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羽花山人日記

徒然なるままに

読書備忘(24)字幕翻訳者が選ぶオールタイム外国映画ベストテン

2023-07-25 14:19:20 | 日記

読書備忘(24)

映画翻訳家協会編『字幕翻訳者が選ぶオールタイム外国映画ベストテン』

ACクリエイト株式会社/AC Books 2011年

先日のブログで,映画字幕の翻訳についての戸田奈津子さんの講演録を紹介したが,その時この本があることを知り,取り寄せて読んだ。期待通り面白かった。

本が出版された2011年当時,映画翻訳家協会の会員は21名で,この内18人の方が,それぞれ印象に残った10本(ベストテンと言うべきか)の映画をあげ,それを選んだ理由とともに,それぞれの字幕翻訳家としての「映画人生」を紹介している。

個性豊かにしてプロフェッショナルの映画を観る目は,実にバリエーションに富んでいて,お互い重なり合うのが少ない。わたしが観たことのない映画だけをあげている方もたくさんいる。わたしが観た観た映画を一番たくさんあげていたのは,戸田奈津子さんの8本だった。

比較的多くの方が共通にあげていて,わたしが観ていないのは,『21世紀宇宙の旅』と『狼たちの午後』で,生きている間に観なければというような気分にさせられる。一方,『天井桟敷の人々』と『地獄の黙示録』も割と多くの方が推奨していて,ここちらは観ているので,「ああよかった」と思っている。

18人の映画翻訳家があげた映画を合計すると157作品で,それぞれに短い解説がついている。この内わたしが観たのは,26作品で,少ないというべきか,多いというべきか。自分としては,映画好きを自認する割合には少なすぎるような感じで,人生やり残したことがたくさんあるような気分になっている。それにしても,『ローマの休日』をだれもあげていないのは,いささか不思議である。

この26作品から,わたしなりにベストテンを選べば,次のようになる。

駅馬車,第三の男,禁じられた遊び,裏窓,わが青春のマリアンヌ,黒いオルフェ,ゴッドファーザー,天井桟敷の人々,ブエナビスタソシアルクラブ。

この内,『わが青春のマリアンヌ』は思い出深い。YouTubeにアップされていることが分かったので,早速観た。70年振り近くの再会。主演のマリアンヌ・ホルトは,やはり「わが青春のマリアンヌ」であった。

この本には,映画翻訳家の対談や談話が載っていて,いろいろなことを知ることができた。例えば,日本で制作される映画の9割は,外国語の字幕/吹き替え版がつくられている;日本語の字幕は20世紀の終わりころまで手書きだった;輸入映画の題名は,輸入した配給会社の意向によることが多く,例えば『おくりびと』は”Departure”,『たそがれ清兵衛』は “Twilight Samurai”が採用された,等々。

寝っ転がって読んで楽しめる本である。

 

フェンスを彩る(土浦市の薬局にて)

ベゴニア

ニチニチソウ

ペチュニア

ジャスミン

 

STOP WAR!

コメント (3)
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