「疲れる」の意味
(1)体力や気力を消耗して、その働きが衰える。くたびれる(草臥れる)。
(2)長く使ったために物の質や機能が悪くなったり弱ったりする。
●「へばる」は疲れ切った状態をいい、「へたばる」は疲れが重なってもう動けないような状態をいう。
いずれも俗語的表現。
「疲れた」の方言
静岡弁では3つの言い方がある。
●えらい・えりぁ・・・焼津弁
●かんだるい・かんだりぃ・かいだるー・・・私は「かんだるい」を使う(清水)。遠州弁。
●かったるい・・・静岡東部(駿東)の方言・遠州弁
「えらい」
三河弁、讃岐弁、名古屋弁、関西弁、山口弁などにみられる。関西弁では「大変」、「ものすごく」、
「「ひどい」などの他の意味で使われることがある。遠州弁では「骨が折れる」意味で使われる。
「えらい」の語源は、古語「えらし」の「程度が甚だしい。大変だ。ひどい。」の意味から発展した。
「かったるい」「だるい」
(1)「かったるい」
北海道弁、関東弁、茨城弁、神奈川弁(かったりー)、静岡東部の方言、遠州弁、関西弁(かった
りぃも使われる)、博多弁などにみられる。
「かったるい」は「かいなだるい」が転じた言葉。「かいな」つまり(二の)腕がだるいことをいったが、
いつしか体全体の疲れや気分を指していうようになった。
「かんだるい」なども「かったるい」が転訛したと考えられる。
「かいだるい」は関西弁・阿波弁・遠州弁などにみられる。関西弁では「情けない」という意味で使わ
れることがある。
(2)「だるい」
阿波弁ににみられる。
「だるい」は「だるし」の口語。「だるい」は「たるむ」・「たゆむ」と同源で、「みたる(身垂る)」の形容
詞「みたるし」からの転化と考えられる。
「しんどい」
京都弁、新潟弁、伊予弁、阿波弁、土佐弁などにみられる。
「しんろう(心労)」が「しんどー」に転訛し、それが形容詞化し「しんどい」になったと考えられる。
「こわい」
仙台弁、北海道弁、広島弁、伊予弁、福島弁、茨城弁などにみられる。
「こわい」の古形は「こはし」で「かたい」が原義。「こわい」の語源は不詳。
私見ではあるが、語源を考える。疲れると筋肉が疲労して動きたくなくなる。「こ」は「凝る」や
「固まる」の意味を持ち、「動けない状態」を「こは」で表わし、それに強意の「し」をつけて「こはい」
という言葉ができたと考えられる。
その他の方言
●「こい」・・・津軽弁(「これ」の意味で使うこともある。「こわい」から転訛したと考えられる。
●「きつい」・・・博多弁、山口弁などにみられる。熊本弁で「きつか~」、島原弁で「きしか~」、宮崎弁
で「きちー」などの変化がみられる。
●「だやい」・・・三河弁、金沢弁、富山弁などにみられる。「だるい」の転訛か。
●「うたとーん」・・・沖縄方言(本部口)
●「ぶがりにゃーん」・「だりどぅ」・・・宮古の方言
●「だった」・・・伊予弁、大分弁(「だる」も使う)にみられる。
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