「ボクセルポリゴンな日々」 - UnityでMakersとVRをつなぐ挑戦 -

Unityプログラムで3DCGアセットデータをVRや3Dプリンターで利用可能にする最新技術や関連最新情報を紹介します。

時代の転換点をまたしても目撃している訳ですが。(^^;)

2013年02月01日 22時01分35秒 | 3DCG



画像はタイトルとあまり関係はありません。(汗)



つい最近の話ですが、筆者が参加している「UnityでMMDを動かす会」MMD for Unityがバージョンアップしたという報告を受けました。

MMDは皆さんご存知として「Unityって何?」と思われる方もいらっしゃると思いますので簡単に説明しますと、

「マルチプラットフォームな3DCGゲーム開発環境」

と言えます。どれくらいマルチプラットフォームかと言うと、一つのゲーム開発プロジェクトがWindowsとMac上はもちろん、そのWebブラウザ上でも動き、さらにはPS3やXBOX360そしてiPhoneやAndroid上※でも動くという位にマルチな展開が出来るゲームエンジンの上で動くゲーム開発環境と言えます。

※ 勿論コンシューマゲーム機やスマフォ上ではハードウェアのスペックが異なるので、
  それぞれハードウェアに対応した開発が必要になります。
  だからPCからスマフォまで完全に共通と言う訳には行きません。

そのUnity上でMikuMikuDanceのキャラクターモデルデータが使えるようになるのです!


実はMMD for Unityは発表当初からホットな技術として注目されてきました。が、Unityのゲームエンジンでの3DCGキャラクター駆動の処理方式とMMDのそれとでは様々な相違点があって、当初はMMD側のデータを相当弄らなければUnity上に持ってこれないなどの問題がありました。

しかし最新版では遂にMMDのIK(インバースキネマティクス)処理構造が再現され、なおかつMMDの特徴でもある表情アニメーションまで再現可能になったのです!

これでMMDデータを使ったユニークなゲームがUnity上で開発可能になったと言えます。

これはMMDアバンドールがそうであるように、MMDの持つ巨大なモデルデータ資産を存分に活用してゲーム作りが楽しめる時代の扉口まで来た事を意味します。(^^)


・・・・・・・・・・


その一方で、3DCGゲーム開発にとって少し悲しい情報が入りました。

マイクロソフト社がXBOX360のインディーズ開発者向けに用意したゲーム開発環境であるXNAの開発をフェードアウトさせ、2014年内に開発終了(英文ない表現では「解雇」と書かれているそうです)とする情報が入ったのです。


XNA開発終了の方向性(aki's right brain)


これは少々ショックでした。

XNAはXBOXゲーム開発環境だけでなく、マイクロソフト社のFlash追撃用Webプラグインソフトウェア開発環境である「Silverlight」上でも利用できる環境を用意していました。

Silverlight5ではXNAコアエンジンを利用して3DCG表示も実現していたのですが、今後のXNA開発動向によっては機能の発展は望めなくなります。

それ以前にSliverlight自体がマイクロソフト社によってペンディングの方向に向かっているらしいという噂が飛ぶ始末です。(汗)


それで調べてみると、なんとDirectXSDK自体が昨年10月の最新版リリースでWindowsSDKと一体化して配布されていました。

DirectX11自体も11.1以降の新仕様の発表がありません。

マイクロソフト社はWindows最大の売りだったはずの高性能な3DCGグラフィック機能を実現するDirectXライブラリ(とりわけDirect3D)をだんだん縮小の方向に持っていっていたのです。


考えてみればもはやDirectXを使って画面上に1から3DCGコンテンツを描画するプログラムを書く時代は終了に向かいつつあるようです。

DirectXがフェードアウトしても、もう一つの事実上世界標準規格な3DCGグラフィック処理ライブラリであるOpenGLを利用すれば問題はありません。OpenGLもまたUnityと同じくマルチプラットフォームで利用できるライブラリです。(但しUnityと違って各実行環境でのプログラム構造が大幅に異なるため互換性が高いという訳ではありませんが)

しかしマイクロソフト社はあの高性能な3Dスキャナにもなりえる「Kinect」を作った会社でもあります。

このKinectによる空間インタフェースを生かして3DCGを身近にするGUIやアプリケーションをこれからどんどん提案していける有利な立場にあると思います。

ここでXNAをフェードアウトさせるのが、単にスマフォやタブレット市場から同社がまだ締め出されたような状況であるが故のリストラ策なのか、

それとも新しい3DCGハンドリング環境を構築するための新しい開発力を終結させる上でのリストラ策なのか、

今後の動向を注視していきたいと思います。


それにしてもまた一つ時代の転換点を見つめる事になろうとは。(^^;)

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