スプラウト 会計のはなし、日々のはなし

名古屋市千種区の税理士法人スプラウトの税理士/社労士/CFP®が綴る日々の様々なこと。

「見る力」と「作る力」と「活かす力」

2012-09-10 18:03:46 | Weblog
メルマガのお勧め本コーナーで
紹介するため
数字は見るな!3つの図形でわかる決算書超入門(田中靖浩著)」
を読みました。

その中に
数字に強いと一口に言っても
数字を「作る」のと「見る」のと「活かす」のは
全く別の能力だということが書いてありました。


経理の仕事に就く人は
「作る」能力に
長けている必要があります。

でも、経理の仕事でない人にとっては
「作る力」よりも
数字を「見る力」と、数字を「活かす力」を
高めることが、自身のビジネスに役立ちます。

なのに、経理の仕事ではない人が
数字に強くなるために
簿記検定を受けるというのは
よくあるわけで・・・、
これは方向性として少しずれているわけです。

簿記検定の勉強をすると
数字を「作る力」は身につきますが
「見る力」や「活かす力」は
得られません。


簿記の勉強をすれば
決算書を見ることができるようになる
という反論もありそうですが

ここでいう「見る力」というのは
「数字を活かす」につながるような
見方ができるかどうかということです。

どこに何が書いてあるかわかるという
ことではありません。


一般的には結構
数字に強いというのを一括りにして
しまっていることが多いと思います。

普段仕事で数字に関わっている人が
「見る」「作る」「活かす」
全ての面で長けているわけではありません。

その持っている能力に応じて
仕事を頼まないとミスマッチになってしまいます。


例えば「銀行OB」や「税務署OB」の人たちは
数字を見ることは得意ですが
数字を作ることはできないことが多いです。
(自分で勉強した人は別として)

これをわかっていないばっかりに
中小企業が「銀行OB」を数字に強いだろうということで
経理の実務スタッフとして採用し、
失敗するケースが多いみたいですね。


では、中小企業が経理のスタッフを
採用する場合には、
一体どういった人材が適しているんでしょうか?

答えは「会計事務所の職員」です。

会計事務所の職員は
日常の会計処理から決算書の作成
給与計算、申告書作成

場合によっては社会保険関係の手続き事務に
精通していますので
経理の即戦力としてはもってこいの人材です。

ただし、
そんな優秀なスタッフを
自社の社員にするのは毎月少なくとも20万円以上は
かかってしまいます。

中小企業としては
管理部門にそれほどお金をかける余裕は
なかなかないですよね。

でも、大丈夫。

会計事務所に全てアウトソーシングすれば
もっと安い費用で優秀なスタッフのサービスを
受けることができるんです。
(ちょっと宣伝になっていますね・・・)


私が税理士として実務で行うのは
「作る」や「見る」が中心で
「活かす」のはお客様である経営者の方々です。

税理士としては
作った数字をお客様にいろいろな角度で見てもらい
様々な意思決定に活かしてもらうのが
役割だと考えています。

会計数字は経営に活かしてこそ意味があります。



税理士 名古屋/名古屋の税理士法人スプラウト