羽花山人日記

徒然なるままに

カミさん

2021-02-08 20:10:25 | 日記

ずい分昔の話だが,ある会議の席で「家内」という言葉を使ったら,同席のリブの女性から,「それは女を家に縛り付ける封建的な言葉だ」と糾弾され,以来それがトラウマとなって,不特定多数を対象として話したり書いたりするときは,基本的に「カミさん」を用いている。

「女房」には「家内」と同じニュアンスがあり,「妻」は「家内」に比べてよそよそしい感じがする。「パートナー」はちょっと気障である。ということで,「カミさん」に落ち着いている。

「カミ」は「神」あるいは「上」であり,レスペクトが込められている。ただし後ろに「さま」をつけるとあの世に送ってしまうので,やっぱり「さん」である。頭に「お」をつければ,「おかみさん」あるいは「おかみ」となって,さらにレスペクトの度は深まるはずであるが,「お宅のおかみさんはお元気ですか」というわけにもいかないので,「奥さん」あるいは「奥様」と〈封建的〉な言葉を使わざるを得ない。

わたしのあまり豊かでない外国語の知識の範囲で考えたことだが,ヨーロッパ言語に比べて,日本語における自分のあるいは他人のつれあいの呼称は実に変化に富んでいる。妻,家内,女房,妻(サイ),山の神,うちの,うちのやつ,奥さん,奥様,奥方,細君等々。つれあいの呼び方に関しては,状況に応じて使い分ける日本語文化の特徴として,女権論者の方々にある程度は目をつぶっていただけないだろうか。

 

本文とは関係ありません。(Bing imagesよりダウンロード)

コメント (4)
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