ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

純粋過ぎる18歳~春休みだけの特別レッスン

2024-04-04 | 障がい児教育

前回の続きです~

 

レイ君は高校生の時、
芸術科目は音楽を選択していたらしく、

音符の長さ等、基本的な事は概ね理解していました。

ただ、家に電子ピアノは有るものの、
ほとんど弾いた事が無い様子でしたので、

簡単な楽譜を使って、右手の弾き方から指導しました。

 

その時に、まず最初に指導する事は「脱力」です。

最初に「脱力」を意識する弾き方を身に付けると、
その後の練習が楽になるからです。

そのコツを習得させる為、
私はレッスン中に、生徒さんの腕や肩を触る事があります。

 

なので、私はレイ君に

「脱力を指導する為に、腕や肩を触る場合があります。
それは了解して貰えますか?」と尋ねました。

レイ君は「大丈夫です。」と答えてくれました。

 

発達障がいのひとつの特徴として、触覚過敏というものがあります。

触覚過敏というのは、
ゴワゴワした服が苦手で、同じ服しか着られない~とか、
人に触れられるのが苦手~等の症状です。

20年程前、発達障がいの知識を得る前の出来事でしたが、
さりげなく生徒さんの肩を触った時、
「やだ!」と大きな声で言われた事があります。

その生徒さんは、おそらく触覚過敏だったのでしょう。

その時は私も驚きましたが、
その生徒さんも、かなりビックリした様子でした。

それ以降、全ての生徒さんに
「触っても良いですか?」と聞くようにしています。

 

今回は、お母様から、
レイ君が様々な過敏症を持っている、とうかがっていましたので、

承諾を得たとはいえ、触る前は必ず
「今から肩を触りますね。」などと予告をして触るようにしました。

そんな感じで、春休みの特別レッスンは行われました。

 

数回指導するうちに、レイ君は簡単な伴奏を付けて両手で弾けるようになりました。

理解も早く、真面目に取り組むので上達も早かったのです。

 

そして最後のレッスンの日、
レイ君は1曲弾く毎に「寂しいな。」と呟きました。

「何が寂しいの?」と尋ねると

「レッスンが終わるのが寂しいんです。」と答えます。

発達障がいのお子さんは、年齢に比べて純粋な子が多く、

こんなセリフも真面目な顔で言ってくれるのです。

 

レイ君は最後に

「ピアノを教えてくれてありがとうございました。
凄く楽しかったです。」

と、深々と頭を下げてくれました。

「こちらこそ、どうもありがとう。
私もレイ君のレッスンは楽しかったですよ。
よかったら、夏休みもレッスンに来て下さいね。」

「はい、また夏休みにお願いします

そう言って帰っていきました。

 

レイ君が、楽しく充実した大学生活を送りますように

大学のピアノの授業が始まった時、
気後れせずに臨むことができますように

心からそう願っています。

 

 

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