オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

「白夜行」最終回

2006年03月24日 22時09分35秒 | テレビがお守り
終わりましたねー、いや、そりゃ終わらないと次のドラマが始まらないから!(笑)

えー、原作をどうにかこうにか読んで、それから最終回前と最終回(あるいはもう一回前もかな、詳しくは覚えてないけど)を見ました。
最終回を見て、思いました。
そりゃ これは原作を好きな人には、ちょっと納得いかないドラマだろうなあ と思いましたよ、おいらでも。さすがに。でも、決してドラマを否定するわけではなくて、別個のモノとして見ればいいだけの話で。

初回に見た、山田くん(桐原亮司)が血まみれのサンタクロースになって倒れてるシーンの謎解きは、ああ、そうだそうだ、原作でもまあ、似たような感じだった、うんうん、とか思ってました。誰かに刺されたとかじゃなくて、という点でね。
そこに至るまでの、歩道橋の上での、武田鉄矢(笹垣潤三)の命を賭けた説得ていうか、対峙には、不覚にも涙がこぼれそうでした。曰く「あの日、お前を捕まえてやれんで、済まんかったなあ」。そらあんた、こんなん言われた日にゃ、泣いてまうってー。

原作では、亮司の死を目の当たりにしても、顔色一つ変えずに通り過ぎていく(現場を後にする)雪穂、というシーンで終わってたような気がしますが、ドラマではその後、が描かれましたね。
真実をあの世へ持って行ってしまった亮司のあと、雪穂は嘘で塗り固めた供述をし、おそらくは無罪放免になったものと思われます。ここまではヨシとしましょうよ。でもそこからがいけません。
実生活はそれから奈落の底にまで転げ落ち、店は潰してしまい、自らの精神をも病んでしまいます。折角、亮司が命と引き換えに用意してくれた、死人に口なし、の理屈っていうか、残ったもん勝ち、っていうか、つまりはどうとでも都合のいいように曲げられる真実でもって太陽の下で生きていく術、を、彼女は結局ふいにするわけです。
それは、どうだろうな。
雪穂がここへきて、いや、ここまできて、そんなやわな事するかな。
ナレーションで「そして私は、たった一つの真実を失った」みたいな事を言ってましたけれども、そうじゃないでしょ。そんな、なんていうか、感情に流されてすべてをふいにするような、そんなタマじゃないでしょ。
もしも、百歩譲って彼女が、亮司をなくした事で生きる目的を見失ったとして、だからこそ、の精神の破綻だったとしても、そうなる前に自ら死を選んでいるはずだと思うな。「リョウに悪いから」って自白もせずに、かといって彼が生きていた頃と同じように精力的に幸せ(=金、だろう、やはり)を求める生き方をもやめてしまうような、そーんななよなよした人間じゃないだろうよ。

生きろ。
何があっても。
生きろ。
どんなことをしても。


という強い意志を、最後まで貫いてほしかったなあ。

何の為に生きるのか。
それは、死んでしまった人の分まで「生きる」ということをまっとうする為だと、おいらは思う。

…なんてな。(by 湾岸署・和久さん)