「惚れ薬」
R博士のもとに依頼主の男がやってきた。
以前から頼んでおいたあるものが出来上がったのだ。
「これが“完全な惚れ薬”です。
いやぁ、苦労しましたよ。
なにしろ、完全な惚れ薬を作ってくれって言う依頼でしょ?
まずは、世界中のありとあらゆる惚れ薬を研究して、特殊な容器を開発して、それから・・・・」
「わかった、わかりました。
すごい薬だというのはよくわかったから早くくださいよ!
私は博士に決して安くないお金を払っているんです!」
「そう興奮なさらずに。
このビンに入っている液体が“惚れ薬”です。
この液体を飲み干せばたちどころにあなたのことが好きになります。
相手は絶対にあなたを手放せないようになりますよ。」
その後も博士の長い説明があったが、男は全く聞いていなかった。
一刻も早く“惚れ薬”を使いたくてたまらないのだ。
博士への礼の言葉もそこそこに、男は愛する人のところへと走っていった。
「俺がどんなにお金を積んでも振り向いてくれなかったあの人が、
ついに俺のものになるんだ!
どうやって飲ませよう?
さりげなくワインにでも混ぜて・・・」
愛する人のことしか見えなくなっていた男は、足元の石に気づかなかった。
「あっ!」
あれから1年、上半身を地面に出した状態で男は埋まっていた。
食べるものには不自由しない。
欲しいものがあればすぐに用意される。
ありとあらゆる延命措置が取られ、永遠の命が男に約束された。
今、全ての生き物が男のために存在していた。
それはまるで、“主人に仕える召使い”のようだ。
時折響く地鳴りにうんざりしながら男は答える。
「愛してるよ・・・」
惚れ薬を地面にこぼしてしまった男は“地球”に惚れられてしまったのだ。
R博士のもとに依頼主の男がやってきた。
以前から頼んでおいたあるものが出来上がったのだ。
「これが“完全な惚れ薬”です。
いやぁ、苦労しましたよ。
なにしろ、完全な惚れ薬を作ってくれって言う依頼でしょ?
まずは、世界中のありとあらゆる惚れ薬を研究して、特殊な容器を開発して、それから・・・・」
「わかった、わかりました。
すごい薬だというのはよくわかったから早くくださいよ!
私は博士に決して安くないお金を払っているんです!」
「そう興奮なさらずに。
このビンに入っている液体が“惚れ薬”です。
この液体を飲み干せばたちどころにあなたのことが好きになります。
相手は絶対にあなたを手放せないようになりますよ。」
その後も博士の長い説明があったが、男は全く聞いていなかった。
一刻も早く“惚れ薬”を使いたくてたまらないのだ。
博士への礼の言葉もそこそこに、男は愛する人のところへと走っていった。
「俺がどんなにお金を積んでも振り向いてくれなかったあの人が、
ついに俺のものになるんだ!
どうやって飲ませよう?
さりげなくワインにでも混ぜて・・・」
愛する人のことしか見えなくなっていた男は、足元の石に気づかなかった。
「あっ!」
あれから1年、上半身を地面に出した状態で男は埋まっていた。
食べるものには不自由しない。
欲しいものがあればすぐに用意される。
ありとあらゆる延命措置が取られ、永遠の命が男に約束された。
今、全ての生き物が男のために存在していた。
それはまるで、“主人に仕える召使い”のようだ。
時折響く地鳴りにうんざりしながら男は答える。
「愛してるよ・・・」
惚れ薬を地面にこぼしてしまった男は“地球”に惚れられてしまったのだ。
こちらのブログに出会いました。
勝手ながら、コメントを書かせていただきます。
いやぁ、面白いですね。
てっきり、意中の人にほれ薬を投与するのかな
と思いきや…。地球にほれられたとは。
展開にビックリです。
実は、私も↑のURLで、
ショートショートを載せているんですが、
だんだん、息詰まってきましてね。ネタ切れで。
で、他の方の文を読ませていただいて、
頭をなるべく柔軟にしているんです。
また、私のブログにも遊びにくださいね。
では、では!
コメントありがとうございます☆
星新一さんのショートショートに
強く影響を受けているので、
意外なラストがスキなんですよ(笑)