■大正十一年七月九日、死の寸前に森鴎外は「馬鹿馬鹿しい」と呟いたといいます。なんのことを指して呟いたのか、正確なことは不明であるにしても、この言葉に私はきわめて深いものを感じます。鴎外は死の三日前に、友人の賀古鶴所に遺書を口授して書きとらせ、拇印をしています。その一節に「余ハ石見人森林太郎トシテ死セント欲ス」とあり、ここにも何か象徴的なものが見え隠れしています。
〈森鴎外の遺言状〉_1
〈森鴎外の遺言状〉_2
〈森鴎外の遺言状〉_3
〈森鴎外の遺言状〉_4
〈森鴎外の遺言状〉_5
〈森鴎外の遺言状〉_6
〈森鴎外の遺言状〉_7
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