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「ボクセルポリゴンな日々」 - UnityでMakersとVRをつなぐ挑戦 -

Unityプログラムで3DCGアセットデータをVRや3Dプリンターで利用可能にする最新技術や関連最新情報を紹介します。

キオさんが「gdgd妖精’s」キャラクターモデルの3Dプリンタ出力に挑戦されておられます。

2013年06月11日 09時54分31秒 | 立体出力(技術およびサービス)
本日はご報告から。(汗)

MikuMikuDance(MMD)以前より3DCGモデリングで積極的に活躍されていらっしゃいますキオさんが、

菅原そうた監督の3DCGアニメーション作品「gdgd妖精’s」

(読み方を知らない方のために。”グダグダふぇありーず”と読みます。)

に登場する主人公の女の子「桃音ピク」を3Dプリンター出力するために、

ブログ上でデータ変換作業の詳細を説明されておられます。

どんなフィギュアができてくるか、今から楽しみです。

そしてまた新たな3DCG→フィギュア作例として、

今回は六角大王がベースとなったデータの変換&調整作業が解説されることもあり、

非常に意義深い内容になると思います。(^^)


キオ式アニキャラ3D act.3 2013年6月10日

「桃音ピク フィギュア化計画その1」


なおフルカラー3D出力を想定されているそうで、ZPrinterによる立体出力用の3DCGデータになる予定です。

いよいよ本格的に3DCGキャラクターを3Dプリントする例が増えてきました。

実際にZPrinterで出力されて、プロの仕上げ技を施されたフィギュアモデルは、

市販フィギュアモデルに引けをとらない仕上げがなされています。

いつも立体出力工程でお世話になっておりますアイジェットさんのブログでは、

ルイ・ヴィトン社(!)からの依頼を受けて、同社と初音ミクの初のコラボ企画に登場する

マーク・ジェイコブズ氏デザインの全面白黒のダミエ柄をあしらったワンピースを着た初音ミクフィギュアが

同社のZPrinterと匠の技の後工程で仕上げられて並んだ姿が紹介されています。


3D造形屋アイジェットの社長ブログ 2013年5月30日

「初音ミクお土産フィギュアを製作」


画像は上記のブログで直接見ることができますが、

これだけの数の3Dプリントされた初音ミクフィギュアを見るのは壮観です。

しかも世界のルイ・ヴィトンから公式に依頼されたオペラ観劇者のお土産用フィギュアということで、

これまた3Dプリンターによるフィギュア作品としては歴史に残る快挙だと言えます。(^^)


・・・・・・・・・・

さて以下は自分の最近の動向などを。


EasyRecasterは終盤の機能開発にかなりてこずってます。

とりあえずアンチジャギー処理を幾つか試しているのですが、思った所にピンポイントに作用してくれてません。

それどころか想定外の動きもちらほら確認できてます。(汗)

現状でお見せ出来るのが外形のアンチジャギー処理が完了した時点での形状比較のみです。(^^;)

(左のモデルが外形アンチジャギー処理済のものです)







その一方で昨年制作した3Dプリンター出力可能なMMD用初音ミクモデル

「そむにうむ式初音ミク」のシリーズ2番目となるモデルが出来上がってきました。

現状でまだβ01版としておりますが、これも近日中にデータ配布を行う予定です。







テスト作成した動画もございます。(^^)

そむにうむ式初音ミク Series2-β01 正式版動画テスト「シュレディンガイガーのこねこ」

3Dプリンターが普及するためには。

2013年03月01日 14時48分38秒 | 立体出力(技術およびサービス)


画像は最近ぽつぽつと進めている自作ミクさん改造から、現時点での最新版です。
これは完成すればほとんどそのまま立体出力にかけられるMMDモデルデータになります。(^^)


それでは本題に入ります。

以前のブログ記事「3Dプリンターの普及によって起こること。」では最後の文を以下のように締めくくりました。


ある意味3Dプリンターは3DCGモデルデータを「音楽」と同じ次元にいざなうiPodのような存在になるのだと思います。

この結論に至るまでのお話です。今回は「3Dプリンターの使命」について少し掘り下げてみました。


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3Dプリンターの話が出てくると必ず引き合いに持ち出される話題。それは「金型」です。

金型とは、現在製品として世に出回っているプラスチック製品の形を作り出すためのものです。

身近な金型と言えば鯛焼き屋さんの鯛焼き器に使われている鯛の雌型をした金属性の調理器です。
あれに衣とあんこを入れて上下から挟んで焼けばおいしい鯛焼きが出来上がります。

プラスチック製品の場合、鯛焼きと異なって最初から上下がつながった状態で中が空洞になっており、プラスチックを注ぎ込む口(湯口)からプラスチック材料を熱して液体状にして流し込みます。
そうしてプラスチックが固まったら金型の上下を開けて中から完成したプラスチック製品を取り出すのです。

