60'SのMOTOWN Sound~70'SのPhilly Sound #1

2005年12月16日 | soul,r&b
=========MOTOWNとJames Jamerson========
前回はPhilly Soulの重要性について触れたが、それが開花する以前のモンスターレーベル、MOTOWNを無視して進めることはできないであろう。
昨年、永遠のMOTOWNという映画が公開され、謎であったMOTOWNの裏側の一部が明らかになった。その中でBassistのJames Jamersonは別格に扱われていたのはこの映画を見た人ならよくわかると思う。非常に破天荒な人であったようだ。他のMOTOWNのPlayerはこの映画で紹介されるまで本当に無名だった。その中でJamersonは知る人ぞ知る、One&Onlyな存在であった。何しろMotown全盛期であった60'sにはLPにMusicianのクレジットさえ無かった時代であるが、彼の没後ほとんど彼が弾いていた事が明かされる。少なくともMarvin Gayeの最高傑作What's Going Onにクレジットされていて、'74に出したLiveアルバムでも弾いていたのは私も知っていたが...
'83にアルコール中毒が彼の生命を縮めることになり、最後は悲惨な死をとげたらしい。一般的にSingerやArtistなら良くある話であるが、彼の場合一介のBassistでしかなかったにも関わらず伝説になった稀な存在である。それはいかにMOTOWNと言う存在が大きかったかと同時に、そのGrooveはUSA国内のみならず世界のリスナーに愛されたということであろう。さらにその後に出現するSuper Bassist達に多大な影響を与えた事である。
すっかりJames Jamersonの話に終始してしまったがMOTOWNと言えばBERRY GORDY(創始者/Producer/Songwriter)である。彼とMOTOWNについてはまた改めて話そう。

========Soulと地域性========
60's~70'sのSoul musicは非常に地域性が強かった。MOTOWNは北部Detroit、Phillyは東部Philladelphia、StaxやHiは南部Memphis、L.A.は西部Los Angels、Bay Ariaは西部SanfranciscoとOakland等、それぞれの独特なサウンドを発信していた。Rockはバンドサウンドであるので地域性と言うよりはそれぞれのバンド単位で個性を出している。(中には地域性を打ち出した物もあるが...)それに対しSoulはそれぞれのレーベルごとにバックのミュージシャンやアレンジャーを雇いレコーディングしていた。当然のごとくアーティストは違えどサウンドは似通ったものになるわけだ。そんなわけで地域によって個性的なサウンドが生まれていったわけだ。最近はコンピューターでの打ち込みが主流になったせいかそれはかなり希薄になって来ている...

========Philly Soulの誕生とその背景======== 
USA東部のPhilladelphiaでは70'sに60'sのMOTOWNに匹敵するレーベル、Philladelphia Internationalが誕生した。やはり数々のヒット曲、アーティストを輩出する事になる。MOTOWNのBerry Gordyのような存在は、Kenny Gamble、Leon Huff、Thom Bellということになるだろう。どの音楽雑誌で読んだかは定かでないが、Kenny GambleがインタビューでMOTOWNから多大な影響を受けたことを認めていたことを覚えている。確かに彼らのPhilly Inter以前のサウンドを聞くとよく解る。これはGamble&HuffがPhilly Inter設立前にやっていた会社、NeptuneでのThe O'jaysのOne Night Affairを聞くとそれが顕著に解る。さてThom Bellはと言うと、68年にThe Delfonics/LaLa Means I Love YouというR&Bチャート#2に送り込む大ヒットを飛ばすことになる。この曲はその後のPhilly Soundの基盤となった、ストリングス+ファルセットヴォイスと言う図式を確立、Philly Soulの夜明けとも言われているほどの存在だ。

次回は本格的にPhilly Soundについて語ることにしよう。今後はSoul歌唱法/発声についても織り交ぜて書いていきますよ。
                                                  お楽しみに!


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