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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



クラマーさんを訪ねる旅(22)


ミュンヘン1860の練習を見た後は、練習場の入口付近にある小さなレストランで昼食をとる。3、40人が入れるほどのこじんまりした部屋の壁には、このクラブの数少ない過去の栄光の証が飾られていた。

注文したソーセージがゆで上がるのを待つ間、クラブの歴史を物語る写真を眺めながら、とてもしょっぱいプレッツェルというパンにありつく。ビールはすすむのだが、あまりの塩辛さに、まわりにこびりついている塩の固まりをこすり落としながら食べる。

そのうちに、鍋に入った白ソーセージが運ばれてくる。それぞれの皿に一本づつとりわけた、大きな白ソーセージは、このツアーのガイド役の明石さんに教わりながら、まわりの皮をむいて、マスタードをつけて食べる。ブンデスリーガ2部のチームのクラブハウスで味わう、これがドイツの庶民の味かもしれない。

10人ほどの東洋人がわいわいとソーセージをほおばるのを見て、他のテーブルの客が「あなたたちは、何者だ?」と聞いてくる。たしかに20歳そこそこの女性から、旅の疲れがたまってきている爺さんまでの怪しげなグループなど、街中ならともかく、サッカー場の名もないレストランで見かけることはないだろう。

地元のファンをちょっと驚かしてしまったおわびに、ぼくらは、隣接するファンショップで、ミュンヘン1860のグッズをたっぷりと買って、次のクラブに向かった。



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