TDK-世界初の6層Blu-ray Disc・記録容量200GB-
(2006/09/28 産経新聞)
TDKは27日、データの記録層を世界で初めて片面6層にし、記録容量を200GBに高めた青色光ディスクの開発に成功したことを明らかにした。すでに試作品も完成しており、数年内の実用化を目指す。家庭用パソコン1台に匹敵するデータを1枚のディスクに保存でき、ハイビジョン映像を18時間録画できるという。
次世代DVD規格「Blue-ray Disc(BD)」に対応しており、「HD DVD(HD)」との規格争いにも影響を与えそうだ。
現在商品化されているBD用光ディスクで容量が最も大きいのは記録層2層(50GB)だが、高精細のハイビジョン映像だと約4時間半しか録画できない。TDKの6層ディスクでは、この4倍となる18時間のハイビジョン録画ができ、通常の2倍速での記録も可能となる。将来的には大量の映像などを記録保管する「デジタルアーカイブ」などにも活用できるという。
光ディスクは光を熱に変えることによってデータを記録するが、記録層が幾重にも重なると、表面から遠い層にまで光が均一に届かなくなり、記録の精度が落ちる。このため、TDKは光の透過性の高い独自開発の素材を記録層に使い、この難題をクリア。また、最新の信号処理技術を用いることで、1層あたりの容量もこれまでの25GBから33.3GBにまで高めた。
TDKは、次世代DVD規格でソニーや松下電器産業と同じBD陣営に属している。今回開発した6層ディスクに対応する機器はまだないが、高精度な記録媒体開発を先行させることでBDがもつ「大容量」の優位性を示すとともに、電機メーカーの機器開発を促したい考え。
米ソニー-新型の電子ブック端末を発売-
(2006/09/27 日経パソコン)
米ソニーは米国時間の26日、電子ブック端末「Sony Reader」(型番PRS-500)を発表した。電子ブック端末は、インターネット経由でダウンロードした書籍データを、搭載するディスプレイに表示して閲覧するための装置。ボタンを押してページをめくるなど、通常の書籍に近い操作感を取り込んでいる。Sony Readerは、04年に国内で発売した「LIBRIe」の後継といえる第2世代の製品。06年初春に開かれた米国の展示会「International CES」に参考出品されていた。6型の白黒ディスプレイを備え、価格は約350ドル。10月末にも発売する予定。
Sony Reader向けの書籍データは、パソコン上の専用ソフトから書籍データ販売サイト「CONNECT eBookstore」へアクセスして購入、ダウンロードする。ダウンロードしたデータを、USB経由でSony Readerへ転送する仕組み。現行のリブリエでは、書籍データは2カ月で消えてしまうレンタル方式だが、新機種では買い取り方式になる。
CONNECT eBook storeには7社以上の出版社が書籍データを提供しており、今後さらに提供元は増える予定。現時点の品揃えは約1万本。例えば「The Devil Wears Prada」は9.95ドル(書籍は13.95ドル)、「The Da Vinci Code」は6.99ドル(書籍は7.99ドル)となっており、書籍より価格が約20%程度安くなっているものが多い。書籍以外にも著名ブログやニュースサイトのデータをSony Readerで読み込み可能なRSS形式に変換したデータも提供する予定。こちらは無料ダウンロードが可能。
Sony Readerは、テキスト形式やPDF形式、Word形式の文書ファイルを表示したり、JPEG形式やGIF形式などの画像ファイルを表示する機能も備える。MP3ファイルの保存にも対応しており、ヘッドホンを接続すれば音楽再生も可能。大きさは幅123.6×高さ175.6×奥行き13.8mmで、重さは250g。バッテリー駆動能力は、4時間の充電で7万5000ページを表示できる。
国内電機5社のテレビポータルサービス-07年に運用開始へ-
(2006/09/28 毎日新聞)
国内大手電機メーカー5社が、テレビを利用したインターネットサービスの拡充を目指して7月に共同出資で設立した新会社「テレビポータルサービス」の事業概要が、27日明らかになった。07年にネット接続の入り口となるポータル(玄関)サイトの運営を始め、天気予報やニュースなどの生活情報を提供する。また、同社はネットへの接続機能を持つテレビの標準規格をつくり、大手電機5社は07年度にこの同規格に基づく「ネットテレビ」を一斉に発売する計画。
新会社を設立したのは、ソニー、松下電器産業、シャープ、東芝、日立製作所の5社。
ポータルサイトは、松下電器が03年に始めた情報サイト「Tナビ」をベースに構築する。国内のテレビ販売で9割のシェアを占める5社が共通のサービスを提供することで、利用拡大を図る。将来は番組やビデオ作品などの動画配信サービスもする予定。
光回線など大容量の通信回線の普及で動画配信が容易になり、テレビとパソコンの双方の機能を持つ新しいデジタル家電の「ホームサーバー」が、家庭に受け入れられると見られている。このため、家電メーカーとマイクロソフトなどが争っている状況。大手電機5社は、海外のテレビメーカーにもライセンス供与して、パソコン関連企業に対抗する考え。
