パールハーバーと広島市
近着のAERAに,ジャーナリスト高瀬毅氏による,『広島とパールハーバーが姉妹公園協定を結ぶ 原爆の正当化認めたことに』という記事が出ていた。
今年の6月22日に,アメリカからの申し入れで,広島平和記念公園とハワイ州パールハーバー国立記念公園との間で,「姉妹公園協定」を結ぶと広島市が発表し,この協定に広島市の反核・平和運動を行っている市民団体から危惧の念が表明されているとのことである。
今年の4月に在大阪・神戸アメリカ総領事から広島市に打診があり,米側から6月に市長を訪問して,協定の申し入れが行われ,同月22日に協定発表という段取りだったという。根耳に水と市民から異議が出るのは当然のように思う。
わたしは当事者ではないし,協定によって何が行われるのかつまびらかには分からないので,ことの可否について見解を述べるのは控えるが,心の中に違和感を覚えるのは否定できない。
わたしは,2006年にパールハーバーを訪れた。1941年12月に日本軍の攻撃で撃沈された戦艦アラバマに向かって,戦没者の霊に黙とうし,戦艦ミズーリで終戦の協定文書が調印された展示物を見学した。
日本人はわたしとカミさんの二人だけで,大勢のアメリカ人の中でいささか臆した気分になったが,われわれのことを気にかけている人はだれもいなかった。
公園の印象は,戦争犠牲者を慰霊し,「正義の」戦いに勝利したアメリカをたたえるというもので,被曝犠牲者をとむらい,核廃絶と平和を目指す趣旨の広島平和記念公園とは違うものを感じた。「戦争の始まりと終焉の地に関係する両公園」という協定の理由付けには,牽強付会の感を免れない。
この協定に反対する人々が危惧する,「原子爆弾は戦争を終わらせる手段だった」というアメリカに根強い意見に,広島が飲み込まれないことを切に祈る。
海底に沈む戦艦アリゾナ
戦艦ミズーリ
(写真はいずれも2006年パールハーバーにて撮影)
天晴れ土浦日大
甲子園準決勝,土浦日大は慶応高校の軍門に下った。しかし,野球部の諸君,胸を張れ。爽やかな戦いぶりで甲子園に旋風を巻き起こしたことを誇りに,まだまだ続く青春を謳歌してください。
STOP WAR!