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竜の末裔 第103話

2010-04-11 | 小説
「さっきのがレベル2、特定の相手を気の済むまでぼこぼこにする。ここぐらいまでは何とか止められる。レベル3以上になると相手を殺しちゃいかねないんだよ。まるで、オウギツノウシが・・・・・。」
「あ、オアシスだ!」
フェンが大声を上げた。
「ここで一旦休憩しようか。」
「賛成!」
大きなフェンの声と、不満げなサーガの声が重なった。

「っぷはーー!美味しい!」
水滴が一瞬空に舞い上がり、すぐに蒸発した。
「砂漠にオアシスとはまさにこのことだ!」
「それ、別に例えでもなんでもないじゃん。」
「うるさい、時にはありのままにありのままを話すことが詩的な場合もあるのだ。」
「はいはい、僕には分からないけどね。」
「しかしこんなところにオアシスがあるなんて知らなかったな。砂漠を渡るときはどうしてもアクアロードを通るもんな。」
風は一向に収まらないが、周囲の砂漠特有植物のおかげでオアシスには砂があまり吹き込んでは来なかった。
「ここまで半分ほどの時間で来てしまった。すごいものだな、竜の力は。」
振り返るとブランが3頭のシパックに水を飲ませていた。
「ところで、こやつらは砂漠で放すとイェンロンに戻るんだったな。ここまでよく運んでくれた。」
「そのとおりですけど・・・。まさかシパックを放すつもりですか?この先もシパックは必要ですよ。」
「実はこの奥に私のワイバーンを待たせてある。ここからは空路の方が早いでな。」
「マジ!俺ワイバーンに乗るの初めて!あー、感動で俺の鳩尾が・・・」
サーガの会話は唐突に打ち切られた。


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