シャープ-1画面で3方向から違う画面が見られる「トリプルビュー液晶」-
(2006/09/28 毎日新聞・朝日新聞・日刊工業新聞)
シャープは27日、液晶ディスプレーの視野角を制御することで、左・右・中央の3方向から、それぞれ違った画面を見られる「トリプルビュー液晶」を業界で初めて開発したと発表した。
同社は昨年、2方向に異なる画面を表示する「デュアルビュー液晶」を開発した。すでにカーナビゲーションなどに搭載され、運転席から通常のカーナビ画面を、助手席からはテレビを楽しめるなど用途が広がっている。
今回は、液晶パネル上の黒い特殊フィルム「視差バリア」に工夫を施し、光を3方向に分散させることで1画面に異なる映像を表示できる。光の進行方向は1画素ごとに制御でき、独自開発のソフトウエアをっ使って3方向だけでなく、2方向のみに絞ることもできる。
実用化されれば、例えば、車の運転席からカーナビを、助手席から観光スポットなどのドライブ情報を、後部座席からDVDを観賞することなどが可能になるという。
また、空港の動く歩道や駅のエスカレーター脇に設置し、人の動く方向によって異なる広告を映し出すこともできる。
トリプルビュー液晶は、得意先からも「何に使うの」と聞かれるほど用途は未知数で、シャープでは当面は量産せずに受注生産していく。
日立とKDDI-携帯電話の外付け型無線ICタグ読み取り装置-
(2006/09/28 日刊工業新聞)
日立製作所は27日、KDDIと共同で、携帯電話に外づけする無線ICタグ(電子荷札)の読み取り装置を開発したと発表した。日立の無線ICタグ「ミューチップ」に対応。10月2日に発売し、出荷は07年3月から。価格は1台8万4000円。3年間で1万台の販売を目指す。
KDDIの携帯電話の裏面に外付けする。読み取り専用のミューチップのみに対応。タグは5cm程度の間隔で読み取り、タグデータは近距離無線通信「Bluetooth」で携帯電話に飛ばし、電話の通信網を利用してサーバーなどと通信する。電話に装着しない状態での利用も可能で、ソフトウエア開発基盤「BREW」とBluetoothに対応した機種ならば一緒に使える。制御するソフトはBREWのアプリケーションを個別開発する必要がある。サーバーなども含め、法人向けシステムの一部として一括で開発を請け負う形になる。
日立は関連するシステムも含めて3年間で100億円の売り上げを目指す。
外形は横49.5×縦106.0×厚さ16.0mm。単4型乾電池2本を電源に使い、毎分1回の読み取りで7時間半ほど持つという。
たまご広告-将来は直接印字も開発へ-
(2006/09/28 毎日新聞)
日本卵業協会は27日、PRやイベントを手がける「サニーサイドアップ」(東京都渋谷区)と共同で、卵を広告媒体として使う日本初の「たまご広告」を11月に始めると発表した。卵一個一個の表面にシールを張ったり、卵パックにラベルを張る方法。将来は、卵の表面に直接インクジェット印字する方法も開発する予定という。広告主はサニーサイドアップが集める。
国内では1日5300万個の卵が流通しており消費者が卵を目にする機会がきわめて多いことや、主婦層をターゲットにした広告を出しやすいことに着目した。市場規模は年間114億円と試算している。収益は卵の安心・安全に関するPRの費用にも使う。
三洋電機-白物家電事業の立て直しに営業部門の人員削減へ-
(2006/09/28 フジサンケイビジネス)
三洋電機は27日までに、白物家電事業を立て直すため、国内営業部門を中心に500~1000人規模の新たな人員削減に踏み切る方針を固めた。生産体制の見直しを含めた再建策を06年9月中間決算を発表する11月16日までに示す考え。
今年3月までに全従業員の15%に当たる1万4000人を削減したが、さらなる合理化を断行することで、改革のスピードを加速する。
人員削減について同社幹部は、「希望退職は募らない。50歳を超す営業マンも多く、今後、自然減でかなり減少する。人事異動に応じられない人は自己都合退職とし、前回のように割り増し退職金を支払う『転身支援制度』で対応する」と説明している。
05年度に204億円の営業赤字に追い込まれた白物家電事業の再建は同社の重要課題で、現在、約3000億円の増資に応じた金融機関3社と詰めの作業に入っている。創業当時から手がけてきた家庭用冷蔵庫は中・小型機種の自社生産をやめ、海外メーカーからのOEM供給に切り替える方針。ただ、技術提携する中国・海爾集団(ハイアール)に委託する案は、金融機関側が「これまでの提携では、ほとんど
効果がなかった」と反発しており、複数メーカーと交渉を進めているもようだ。
一方、滋賀工場で生産している洗濯機は、一部高級機種を除いて東南アジアへのシフトを検討している。
これらの白物改革により、国内の営業部門を中心に500~1000人規模の余剰人員が発生する見込みで、生産体制の見直しと同時に、販管費など固定費の圧縮に乗り出す。同社の連結ベースの従業員は、3月末現在で国内3万3600人、海外7万2700人の計10万6300人。