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ナースホルン製作記 ~その4~

2011-02-20 23:00:33 | 模型について

今回はオープントップ(屋根が無い)車輌の一番の見せ場、車内の工作です。

この工程では、薄い金属を再現するためにエッチングパーツが結構使われています。

エッチングパーツはほとんどが真鍮板で出来ていますから、普通の模型用接着剤では接着が出来ません。

そこでエッチングパーツの接着には瞬間接着剤のお世話になるのですが、まめ八は瞬間接着剤と相性が悪く、なかなか上手く使いこなすことが出来ないのです。付けたい所には付いてくれないし、瞬間という名前が付いている割には接着までの時間が結構かかるし、第一、接着剤がはみ出したり余計な所に付いてしまったら後の始末が大変です。

 

こういった理由から、この工程には少し苦戦しそうな予感が。。。

ところが、工作に入ってみると、エッチングパーツの工作以上にまめ八を苦しめる事態が。。。

 

そうです。そうなんです。

このキットを組み始めてからズゥ~とまめ八を苦しめ、その神経を逆なでし続けている組み立て説明書の“誤記”“抜け”“不明瞭”の余分3兄弟が、コレまでにも増して強力な攻勢をかけてきたのです。

 

 

それでなくても細かい部品が多く、しかも複雑な形状をしている車内の工作で、組み立て説明書の余分三兄弟は場合によっては完成までの道のりに致命傷を与えかねません。

 

 

実際、取り付け指示が曖昧なためにパーツを逆に取り付けてしまい、後から気が付いて慌てて修正した箇所が数箇所あります。

その度に苦労して取り付けたエッチングパーツはポロポロ取れるは、パテとヤスリがけによる接着後の修正に時間を取られてしまいます。

一度は、あるパーツの接着位置を決めるために実車写真を確認していて取り付け方の間違えに気が付いて修正しようとしたのですが、接着剤が完全に乾燥していてどうしようもなく、製作を断念しなければならなくなりかけたのですが、幸いキットの中の不要パーツで代替して事無きを得た事もありました。

本当に組んでいく度にイライラさせられるキットです。

 

私は声を大にして言いたい!!

“ええ加減にせ~よ。ドラゴン! パーツがどんなに良くても、エッチングが付こうがアルミ砲身を入れようが、組み立て説明書がコレじゃ組みあがらんだろ!ボケ!!完成しなかったら金返せ~よ!”

 

 

ドラゴンの組み立て説明書が如何にいい加減か。。。

パーツ取り付け指示の抜けや、誤記は問題外なので、ここでは取り付け指示が如何に解り難いかのちょっとした例を挙げてみます。

 

まず組み立て説明書の取り付け指示。

D56、D57のパーツをそれぞれD60パーツに取り付けた後、防盾パーツM1の左右に取り付けるように指示してあります。

ところがその取り付け位置がこの図では良く解りません。

 

 

D60パーツの接着位置には取り付けのためのタボが付いているのですが、M1パーツにはその受けの穴が開いていないのです。取り付け位置を示すモールドでもあれば解るのですが、M1パーツには全く何もありません。

ちなみにパーツ上部中央と右下にある取り付け基部は、砲を取り付けるための物なので関係ありません。

 

 

結局、実車写真を探して確認した所、このD60パーツは、上の写真の上部中央と右下にある砲取り付け基部を結んだ対角線のやや上にその中心が来るように取り付けてやらなければならないことが解りました。

このような面倒な作業が一つの工程で1~2箇所の割合で現れるのです。

まめ八が怒り心頭に達している理由がこれでご理解いただけたかと思います。

 

いつまでも組み立て説明書の愚痴を言っていても仕方が無いので先に進みます。

このナースホルンのキットは、実車同様、砲以外の部品については同じドラゴン社から発売されている兄弟車輌のフンメル(こちらは15cm榴弾砲を搭載)と共通パーツが用いられています。

従って、戦闘室側面内側にはフンメル用のパーツ取り付けガイドのモールドが残されています。

まずはその部分(茶色のマーカーで囲まれているモールド)を削り取ります。

 

 

また、ナースホルン用のモールドも実車には存在しない上に、パーツの大きさと合わないので接着位置がわかる程度残して削り取っておきます。

 

 

 

それにしても、最近のドラゴン社の技術力には唸らせられるものがあります。

 

例えばこの戦闘室側面の装甲板。

通常のキットならば1㎜弱あります。

ところが、1㎜と言えども1/35のキットならば実車に直せば3.5cmになってしまって、本来ならば8㎜しかない装甲板の厚みがオーバースケールになってしまいます。そこでコレまでAFVモデラーはこの薄い装甲板の実感を演出するために、サードーパーティーのエッチングパーツ等を使ってきたのです。

しかしながら、このキットの場合、この薄さです。プラ成型技術の限界に挑戦するかの様なこの薄さ。。。他社では真似出来ないかもしれません。

プラでココまで薄く成型できれば、わざわざ高い金出してエッチングパーツを使い必要もありません。

こんなに素晴らしい技術を持っている反面、組み立て説明書はあの様ですから本当に惜しい気がします。

 

