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竜の末裔 第110話

2011-06-25 | 小説
「呪術!?そんなもんが存在しているなんてにわかには信じられないな。」
「別に信じてもらえなくてもいいよ。お前がどう考えたって僕の呪いには影響しない。お前はここで死ぬしかないのさ。」
淡々と語る少女が、今度は藁人形の左手を思い切り両足の間に打ちつける。
「はぐあっ!!!」
馬に蹴られたような声をあげ、サーガは砂の中にうずくまった。
遠くに懐かしい声が聞こえる。
それは幼いころの両親の優しい声であり、悪戯をしたときの村長の厳しい声であり、声をかけてきた女の子たちの冷ややかな声であり、自らと同じ秘密を持っている大切な友人の声であった。
涙と鼻水にまみれながら、サーガの意識は遠ざかっていった。


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