美島奏城  豊饒の海へ

豊饒の海をめざす、教育と文芸と風流に関する備忘録

日乘 パール判事

2007年08月14日 | 歴史

平成19年8月14日(火)

 

 久しぶりにNHKスペシャルをしっかり観た。『パール判事は何を問いかけたのか』である。

 歴史好きな人にとっては,パール判事=東京裁判で無罪を主張したインド人判事,というのは常識。古くは田中正明氏の『パール博士の日本無罪論』(今年,小学館文庫で再刊)という本もある。昨年は『東京裁判「パル判決書」の真実』という本も出された。

 パール判事とその判決書に対し,冷静で公平に議論することができるようになった証左であろうか。

 さて,テレビではパール判事とオランダのレーリンク判事の裁判官としての交流を縦軸に,裁判とは何か,つまり法の正義とは何かを横軸にして展開された。彼らの息子達の証言や肉声にはさすがNHKと思った。

 判事の考えは第2次大戦中日本のしたことは愚かだが,それは白人社会が犯した愚かさと同じであり,許されない。が,裁判としては事後法で裁くべきではなく被告全員は無罪である。

 暴力と残虐さを憎むが、法理を曲げないという姿勢はあのガンジーに通底する。

 真の裁判官のありようを彼に見いだすことができるのでは無いだろうか?!

  

 


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