、祝日とあってずいぶん人出があって賑わっている。駅に向かって歩いていると、列車が汽笛を鳴らした。出発3分前を知らせる汽笛である。足に自信のない人は、あまり遠くに行かないほうがよいだろう。無事に時間内に列車に戻り、14時12分発車した。楽しい千畳敷海岸散策だった。 (つづく)