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竜の末裔 第106話

2010-09-05 | 小説
弾を避ける際、体制を崩したブランに雨のような銃弾が降りかかった。
右手を地面に突き、地面をけった反動で後方へと飛ぶ。
それを見透かしていたかのように殺到する弾丸。
ブランはオアシス特有の多肉植物の枝を掴み、さらに真横へと飛び退る。
スコルピオとスネークの2人から同時に放たれる狂気に、回避のみを余儀なくされていた。
「彼らは大丈夫か?」
二人の安否が頭をよぎった刹那、更なる銃撃が襲い来る。
「・・・この弾道・・・、誘っているな。」
二点からの同時砲火により、回避する方向は自ずと限られてくる。
先ほどから、回避方向が一点に絞られるような撃ち方をしてくることに気がつく。
真横からの銃撃を、地面に転がりながら避けた先には人工的な建物が並んでいた。
「ここは、かつて砂漠越えの要所として栄えた街の成れの果てだ。五百年前の戦争で廃れちまったって話だ。老いぼれの墓場にゃ丁度いいだろ。」
スコルピオの低い声だけが静かな廃墟に響き渡る。
(まずは、奴らの姿を確認しないことにはな・・・・)


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