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竜の末裔 第94話

2009-07-27 | 小説
「もしや、龍皇国に何かあったのですか?」
眉根を寄せるユナにブランはエイシアの侵攻、城門の突破の経緯を話した。
「・・・あのエイシアが同盟を違えたということですか。それでイェンロンに助力を・・・。」
さすがにユナは動揺を隠せないようだった。
それもそのはずだった。
戦竜国エイシアと、竜の頭脳ヴァルド・ライツは共に500年前の竜戦争を戦い、同盟国を勝利に導いた大国だ。
大戦後、世界の平和を永久に反映させるため、3国の代表者が自らの血を持って誓った、文字通り“血の盟約”結ばれた。
その中には、“魔法の封印”、“科学の軍事利用の禁止”、そして“同盟国への不可侵”が明示されていた。
そして、それから500年、公にはこの盟約は破られていない。

「ユナ殿!不躾な願いとは承知の上ですが、時は一刻を争います!イェンロンからの援軍要請を帝に受信するお手伝いを願えませんか?」
「それは・・・私では帝に直接お目通りすることは叶いません。父でないと無理ですが、その父とて、1ヶ月に1度の定期報告以外での謁見は難しいと思います。何とかお力になりたいのですが・・・」
「なんと・・・。ではその定期報告はいつごろ・・・」
「およそ十日後です。いつも月末に報告会があるので・・・」
「それでは間に合わない・・・。ユナ殿!私、ヒルデブランに出来ることならば何でもいたします!なんとか、なんとかお目通りできる方法を探してはいただけませんでしょうか!」


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