キヤノン-2010年までに「まだ世界ナンバーワンでない事業をナンバーワンに、既にナンバーワンの事業はダントツに」-
(2006/05/13 日経エレクトロニクス)
キヤノン代表取締役会長兼社長の御手洗冨士夫氏は,次期社長に内田恒二氏が就任することを報告した記者会見で,「2006~2010年の5年間でまだ世界ナンバーワンでない事業をナンバーワンに,既にナンバーワンの事業はダントツにしたい」と既存事業の強化を打ち出した。
同社によると,まだ世界ナンバーワンでない事業には,インクジェットプリンター,ビデオカメラ,ステッパーなどがある。既にトップシェアを得ているデジタルカメラ事業については「素早い環境変化を読み違えれば他社に抜かれてしまう。絶対負けないように強化する」とした。
2006~2010年の5年間は新規事業を育成にも取り組み,将来的に各事業で世界ナンバーワンの地位を得たいという。手掛ける新規事業にはSEDを使った大画面の薄型テレビ,有機ELパネル,背面投射型テレビ,X線デジタルカメラなどがある。御手洗氏は新社長への期待として,主な経営指標がすべて世界のトップ100社に入りすること,キヤノンを世界のどこでも尊敬され歓迎される企業にしていくことを挙げた。
また御手洗氏は,内製した有機ELパネルを自社のデジタルカメラやプリンターに積極的に搭載する考えを示した。「当社のすべてのデジタルカメラに内製した有機ELパネルを搭載していきたい。有機ELパネルはプリンターにも使う。当社のデジタルカメラとプリンターだけで相当な需要が見込める。内製しない手はない。将来的には画面寸法が数インチの有機ELパネルで世界ナンバーワンのメーカーになりたい」(御手洗氏)。
ディスプレイ関連では,SEDテレビや背面投射型テレビ(リアプロ)にも注力する。リアプロの事業化は07年ごろと見込む。いずれも「当社が手掛けるからには世界ナンバーワンを目指す」(御手洗氏)とした。
ソフトバンク-アップルと携帯電話事業で提携・Mucic携帯共同開発?-
(2006/05/13 日経)
ソフトバンクと米アップルコンピュータは国内の携帯電話機事業で提携する。アップルの携帯音楽プレーヤ「iPod」内蔵機を共同開発して年内にも発売する。ボーダフォン日本法人買収で携帯市場に参入したソフトバンクは、ブランド力の高いアップル製品を、NTTドコモとKDDI(au)に対抗する切り札とする。アップルは携帯電話機市場に参入し、世界で音楽配信と組み合わせた事業を展開する。
提携はソフトバンクの孫正義社長とアップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が会談し、大筋合意した。まず両社はiPod機能付き第3世代携帯電話機を共同開発する。携帯電話がそのままiPodになり、消費者は2つの機器を持たなくて済む。ソフトバンクの携帯電話サービスの新ブランドと、iPodブランドの双方を付けるとみられる。
新型携帯電話はアップルの世界最大の音楽配信サービス「iTunes Music Store」から音楽を取り込める。
第1弾商品はiPodと同様、パソコンにつないで音楽を取り込む方法を採用。さらに来年にも、無線通信を通じて直接配信を受けられる端末を発売する。アップルは携帯向け配信サービスも立ち上げる方針。新型携帯電話はソフトバンクが引き継いだボーダフォン店舗や量販店などが扱う見通し。
音楽をインターネット経由で販売する音楽配信は、アップルのパソコン向けサービスが7割超の世界シェアを握るが、日本では携帯電話向けが優勢。KDDI(au)は04年に携帯電話向け「着うたフル」で先行、加入者シャアを高めている。iPodは日本の携帯音楽プレーヤー市場で圧倒的に強く、ソフトバンクはアップルの配信サービスとブランド力をテコに、携帯電話市場でシェア拡大を狙う。
アップルは自社ブランドの携帯電話を初めて開発・販売し、製造をアジアのエレクトロニクスメーカーなどに委託する見通し。消費者の使い勝手を重視、携帯電話でパソコンと同様の高速ネットサービスを計画するソフトバンクを提携相手に選んだ。米国では米携帯電話大手のモトローラがアップルから技術供与を受け、iPod機能付き携帯電話「ROKR」を販売しているが、ブランドはモトローラ。アップルは今後日本以外でも各国の通信会社と組んで同様のサービスを拡大、アップルブランドの携帯電話を販売していく方針。
アップルとソフトバンクは携帯電話に配信した楽曲をパソコン経由で、CDや他のiPod機器に移せるよう利便性を高めたい考え。ただ、レコード会社の了解が必要で、交渉は難航しそうだ。
首都高速と阪神高速-08年度からETC義務化?-
(006/05/15 日経)
国土交通省は首都高速道路と阪神高速道路の通行車両に08年度から自動料金収受システム(ETC)の利用を義務づける方向で本格的な検討に入った。昨年10月の民営化を受け経営効率化へ料金徴収コストを大幅に減らすのが狙い。未搭載車は利用できなくなるため、道路運営2社と近く協議会を設け、対策づくりを始める。利用料の引き下げや簡易型ETCの導入が焦点となる。
両高速道路での料金支払いは、いまは現金とETCのどちらでも可能。ETCを義務づけると、すべての入り口がETC専用となり、未搭載車は通行できなくなる。
背景には08年度から両高速道路の料金体制が現行の単一料金から距離に応じて料金が変わる仕組みに切り替わることがある。このため、入り口と出口の両方に料金所が必要。だが、現状は両高速道路には出口の料金所がほとんど無い。このため、新たに出口料金所はコストを下げる必要があり、ETCの義務化を進める。
ただ、現在は両高速道路で利用する車両のうちETCで料金を払っている車両の割合は6割ほどにとどまる。現状のまま義務づければ、ETCを購入していない人からの反発は必至。
06年度デジカメ主要8社世界出荷-前年比18%増へ-
(2006/05/14 日経)
デジタルカメラ主要8社合計の06年度世界出荷計画は前年度比約18%増の7650万台となった。家族層への普及が一巡した国内は成長が鈍化したが、手ぶれ補正や高感度撮影などの機能拡充により、買い替え需要が出始めている。海外でも中国など新市場が拡大する見込み。
8社の出荷実績は04年度の5727万台から、05年度には約13%増の6494万台に拡大していた。今年度の計画では、前年度伸び率を上回る成長を目指す。
キヤノンは前年比14%増の1920万台を計画しており、06年の世界シェア首位の見通し。このうち1割強にあたる220万台をデジタル一眼レフが占める。
世界2位のソニーも今夏にデジタル一眼レフ市場に新規参入する予定。
パナソニックは他社に先駆けて手ぶれ補正機能に取り組み、04年度の186万台から倍々で出荷を伸ばしている。
薄型、長電池寿命などのトレンドを形成したカシオ計算機も有効1000万画素のコンパクトタイプを市場投入して3割増を狙う。