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学習意欲を大雑把にとらえてはいけない

2006年12月03日 | 雑記帳
 来週月曜日は、外部講師を迎えた連続セミナーの最終回である。

 講師は佐藤正寿先生

 6年生の社会科のとび込み授業をしていただき、その後に講話を予定している。

 IT活用はもちろん学級経営などでも精力的な実践を残されている先生なので、非常に楽しみである。
 テーマを「学習意欲を高める」とした。ITや教材開発などの面から意義のあるお話が聴けることであろう。

 さてテーマの「学習意欲」という言葉は実に一般的?なのだが
改めて、どういう意味なんだろうとふと考えた。

 「学ぼうとする気持ち」「勉強に対するやる気」などと言葉を砕いてみるが
それだけではかなり大雑把な気がする。
 
 学習意欲とは何物か?

 関連する資料がないかと教育雑誌などをあたってみたら
『児童心理 2005.6』に大阪教育大学の田中博之氏の論文が目についた。

 学習意欲を構成する15の力

 「学力の観点」として、「探求意欲」「自信・自尊感情」から「学習注意力」まで細かく分かれている。
 そして、具体的な子どもの姿(「学習対象の特徴を興味を持って調べようとしている」など)が示されて、表となっている。
 「成長動機(自分の力を伸ばしたいと思う)」
 「テスト対応力(テストで間違えた問題をやり直している)」
 「宿題遂行力(宿題はきちんとやっている)」
といった項目まである。

 表を見ながら、「この子は学習意欲が高い、低い」という言い方がいかに大雑把なものか反省されられた。
 ともすれば、「活発な発言」や「深く思考する姿」「熱心な作業」といった表面的なとらえで学習意欲が高まったと判断しがちではなかったか。
 
 細かく観点化することで、おそらくどの子にも「学習意欲が高い」部分があることに気づく。
 その部分に着目し、他に波及させ、うまく回転させることが
学習意欲を高めることの本質ではないか…

 個別の働きかけは、その子のどの部分に対応しているか、
また、どこをつなごうとしているのか。
 振り返って意識してみることで、実践が一つ強くなるような気がする。