
トマス・H・クック著、文春文庫刊。
少年が、父親が校長を務める田舎町の学校で体験した一冬の出来事。その美しい人がバスから降り立ち、少年の人生に深い陰を落とすことになります。読み通せば、どうということもない筋書きですが、物語の核心に向かって少しずつ螺旋軌道を降りて行くかのごとき筆の運びが優れています。そして作中の男性を深く描いています。(女性は類型的過ぎますが・・・。まぁ、そのことで本作品の価値が減ずることはありませんが・・。)
男が少年の日に感じる憧れや焦燥感、大人になってからの閉塞感や人生に対する諦念、他者への共感などなど、人の心の美しさや悲しみを丹念に描き上げており秀逸です。それを支えているのが、全編に亘って注意深く張り巡らされた伏線と、カットバックの手法です。そして、何よりも人の心の闇を見つめる視点です。最終章が特に美しい作品でした。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/トマス・H・クック
http://homepage2.nifty.com/parks/bookends/foreign_authors/thomas_h_cook/thomas1.html#natsukusa
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評価は5です。
少年が、父親が校長を務める田舎町の学校で体験した一冬の出来事。その美しい人がバスから降り立ち、少年の人生に深い陰を落とすことになります。読み通せば、どうということもない筋書きですが、物語の核心に向かって少しずつ螺旋軌道を降りて行くかのごとき筆の運びが優れています。そして作中の男性を深く描いています。(女性は類型的過ぎますが・・・。まぁ、そのことで本作品の価値が減ずることはありませんが・・。)
男が少年の日に感じる憧れや焦燥感、大人になってからの閉塞感や人生に対する諦念、他者への共感などなど、人の心の美しさや悲しみを丹念に描き上げており秀逸です。それを支えているのが、全編に亘って注意深く張り巡らされた伏線と、カットバックの手法です。そして、何よりも人の心の闇を見つめる視点です。最終章が特に美しい作品でした。
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