オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

「福音の少年」

2007年08月11日 23時25分22秒 | ほぼ、文庫本
福音の少年/あさのあつこ/角川文庫

うーん…
読み方に失敗した、感は否めない。
なんとなく、映画の予告編よろしく、適当に開いたところから数ページをぱらぱら、また適当に開いてぱらぱら、ダイジェスト版みたいに読んだ箇所が、いくつもある。
たまに、そういうことを、する。
読みたい、んだけど、なんとなく集中力に欠ける時とか、読みたい、ような気がするんだけど、もう一つこう、押しが欲しい時とか。
で、結構な割合でそれは功を奏し、その後、本格的に読みに突入した時の集中力たるや、なんでこれが受験時に発揮されなかったか…と悔やまれるほどで。いやほんとにね(苦笑)。
でも。
今回は失敗した。
ダイジェスト版にしたまでは、まあ良かった。
それなりにダイジェスト版になってたし、読む気にもなった。なったんだよ?なったよ、ほんとに。
でも。
読み始めたら、なんだかもう、その拾い読みした部分が繋がらないわ、繋がったら繋がったで訳分からんわで、ぎゃふん(古っ)。

で、不本意ながら、もう一回通して読んでみた。つまり、都合2回読んだわけだ。

うーん。
うーん。
うーん。
恐れを知らない物言いをさせてもらうと、やね?
…これって、あのー、なんだほら、BL系なのか?(どっかーん)
だってーーーー。
出てくる二人の少年、明帆と陽の間柄っていうか、間隔っていうか、距離感っていうか、とかさ、陽の声の描写(矢鱈と美しい声って書いてあるんだよ)とかさ、なんかもう、むず痒いったらありゃーしないよ。
さらには、冒頭部分と本編のかなり終盤部分に出てくる、元ブンヤのおやじ、というのも、設定が意味深な割に、なんだそれおいおい、これでアンタ終わりか?的なチョイ役にしかなってないし(彼ら少年にとって、大人っていうのはそのくらいの価値しかない、てなことを言いたいんだろうかな、とは思ったんだけど)。
そもそもやね?
二人の少年に因縁浅からぬ一人の少女が死ぬ(しかも尋常じゃない亡くなり方で。さらにはそのとばっちりを食う、なんとも報われない死を迎える人が計8人もいて。)、その死を、あるいは少女を巡っての謎解き、及び少年二人によるリベンジ、みたいなミステリーなのかと思いきや、その割に、犯人やら悪人やら、そういう対象がぼけてる。見えなさ過ぎ。ていうか、そこまで引っ張っておいて、ほんとはそういう話じゃないの、残念でしたー、みたいな肩透かしを食らったしな。
あさのあつこは、一体何を書きたかったのかなあ?
いや、多分、この少年について、この少年の、この物語の中途半端さ、読後のこの、もやもや感、割り切れなさ加減、みたいなところも全部ひっくるめて、だと思うんだな。(そこはやはり、あさのあつこであるから、先日の森絵都とは違うだろうと買っているわけで。おこがましい言い方だけどもさ。)
そうやっていろいろ思ったりしながら、それでも、おいらは言いたいぞ。

この本で、あさのあつこは、何を言いたかったんだろう?
いいのか?
これがあさのあつこの本だ、として世に出ても?
…いいんだよな、今や、あさのあつこ、だしな。
(でもおいら、まだ「バッテリー」読んでないんだよー。読もうと思ってるのにー。野球の話だから本気で読みたいんだけどー。)