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「風の子」「雪の子」育て!

2007年01月17日 | 教育ノート
 比較的穏やかな天候で三学期が幕を開けた。子どもたちも元気である。
 休み中に職員と雑談した中で、この時期登下校などでやや心配なこともあるという話が出され、そのことを意識しながら書いてみた。


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「久しぶりに大曲から横手までの列車に乗ったら、通学の高校生たちがいました。いやあ秋田の高校生はすごいですねえ。この真冬なのに、コートも着ずに、しかも雪道をチャリンコで行くんですから。」

 先週横手市で行われた研修会の講師であった秋山邦久先生(文教大学)がそう言われました。数年前まで秋田に住んでいた先生は、実態を十分に知っていらっしゃるのですが、その口調はけして皮肉ではなさそうでした。
 今お勤めの大学が埼玉県にあり、積雪3センチで学校は休校になったり、歩いている時に滑って転倒しけが人が続出したりする現状と比べて、そうした見方をなされたのです。

 私たちにしてみれば苦々しい現実で、その行動が彼ら彼女らのプラスにはならないと確信するのですが、考えてみると「寒さ」や「雪」に対する経験が豊富だからこそ、無防備な格好でも雪道を平然と行けるという事実は確かなことです。
 そしてそれはある意味で「強さ」や「能力」とも呼べそうです。

 豪雪地帯に住む私たちは、その環境をなんとか住みやすいものにしようと努力することは当然です。しかし、冬の困難さや辛さに対面し、克服することで、抵抗力をつけてきたことも確かです。
 「自然環境を生かす」とは、美しさに触れて心を豊かにするだけでなく、厳しさを受けとめて心を強くすることも含まれるはずです。
 その意味では何も大人が意図的に組まなくても、十分に厳しい季節が目の前にあります。取り立てて意識しなくても「雪国の暮らしを普通にする」だけで、育まれる力はあるのです。

 三学期初日、雪のちらつく中をほとんどの子が元気に登校しました。ほおを少し紅潮させている子もいます。自ら身体を動かして寒さや冷たさを払おうとする顔は、ほんとにいい表情でした。
 この後、もっと厳しい風雪の日もあり、少し辛く感じる時もあるでしょうが、その繰り返しが「たくましさ」にもつながっていくはずです。安全や安心に気を配らなければいけないのはもちろんですが、そのことはある意味で、子どもの力を弱めることにもつながりかねません。

 今こういう時代だからこそ「子どもは風の子」という昔ながらの言葉に込められている意味を、かみ締めてみたいものです。
 短い三学期ですが、びっしりとやることが詰まっています。変わらぬご理解ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
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