ハナウタ うたこの「宝物がいっぱい」

自分にとっての「好き」や「嬉しい」を集めて綴る、ささやかなことのブログです。

「みんなの学校」という映画

2016年09月20日 | ❷ 本とか映画とか

昨日「みんなの学校」という映画を観た。

桶川市の助成金申請に通って10万円貰った団体が

この映画を上映する計画をたて、フィルムを借りて、ホールも借りて

入場料1000円で

一般市民にこの映画を観覧するチャンスをくれたのだ。

 

正直言うと、始まる直前まで見るつもりはなかった。

でもちょっとだけ手伝いをした関係で会場にはいたので

何の予備知識も期待もせずにふら~っと行った。

 

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大阪市住吉区にある普通の公立の小学校の1年を追っていた。

2006年に地域の小学校が飽和状態になって新設された小学校がこの「大空小学校」。

もう、びっくり仰天。

こんなことが公立の小学校で出来るなんて

 

校長先生の考え方が、学校運営にこんなに影響するなんて考えたこともなかった。

それとも大阪市住吉区の教育や行政や地域の懐が深いのか?

 

この「大空小学校」、手のかかる子どもが非常に多い。

障害、貧困、親の無関心、、、、

でも公立だから職員数は通常通り。

どうする、現場

 

校長はまず教職員の意識を変えた。

失敗を隠すな、一人で抱え込んで勝手に孤立するな、助けを求めろ、

必ず仲間が、職員室が助けるから情報を共有するんだ、と。

 

それから子ども達にも呼び掛け考えさせた。

校長「この大空小学校を作るのは誰ですか?」

児童「(ここにいる)ひとりひとりです。」(日頃言われていることを復唱しているのかな?)

校長「ひとりひとりって誰ですか?」

児童「・・・自分です」

校長「自分て誰ですか?」

児童「・・・・」

 

地域の人にも、保護者にも協力を求めた。

それぞれ違う子ども一人一人を知って理解して欲しい、

子どもが大人を信頼できるように関わって欲しい。

どうか力を貸してほしいと。

同時に子どもにも伝える。

まだこの場所を「安心だ」と思えない仲間にあなたはどう接しますか?

あなたに出来ることは何ですか?

 

問題児にはその子の将来を見据えて徹底的に大事なことを教え、考えさせる。

甘やかさないけど、傷が深い分とりわけ深い愛も注ぐ。

それが信頼を育んでいく。

自分を理解してもらうためには自分から伝えなさい。

どんなに厳しい状況であろうと、自分のためにしっかり生きなさい。

私があなたを信じてる。

 

本当にみんなで作っている学校だった。

先生も手を繋ぎ合い、全員の職員で全員の子どもをみていた。

その輪の中に、対等に子どもたちも加わっていた。

保護者も、地域の住民の方も、ボランティアさんも加わっていた。

皆でみんなを補っていた。

失敗を改善しながら、教えられながら、教え合いながら

ひとりひとりが考え、努力し、信頼を深めて、

上も下も、どこもかしこも助け合っていた。

思いやりと愛。

コミュニケーションの深い学び。

 

もう「機会があったら是非観て」と言う他ない。

この凄さは伝えきれない。

 

 ※「みんなの学校」公式HPで映画の予告編観られます。

  1分30秒くらいです。興味のある方は是非。

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私たち保護者はどこかにユートピアがないか必死に探す。

たどり着ける人もいれば、そうでない人もいる。

「ここか、と思ったら違った」と言ってずーっと探し続けていく人もいる。

 

結局、自分にとってのユートピアは自分で作るものなのかもしれない。

この大空小学校のように。

だってひとりひとり違うんだもの。

誰かが作ったものはその誰かに合ったもので、私に合ってるとは限らないのだから。

 

誰かやどこかに求めるばかりで生きるよりも

「自分で作る」くらいの覚悟を引き受け実践した人の方が

結局自分に合ったものにたどり着く可能性は高いのではないかな。

「あったらいいのに・・・」から

「私に出来ることはなんだろう」「ないのなら作ろうよ」へ。

 

学科教育を優先する人や高学力を最優先に望む人の学校はたくさんあるのだから

そんな感じに

学校はもっと実際の子どもに合わせた多様性の時代へ入っていこうよ。


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