 

さて、側面装甲板に装備品を取り付けてみました。

まず、右側面内側。。。

 

 

こちらは左側。。。

車内通話装置と室内灯の配線を真鍮線で追加工作してみました。

 

 

次は弾薬庫の工作です。

細かい作業が続きますが、出来上がると実車同様の素晴らしいディテールを楽しむことが出来ます。

弾薬庫の内部構造をココまでリアルに再現したのは恐らくドラゴン社が初めてだと思います。

71口径88㎜砲弾って凄く大きいですね。

 

 

左側面を車体に取り付けました。

こちらの弾薬庫は“閉”状態としました。

 

 

瞬間接着剤と組み立て説明書の“抜け”“誤記”に悩まされつつも、ココまでは良かったのです。。。

ところが、この後、例の重大ミスが発覚。。。

コレまで取り付けたほとんどのパーツを一旦取り外し、整形の後再び組み直すという試練が待っていたのです。

 

その苦役とも呼べる作業を、家事と家族の看病の合間を縫って三連休中にやり遂げたまめ八はエライ!!

自分で自分を褒めてやりたいです。

 

しか~し、このキットはまめ八に更なる試練を準備してくれていたのです。

それは覆帯の工程。。。

このキットの覆帯は、ドラゴン社が実用新案まで取得したご自慢の“マジックトラック”と呼ばれるものです。

実はまめ八、このマジックトラックなる物を組み立てるのは今回が初めてだったのです。模型雑誌等での評価は、“素晴らしい出来”だとか“面倒な覆帯の工作を楽にした画期的アイディア”と良いことばかりでしたから、まめ八も凄く期待して(油断して。。。)いたのです。

ところが、その実態は。。。(これで片側分ですから、キットを完成させるためには、この倍のパーツを使います)

 

 

確かに従来の連結式覆帯に比べればランナーから切り離す手間が省けます。

しかもディテールも素晴らしい。。。

さらに左右の覆帯を別パーツにするなど、従来のキットのパーツに比べればかなりの進歩が見られます。

 

ところが。。。

 

 

キャァ~。。。しっかりと打ち出しピン跡が2箇所も付いているじゃありませんか。。。

せめてもの救いはこれらの打ち出しピン跡がは全て凸モールドであったことです。

でも。。。片側102枚(組み立て説明書では96枚でした)両方併せて204枚に予備覆帯まで含めると220枚近くのパーツ一枚一枚の打ち出しピン跡を消していく作業をやる破目に。。。

“何が、「面倒な覆帯の工作を楽にした画期的アイディア」だ。。。これ書いたライターはドラゴンから金貰ってるんじゃね?責任者出て来い!ブツブツ・・・”

 

かくしてまめ八の苦行はさらに続くのでした。。。

 


コメント

--------これより以下のコメントは、2013年5月30日以前に-----------
あなたのブログにコメント投稿されたものです。

EP82-SW20 [2011年2月21日 22:17]
こんばんは。
主砲がスライドするギミックが無いのですか・・・ちょっと残念ですね(^^;)
ちなみに、私もとうとうドラゴン社のマーダーⅡを手に入れました。
まだ中味を確認しただけですが、操縦席までしっかり造りこまれているのには感激しましたよw
ただ、組み立てには時間がかかりそうです。
まめ八さんのこの記事、参考になると思いますw
TSM [2011年2月22日 6:49]
 まめ八さん、苦労してますね。私はある程度の形、雰囲気が出れば、まっいいか!!のいい加減モデラーなのですが私も昨日D社のキットを組み立てに悩まされました。友人に「それ1台作る労力でタミヤ製なら3台完成するよ」と言われました。しかしまめ八さんの探究心はスゴイ!!…模型雑誌に投稿出来ますよ。
 話変わってフェラーリの経営者が言った言葉に「フェラーリを知りたければタミヤのフェラーリを作ってみることだ!!」とか…「AFVを知りたければドラゴンを作ってみることだ」と言われる日は来るのか??。D社が今すべきことはタミヤから組立説明書の担当者をスカウトすることでは…(笑)。
宮ちゃんNO1 [2011年2月22日 13:01]
こんにちは~ 宮ちゃんで~す!

スイマセン・・・~その4~を飛ばしちゃいました~(笑)

う~ん・・・まめ八さんの拘り・・凄い!
ホント・・・よりリアルを追求する姿勢・・
関心するばかりデス!

