ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

お説教は嫌いです。。。

2022-12-28 | 広汎性発達障がい児 R君のこと

先日のルイ君(特別支援校・中3)のレッスンの時のこと。

ニコニコと玄関に入ってきたのですが、
靴の脱ぎ方が、お行儀悪かったのです。

靴を脱いで、そのまま玄関ホールに上がらず、
三和土(たたき)?土間?に一旦足を降ろし、

それからおもむろに玄関ホールに上がったのです。

 

話は逸れるのですが、
最近は何故か、このように靴を脱ぐ人が とても多く、

大人の生徒さんを含めて半数以上の方が、
この様に靴を脱ぎます。

2~3回に1回は、
「靴を脱いだら、そのまま上がってね。」

と声をかけるのですが、次の週には、元の木阿弥。。。

社会人の生徒さんにも このように脱ぐ方が複数いるので、
あれっ?最近のお作法はこうなのかな?と思う程です。

 

なので、今回も
「ルイ君、靴を脱いだら、そのまま上がってね。」

と声をかけました。

「何でですか?」とルイ君。

「だってね、靴下で土間に降りたら、靴下が汚れちゃうでしょ?」

「そんなに汚れないと思います。」

「そうね。でも、もし雨の日だったらどうかな?
土間が濡れていたら、靴下も濡れちゃうんじゃないかな?」

「。。。。。」

 

ルイ君は、ほんの暫く黙っていましたが、

「お説教は嫌いです。。。」
と小さな声で言って、泣き始めました。

ちょっとビックリしましたが、

お母様から、ルイ君は最近、御家庭でもよく泣くと伺っていましたので、

あまり大袈裟にしないようにしようと思いました。

 

「ルイ君、ごめんね。
お説教したんじゃなくて、マナーを教えただけなのよ。」

「。。。。。」

「ルイ君は来年高校生だし、
マナーを教えた方が良いかな、と思っただけなんだけど、
それでルイ君が傷ついたのなら、本当にごめんなさい。
先生の事、許してね。」

「。。。。。」

 

ルイ君が黙ったままなので、
私も ほんの少しの間、黙って見守ることにしました。

そして その間に、スマホで キャブヘイさんを検索しました。

キャブヘイさんと云うのは、ルイ君が大好きな YouTuberさんです。

ひとりキャンプの動画を沢山アップしていて、
ルイ君は その動画を見るのが大好きなのです。

 

「あっ ルイ君。
キャブヘイさんって島根県出身なんだね?」

「えっ?そうなんですか?」とルイ君。

すぐに反応してくれました

 

「島根県って遠いね。」

「遠いですね。」

「行った事ある?」

「無いですね。」

「ルイ君は今年、大阪や京都へ行ったみたいだけど、
島根県は もっと遠いものね。」

「そうですね。島根県は大阪よりも遠いです。」

ルイ君は、地理も大好きなので、
凄く楽しそうに会話にノってくれました。

その後も、キャブヘイさんや島根県の話を暫くすると、

すっかりご機嫌も直った様子で、
その後のレッスンは、とてもスムーズにいきました

 

 

私に靴の脱ぎ方を注意されて、少し泣いてしまったルイ君。

しかし、私に向かって
「お説教は嫌いです。」と言えたのは良いことだと思います。

自分が不快になった理由や、
自分の気持ちを相手に伝える事は、凄く大事な事だと思うからです。

このような事は、これからも度々起きるかもしれませんが、

ルイ君が、自分の気持ちをハッキリと言える相手になること。

そして、その成長を見守る事も、私の役目だと思いました。

 

 

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時々は弾かないと忘れてしまうね

2022-12-26 | 自閉症児 M君の不思議

先日は、マサ君(特別支援校・高2)のレッスンでした。

今マサ君は、レオポルト・モーツァルトの【アングレース】を練習しています。

 

マサ君はピアノの前に座り、
早速【アングレース】を弾こうとしたのですが、

「マサ君、ちょっと待ってね。
今、【アラベスク】が弾けますか?」

と尋ねてみました。

「はい、弾けます

と、マサ君は元気に答えてくれました。

 

しかし、いざ弾いてみると、
結構、色々な箇所を忘れていました

少しヒントを出すと、すぐに思い出して弾くのですが、

仕上がった時の完璧さからは程遠く、
私はちょっとショックを受けました。

ひと月程前は、
強弱や、rit. 等の音楽記号も理解して、
あんなに完璧に弾けていたのに。。。

 

なので、片手ずつ弾かせてみたり、
部分練習をさせたり、
指使いに注意を向けさせたりしました。

すると、レッスンの時間内に、きちんと弾けるようになりました。

マサ君は自分で拍手をして、得意そうです

 

「マサ君、また完璧に弾ける様になりましたね。」

「はい、完璧です」と、マサ君はニッコリ笑いました。

時々は、こうして復習する事の大事さを痛感したのでした。

 

 

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仕方無いよね、決まりだからね

2022-12-20 | 広汎性発達障がい H君

先週のレッスンの時、
3拍子の曲を4拍子で弾いてしまったハル君(年長・広汎性発達障がい)

さて、今週はどうかな?

