チャンピオンズ オン アイス2008
2008/9/14 新横浜スケートセンター
「チャンピオンズ オン アイス」は、もともとフィギュアスケート世界選手権のメダリストたちが中心になって始めたアイスショーである。主に北米を回る、このツアーに呼ばれることは、スケーターにとって大きな名誉だ。日本での公演は3年目となり、初めて首都圏で開催された新横浜公演を見に行った。
主な出演者は、日本人では、荒川静香、村主章枝、安藤美姫、本田武史、織田信成ら。海外からは、ベテランのスルヤ・ボナリー(フランス、2005年世界選手権2位)、ジョニー・ウィア(米国、2008年世界選手権3位)、井上玲奈&ジョン・ボルドウィン(米国、2006年全米選手権優勝)、マリナ・アニシナ&グウェンダル・ペーゼラ(フランス、2002年ソルトレイク五輪優勝)、そして、ステファン・ランビエル(スイス、2007グランプリファイナル優勝)。さらに、ヴァイオリニスト川井郁子の生演奏を加えて、今年のテーマ「カルメン」を描いていく。
観客2000人ほどの小さな、冷んやりとしたスケートリンクが、ショウの始まりから華やかな雰囲気に包まれた。競技よりも、演技の時間は短めで(ショートプログラム程度か)、ジャンプの回数も少ない分、細かな演技や演出に力が入る。
第2部の後半、安藤美姫、ウィア、ランビエルらの演技を見ていて不思議な思いをした。演技をしているスケーターたちが、時間がたつにつれて大きく見えてくるのである。演技に見とれているうちに、スケーターたちが、見ている者の心のなかに大きく入り込んでくるかのように。これがチャンピオンたるゆえんなのか。
関係者の話では、スルヤ・ボナリーは6週間前に膝の手術をしたばかり。また、アイスダンスを踊ったマリナ・アニシナは妊娠4か月だそうだ。当然かもしれないが、観客のために、チャンピオンたちが真剣に取り組んでいる。観客の一番のお目当てのランビエルも十二分に期待にこたえるパフォーマンスを見せ、観客を総立ちにさせた。
チャンピオンたちは、競技会とは違った、ショウならではの、観客との真剣勝負に挑んでいるのかもしれない。
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