スプラウト 会計のはなし、日々のはなし

名古屋市千種区の税理士法人スプラウトの税理士/社労士/CFP®が綴る日々の様々なこと。

不定期講座第3弾

2012-10-18 19:18:56 | Weblog
スプラウト会計チームの方から依頼があって
私が講師として行う簡単な社内研修である
不定期講座の3回目を行いました。

テーマは本当は
「決算から申告に関する流れ」という
要望があったのですが

私の個人的な都合により
「社会保険」をテーマにさせてもらいました。


スプラウトは税理士法人ですが
社会保険労務士事務所も併設しています。


一部のスタッフは
労働保険や社会保険の業務を
経験していますが

今回は全員に
「社会保険のおおまかな仕組み」を
理解してもらうような内容構成にしました。


日本の社会保険制度は
「国民皆保険・国民皆年金」という
全ての国民が保険にも年金にも
加入する形をとっています。

よって病気になった場合に
保険証があることで少ない自己負担で
病院に行くことができますし

老後には全員年金がもらえるように
なっています。
(保険料を滞納していなければですが・・・)


世界を見渡しても
日本の社会保険制度は
かなり充実していると思います。

ただし
最近の少子高齢化により
社会保険制度が財政的にピンチになっています。

その昔は「胴上げ型」といって
一人の老人をたくさんの現役世代で
支えるという、まさに「胴上げ」のイメージ
だったのですが

現在は「騎馬戦型」という
3人の現役世代で
一人の老人を支えるという形に変わってきています。

つまり現役世代一人に係る負担が
大変重くなっているのです。

これが将来的には
一人の現役世代で一人の老人を支える
「肩車型」になると言われています。

当然このままではまずいわけですが
我が国の社会保険制度の未来は
今のところまだ見えていません。


講座の方は
サラリーマンと自営業者等で
適用関係が違ってくるといった
社会保険制度の全体像を説明したうえで

各論として以下のような話をしました。

1.健康保険
(1)被保険者等と療養の給付、高額療養費
(2)出産手当金・出産育児一時金
(3)傷病手当金
(4)退職時の医療保険(任意継続・国保・家族の被扶養者の選択)

2.介護保険

3.労災保険

4.雇用保険
(1)基本手当
(2)高年齢雇用継続給付
(3)育児休業給付

5.公的年金制度
(1)公的年金の全体像
(2)1号の保険料免除制度
(3)老齢基礎年金・老齢厚生年金
(4)障害基礎年金・障害厚生年金
(5)遺族基礎年金・遺族厚生年金

6.保険料の計算と納付

これだけの内容を
2時間で説明しました。
(広く浅くです)


反応がよかったのは

「退職後の医療保険は任意継続か?国保か?」
という部分と
「老齢基礎年金は繰り上げ受給すべきか?」
といったところです。

退職後の医療保険については
お客さまからも聞かれるところですので
判断のポイントを説明しましたが

老齢基礎年金の繰り上げ、繰り下げは
どちらが有利かは判断が難しいという
話をしました。



現在の日本の社会保険制度は
自営業者等に比べサラリーマンが随分手厚く保護
されています。

参加者は皆
健康保険・厚生年金に加入していて
日頃から毎月の給料から天引きされている保険料が
「高いな~」と感じていたようですが

今回の講座を聞いて
保険料が高い分
手厚い給付が受けられるということを
理解してもらえたのではないかと思っています。



税理士 名古屋/名古屋の税理士法人スプラウト