カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

【インド映画】 ~チャッパーク~

2020年01月22日 21時55分59秒 | 映画 / MOVIE

インド映画は歌って踊ってばかりではない。
ノンフィクションや伝記も結構ある。
この映画は2005年にニューデリーで実際に起きた事件を元にしている。

タイトルはヒンディー語で「酸」である。
日本でも通り魔やストーカーによる犯罪が起きているが、
インドでは女性の顔に男性が硫酸をかける事件が昔から少なくない。
理由はいろいろあるが、告白したが断られた事だったり、
結婚したが持参金が少なかったため家庭内暴力を受けたり、など。

被害者はたとえ命は助かったとしても、
顔や身体は元には戻らないし、一生精神的にダメージを受け、
生きて行く事も困難で、悲観して自殺してしまう事もある。
実際に被害者を救おうとする団体はあるが、
裁判が決しても十分な金銭的な補償や支援を受けられてはいない。

 <ストーリー> 

ニューデリーの大統領官邸前に詰めかけた群衆・・・
レイプ被害への抗議デモのシーンから始まる。
突然、取材のTVカメラの前に向かって小さな写真を突きつける男性。

デリーにおいてはヒンディー語版の映画館を探すのに苦労する。
その写真の女性の顔はただれていた・・・・。
それは顔に硫酸をかけられた女性の写真を持った父親であった。

マルチ(ディーピカ・パドゥコーン)は、
硫酸攻撃で顔が変形してしまったために就職が決まらずにいた。
しかし彼女はアモル(ヴィクラント・マッセイ)の
運営するNGOに加わり戦って行く事に決める。

 彼女を支える弁護士やジャーナリストも、
 自立した女性達で頼もしい感じがする。


マルチの事件の場合は、最初は犯人が解らない。
白昼のマーケットで襲われたにもかかわらず・・・。
携帯電話のアドレスや着歴から犯人を割り出して行くのだが、
高校時代にさかのぼってBFとの関係を邪魔をする男が浮上した。

  

 ディーピカは美人だけど34歳だから、
 18歳役は・・・・さすがにちょっとキツイなぁ。


この男はマルチに言い寄ってきて、
相手にされないことからストーカーになっていく。
そして可愛さ余って憎さ百倍、ついにバイクに近所の女を乗せ、
歩くマルチの顔に硫酸をかけさせてしまった。

マルチの顔は皮膚の移植で徐々に良くなっていくが、
元通りにはならない。同じNGOに集まった被害者たちと
励まし合いながら生きていく姿には感動する。

 インドでは未だに男尊女卑であり、
 カースト間の差別も根強いものがある。
 また勝訴したとしても決まった額が支払われない事も多い。
 女性の立場を向上させるにはかなり時間がかかると思うが、
 なにかやるせない気持ちになった。

コメント
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