まめ八 [2011年2月22日 21:24]
EP82-SW20さん、こんばんわ。
連続コメント、ありがとうございます。
マーダーⅡ、とうとうお手元に届きましたか。。。良かったですね!恐らくパーツ数の多さに圧倒されたのでは?(^_^)
ただ、すぐにでも取り掛かりたいお気持ちが強いでしょうが、ネットや模型雑誌などで十分下調べをされてから組み立てに入られて下さい。
というのも、ドラゴンのマーダーⅡは組み立て説明書の間違えだけでなく、パーツの合いも一部良くないと聞いたことがあるからです。そのため、私もそのキットを所有しているのですが、未だ取り掛かっていません。出来れば今年中に何とか私も組んでみたいと思いますのでそれまで待たれてみては如何でしょう?
ここはタミヤのマーダーⅢMあたりを購入されて、今の模型の手ごたえを掴まれてから取り掛かった方が良策かと思います。(折角楽しみにされているのに水を注すような事を申し上げてスミマセン。。。<(_ _)>)
EP82-SW20 [2011年2月22日 22:47]
再度こんばんは。
大丈夫です(笑)
何が大丈夫かと言いますと、作業場を確保しないと塗装すらできませんので(^^;)
まめ八さんがマーダーⅡを作られるのであれば、恐らく十分間に合いますよw
まめ八 [2011年2月22日 22:59]
TSMさん、こんばんわ。
いつもコメントを頂き、ありがとうございます。
おお~っ!TMSさんもドラゴンのキットを組まれているのですね。何を組んでおられるのでしょう?
ドラゴンのキットは組み立て説明書がいい加減なので情報交換できればありがたいのですが。。。
ナースホルン、どうにか組み立てまでは完了することが出来ました。決して安くない値段なので、自分の技量の範囲内で、我慢できる範囲内での完成を目指しています。ただし、自分が楽しいと思える範囲内でのことですが。。。模型は、あくまでも趣味であって仕事ではありませんからね。(;^_^A

そういう訳ですから、私の探究心などたかが知れていますよ。
私は、自他共に認める、生来不器用な下手の横好きモデラーです。。。(^_^)
(長文リコメで申し訳ありません。。。続きます)
まめ八 [2011年2月22日 23:00]
TMSさん、続きです。

“AFVを知りたければドラゴンを作ってみることだ。。。”
う~ン・・・今のドラゴンでは無理でしょうね。
ディテールといい、パーツの合いといい、モデラーの要求に応える姿勢などは素晴らしいのですが、ドラゴンのキットにはそれを作るモデラーへの配慮が全く見られませんから。。。
模型って買って貰ったら終わりではいけないと思うのですよ。買って貰って完成させてくれなければいけないという難しい商品だと思うんですよね。確かにドラゴンのキットはパーツ状態ではタミヤを凌駕しているかもしれませんが、買ってくれたお客さんに作る楽しさまで提供するという点ではタミヤの足元にも及ばないと思います。
私の場合、ドラゴンのキットを一つ作るとリハビリのためにタミヤのキットを一つ作らなければならないという事がそれを端的にあらわしているのではないでしょうか。
まめ八 [2011年2月22日 23:13]
宮ちゃん、こんばんわ。
いつもコメントを頂き、ありがとうございます。
模型を作る暇がなかなか取れないモデラーは、そのフラストレーションを解消するために模型雑誌を読みます。するとそこにはプロモデラーと呼ばれる人たちが、素晴らしい作品を掲載しているわけです。しかもエッチングパーツなどのアフターパーツをふんだんに使って。。。
すると市井のモデラーも“ココまではやらなくてはならない”という無言のプレッシャーを受けてしまうんですよね。だからこそ、山程の在庫を抱えながら完成品が極めて少ないっていうモデラーが少なからず存在するのが今の模型世界なんです。下手でもいい加減でもいいから自分が楽しく模型を作れればいいと思うのですが、ついつい手を入れないと。。。という強迫観念があるんです。こんな事ではあと20年も経てば日本の模型業界は絶滅してしまうことはわかっているのですが、一旦マニアックな世界になってしまうとなかなか元に戻れないのが難しいところです。
もっと裾野を広げないと模型という趣味自体が消滅してしまうかもしれません。
おぺ [2011年2月27日 12:45]
こんにちは。
この説明書は…ツライですね。ココにはどんなものが付くかおおよそわかっているモデラーにとってみても解からない、というか惑わしているんですからね。説明書は外注にでも出してロクにチェックもせず発売なのでしょう。せめて第3者が組立てレビューしてみるくらいの修正は欲しいものですね。
>ほとんどのパーツを一旦取り外し、整形の後再び組み直すという試練…
こういう工程戻しのやり直しはオペレーション上あってはならないですね。これが戦争ならその部隊は全滅ですなぁ。まめ八さんは無事帰還できて良かったです。
まめ八 [2011年3月1日 19:43]
おぺさん、こんばんわ。
連続コメント、ありがとうございます。
いやぁ~本当に厳しい戦いでした。。。
危うく、名誉の?戦死でした。
ご指摘の通り、ドラゴンのキットを組んでいると、“これって、社内の人間が誰か一度組んでみたのかな?”って思うことが度々あります。
AFVの場合、特に中国企業の間で、新しいアイテムを他社よりも早く出そうとする傾向が強いみたいで、ロクに商品のチェックも行わずに販売しているフシがあります。その証拠に、不良箇所があると、箱変えして新製品として売り出すのですから。。。モデラーが製品チェックをやらされているような気がします。新製品効果を狙った販売競争は仕方が無いと思いますが、“売れれば良い”とも取れるドラゴン社のこうした姿勢は余り良くないですね。



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