私は、楽しみにしていました。

 

ハル君は、得意そうなお顔で弾き始めました。

すると。。。

先週4拍子で弾いていた曲は、
きちんと3拍子で弾けていました。

素晴らしいです

私は、ハル君を褒めました。

 

しかし、

ド レ ミ|レ ミ ファ|ミ ソ ド|レ -  

の4小節目、

レ ー  箇所が、左手とうまく合いません。

どうしても右手につられて、
左手の伴奏も間延びしてしまうのです。

初心者の場合、
特に何らかの発達障がいのお子さんは
このようになるケースが多いように思います。 

右手と左手で、違う動きをするのが難しいのです。 

 

ハル君が右手を弾いて、私が左手。

次に、ハル君が左手を弾いて、私が右手。

それぞれ2回ずつ、4回弾いた途端、

ハル君が「もう疲れた」と言いました。

 

ハル君は、体幹が少し弱いので、
レッスン中にも、「疲れた。」と言う事が多いのです。

今までは、そこで無理強いしないように心掛けていたのですが、

そろそろ頑張らせたいな、と思い

「ハル君、来年は何年生になりますか?」と尋ねました。

ハル君は「1年生です」と答えました。

 

「ハル君、もうすぐ小学生になる子はね、
歳の数だけ練習する、って【決まり】なのよ。
ハル君、何歳だっけ?」

「6歳。」

「じゃあね、6回するのが【決まり】なのよね。
どうする?」

 

ハル君は、暫く考えて、

「6回弾く」と言いました。

「あら~えらいね。
ハル君は、【決まり】を守る良い子ですね。」

「はい

 

そう言うと、ハル君は、もう2回弾きました。

全部で6回、歳の数だけ、ちゃんと弾きました。

 

「ハル君、お家でも、毎日6回練習出来ますか?」

「。。。。。」

「でもね、仕方無いよね。決まりだからね。」

「分かった。やるよ。」

 

ハル君は、【決まり】を守ってくれるかな?

どうかな?

次回のレッスンが楽しみです 

 

 

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【青いライオン】映画制作発表会・石村嘉成さんの挨拶文

2022-12-15 | 自閉症の画家・石村嘉成さん

自閉症の画家・石村嘉成さんの半生を描く映画
新居浜ひかり物語【青いライオン】

制作発表会での、
石村嘉成さん御自身の挨拶全文です。

なんだかジーンときます。

 

 

~~~~~~~

 

みなさん こんにちは。

私の名前は、石村嘉成です。

私の住んでいる新居浜市は、自然が豊かで、山も海もあります。

家から、すぐに小高い山や、青い海に行けるんです。

 

海に行くと、水辺で小さな生き物を探します。

特に、ヤドカリとカニを見つけると、とても嬉しいです。

空と繋がった、青い空を見ていると、とてもすがすがしい気持ちになります。

 

私は、夕方、父と自然の中を散歩します。

一日、一生懸命アトリエで絵を描いた後の、自分へのご褒美の時間です。

 

幼い頃も、私はよく歩きました。

今は亡き母と、山道を歩いたんです。

その時の話をします。

 

母は、まだ言葉がうまく出なかった私を連れて、山歩きをしました。

療育の一環としての、山歩きだったそうです。

山の頂上まで登ると、母はとても嬉しそうに

「ヤッホー」と、言いました。

私も、

「ヤッホー」と、母の真似をしました。

晴れ渡った青い空に、母と私の声が、飛んでいきました。

 

今も、青い空の中に、母と私の声が、楽しそうに浮かんでいるような気がします。

 

母は、

「嘉くん。強い子になってね。優しい子になってね。」と、

青空の向こうから、私に言います。

私は、

「お母さん。ライオンみたいに、やさしくて強い人になるよ。」

と、約束します。

 

何かに困って泣きそうな時も、

自信がなくてドギマギしている時も、

青空のライオンを思い出して、頑張ろうと思います。

だから今回、母との約束の「青いライオン」を絵にしました。

 

今回、母との思い出が、素晴らしい映画のなって、私はとってもうれしいです。

これからも、毎日、大好きな絵を描いて頑張ります。

皆さんよろしくお願いします。

今日はありがとうございました。

 

 
左の版画は、お母様のお顔です。
 
とても似ていると思います。
 
 
 

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自閉症の画家・石村嘉成さんの半生が映画になります!

2022-12-13 | 自閉症の画家・石村嘉成さん

昨夜、石村和徳さんのブログを見ましたら、
嬉しいニュースが書いてありました

自閉症の画家・石村嘉成さんと、今は亡きお母様との物語が、
映画になるそうです

     ↓     ↓     ↓

【息子の物語が映画になります】
https://ameblo.jp/ishimura-yoshinari/entry-12779050356.html

 

息子と亡き母の物語が映画化されます。
岡山のRSK山陽放送さんが、
開局70周年記念事業として制作してくださいます。

ご出演いただきました
竹下景子さん
檀ふみさん
にもお越しいただき、
制作発表会を行いました。

こんなうれしいことはありません。
一番先に亡妻に見せてあげたい。
今日、この発表会のどこかに来ていて、
きっと喜んで見ていてくれたでしょう。

石村和徳さんのブログ
【息子は亡き妻からの贈りもの】
12月12日の記事より

 

 

制作発表会

 

嘉成さんと、在りし日のお母様・有希子さん

 

現在の嘉成さん

 

撮影は新居浜市や岡山県内で来年夏ごろまで行われ、
来年秋の完成を目指しているそうです。

完成が、本当に楽しみです

 

 

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