すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

「ケ」の日を語ろう

2011年01月12日 | 雑記帳
 ほぼ一週間雪が降り続いている。
 久々の出勤だったので、周辺の道路もだいぶ狭くなったことにびっくりしてしまった。もはや「豪雪」と呼んでもいいほどである。

 朝のローカルラジオでもそんな話題ばかり…。
 女性アナウンサーが「ユギチョシ」という言葉を使った。
 うーん、それは間違いとは言えないが、今この季節ではないような気がする。仮に今の季節であっても天候がよいときに使う言葉だと思う。
つまり、チョスという軽い感じの動きで、スカスカと雪が消えていくような状況…そういう使い方ではないかな。

 ここ数日の雪は、押しても寄せても投げても次から次へ積もっていくので、まさしく戦いに近い。
 ただ正月が穏やかだったので、あまり疲れていない分だけ人々はまだ大丈夫だが、来週以降も続くようだと持久戦という気がする。
 そうならないことを祈る。

 さて、劇作家の別役実が、ビジネス雑誌にこんなことを書いていた。

 相変わらず消費を煽る情報に踊らされ、われわれはいつまでも民俗学でいう「ハレ」から「ケ」に戻ることができない。(中略)実に気持ちの悪い「半ハレ」の状態なのだ。

 別役は、皮膚感覚や「ふつう」の感覚の重要性を説く。
 そのためには、自らの「根っこ」を再認識することだという。
 そしてその大きな手段として「方言」を挙げている。
 
 自らの根っこと言われたとき、その中にこの雪の存在は必ずあると想う。
 この雪かきの日々はまさに「ケ」以外の何物でもない。
 そこで呟かれる独白、交わされる会話が方言であることはほぼ間違いない。
 
 この感覚の中に、内なる希望がある。生身の自分がいるとでも言うべきか。
 そう、しっかり足を地につけて「ケ」の日を語ろう。