暁の広場

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ケロシンランタン レストア記

2010-11-10 18:54:54 | Weblog

ケロシンランタンとは灯油を使うランタンです。キャンプ用品ではコールマンのランタンが有名ですがホワイトガソリン(高精製ガソリン)を使います。液体燃料を使うキャンピング用品は最近不人気で殆どガス機器となりましたが根強い人気があり国内外を問わずファンがいます。

製造国の文化や国民性、国内事情等が色濃く反映されるとても興味深いものです。アメリカ生産のコールマンは殆どがガソリン、ペトロマックス等のヨーロッパ系はケロシン(灯油)を燃料としています。この違いは燃料の価格とプレヒート(予熱)等の手順をヨーロッパ人はいとわないせいだと言われています。燃料が安く長時間の点灯ができる事が採用の大きな理由のようです。どちらも定期メンテナンスは必要ですがケロシンランタンは圧倒的に手がかかります。

さて入手した個体はシーアンカー製ランタン オークションでジャンクとして購入しました。ペトロマックスの中国製コピー品です。ペトロマックスと言えども最近の生産は中国で材質(ブラス等)は保っているものの部品の精度は似たようなもので決して褒められたものではありません。高価なペトロマックスを使う前に中国製ケロシンランタンで予習する人も多いです。点灯はするようですが調子が悪いようです。グラスチムニー(ホヤ)もありません。トップに加工跡があったり相当動作に苦労したようです。タンクには錆も無く良い状態です。このメッキは粗雑で手入れがや保管が悪いと直ぐはがれ錆びます。ケロシンランタンは灯油の引火点が高い為に気化する過程が複雑で繊細、点火も難しくよく炎上した記事を目にします。キャブレーター付きのビンテージカーに良くたとえら微細な調整とメンテナンスが必須でその手の掛かる事が多くのファンを捕らえて離しません。

分解してみると

ニップルが曲がっています。これでは点火は出来ても消せません。

フューエルバルブのパッキンもぼろぼろ、、、燃料漏れでも起こしたら大変危険。

コンダクティングロッドも曲がっていますが修正はできそう。

ヴァボライザーロワーバルブもロウ付け処理が悪く空気の吸い込みがあります。少しねじるとぼろっと取れてしまいました。ロウ付けし直します。

燃料バルブの修理  この部品はアッセンブリー交換しかありませんが今回はOリングを組み合わせ修理しました。オルジナルではグラファイトシールです。

セラミックノズルもニップルも手持ち部品と交換。再組立してエア漏れを確認します。

これにはポンピングして圧力を掛けて数時間変化がなければ合格です。直ぐ圧力が低下するようなら漏れ箇所の確認をしなければなりません。

ポンピングも圧力も問題ないようです。

グラスチムニーはこのフロステッドしか予備部品がありません。ここはクリアガラスで煌々と輝くのを見たいものです。ここまで来ればあとは調整の範囲内ですので点火が楽しみです。といってもそれが結構大変なのです。空燃比の調整などまるでキャブレターの調整と原理は同じです。究極のアナログ機器。

 ケロシンランタンはこのほかPetromax829Bブラスと829B軍用モデルを所有していますがこの大型ランタンは飽きる事がありません。使って楽しみ磨いて楽しみメンテナンスして楽しみ一生ものです。最近はキャンプに行かなくなりましたので収納の肥やしですが、、、。

中国製ランタンと言えども最近は入手が難しくなりました。パーツはペトロと殆ど互換性があるので目についたらポチしときましょう。