何らかの症候群を持ったお子さんに ピアノを指導する時、
私が心掛けている事を記しておきたいと思います。
1番心掛けていること。
それは、【欲張らない】ということです。
生徒さんが御家庭でも練習をしてきて、
スラスラ弾ける様になると、こちらも欲が出てきます。
もう少し宿題を出してみようかな?と。
でも、ここはグッと我慢です。
何曲も宿題を出すと、
もうそれだけで気持がいっぱいになり、
挙げ句の果てには、
練習をしないでレッスンに来てしまうようになるからです。
そう、発達障がいのお子さんの場合、
沢山の宿題を抱えてしまうと、
それだけで気後れしてしまい、
「どうせ出来ないな~
だから、練習するのをやめちゃおう~」
といった思考になるような気がします。
ある意味、完璧主義なのです。
そして、不登校気味のお子さんもまた、
そのような傾向があるように思います。
(この事は、また改めて書こうと思っています。)
なので私は、
その子が、少しの時間で弾けるようになる量、
極端な事を言うと、
『1週間に20分程度練習すれば弾ける量』しか
宿題を出さないようにしています。
それぞれの能力に応じて、
たったの4小節の場合もありますし、
2~3ページの場合もあります。
「宿題、少ないな~」と思う位の量の方が、
気持の負担が少ないですし、
丁寧に取り組んでくれるからです。
その替わり、その少量の宿題は
完璧に弾けるまで指導します。
音色や強弱、脱力に至るまで、
完璧に弾けないと次には進みません。
そのあたりは妥協しないようにしています。
なので、例え4小節でも、
完璧に弾けるようになると、
自然と達成感が得られますし、
結果的に、美しく弾く事が出来るようになります。
そして、美しく弾ける様になると、
ピアノが益々好きになるのです。
そうなると、
ピアノのレッスンも楽しみになりますし、
長く続くようになり、
ピアノが一生の趣味になります。
発達障がいのお子さんを教える時は、
こんな事を心掛けて指導しています。