この方法ではプラスチックを流し込む方法で簡単に形を成型できるため、高い精度で美しい形を量産するのに向いています。
たとえば1万個以上のロット数で工業製品を量産するならば高品質かつ量産の速い金型による方法を選択すべきです。

しかし金型そのものを作るには経験と技術が必要です。
工業製品は元々、「どこにどんな力がかかるからこの形はこうでなければならない」という力学的材料工学的な必然性から形が決められます。
そして材料費を極力抑えるため、最小のプラスチック材料で形を均質に量産できることが求められます。

必然的にそうした金型を設計するには高度な技術が必要とされ、その見返りに高いコストがかかるのです。

それでも金型があればそのコストを回収できるだけの「形」を量産できます。
量産された形はそのまま市場で売れば初期投資コストを回収できます。


これが今までの、いわゆる3DCADで散々語られてきた「形」のビジネスモデルでした。


しかし、
個人生産でごく少数ロットの場合、趣味のレベルで工業製品を作る程の労力と精度と金額をかけて金型を検討する必要性があるのか?と思います。


それ以前にその人が何を作るのか?どんな精度で作ることを望むのか?によりけりな点はあります。

たとえば個人が精度にこだわって模型工作するのは良い事です。それはその人のオンリーワンのパフォーマンスで一点物の逸品が作り上げられるからです。

が、その能力を万人に求めるのはいかがなものかと思います。
それは極論すれば「やすりがけで真空溶接ができなければモノを作るな」と言ってるのと同じです。(^^;)


ところが昨今の「3Dプリンターでモデリングしようぜ!」の呼び声の中に、時々CADで工業製品を作ろうか級の精度を考えている意見が混じっているのが気になります。
ホビー工作レベルなのに100分の1ミリを意識する精度を全てにおいて考慮するような技術の習得を引き合いに出すのはオーバースペックが過ぎます。


そんなことよりも3Dプリンターは「誰もが同じ形を出せる」ことに最大の意義があります。


3Dプリンターを工具の延長線上に考える事は3Dプリンターの将来にとって必ずしも良い事ではありません。何よりもそれでは3Dプリンターは数が売れなくなります。

かつてプリンターがフルカラー路線を突き進んでいった時、その前提にあったのは「写真にとって代わる画質を誰もが何枚でも同じ品質で出力できる」性能です。

これが確立したからこそ銀塩写真の時代は終わり、誰もがプリンターで自分の撮った写真を好きなだけ出力できる時代が来たのです。

これによって達成されたことは「フルカラー印刷物が誰でも手軽に情報伝達手段として利用できるようになった」事です。

1990年代以前は、フルカラーと言えば写真かカラーテレビしかなかった時代だったのです。

それをものの見事に塗り替え、A4サイズのフルカラードキュメントを1万円弱の機械で誰でもPCにつないで思うままに印刷できる時代が来たのです。


今、それと同じことがもう一度起ころうとしています。それが3Dプリンターにより作られた大量の「形」が情報を伝達する未来です。

1990年代まででもフルカラーの印刷物は存在し、TVもカラーで放送されてました。だからフルカラーの印刷物を個人が自由に手にできる時代の想像は難しくありませんでした。

しかし3Dプリンターにより「形」を自由に手にできる時代を想像するのは易しい問題ではありません。

強いて想像するとすれば、アニメや漫画キャラクターをかたどった「フィギュア」がだれでも自由に手にできる装置が1台1万円で売られる未来です。

しかしそんな装置であれば、フィギュア以外のもっと重要な情報もやり取りできます。

たとえばこれから引っ越しする家の間取りの模型やこれから購入する車の模型。居間に置くTVモニタの模型。購入を検討している家具の模型。etc.

さまざまな形が手にとって理解できる時代が来るとしたらどうでしょうか。

さらには会議の資料として参加メンバーひとりひとりにプレゼンする新製品の模型が渡される。それらは3Dプリンターや3Dコピー機によってオフィスで生産されるのです。


こうした未来が示すことは、「形」がメディアになることです。


実際のところ工業製品における3Dプリンターの役目は語りつくされています。それは「検討用プロトタイプ」の役目であり、決してそこから出る事はありません。

Makersで時々取り上げられるのは「工業製品生産手段としての3Dプリンターの側面」ですが、一品物パーツの出力には向いているものの量産向きにはナンセンスな話です。
ましてや物性の問題、強度の確保、表面質感の問題etc.を考えるとまだまだ金型製品に分がある点はいくつもあります。

しかし、もはやその文脈で3Dプリンターを論議しても既に余地はないのです。最後はないものねだりか「次世代に期待」の一文で終わるからです。


それよりもこれから担うべき3Dプリンターの重要な役目は、

「形がドキュメントとして何を人々に伝達できるか」

という使命についてです。3Dプリンターによって同じ立体物が誰でも作り出せるようになって初めて

「形が個人発信メディアとして役に立つ時代」が招来するのです。


そしてこの時代が招来しなければ3Dプリンター大量産時代は来ません。

そのためには丈夫な出力物を生産する必要はないのです。

失敗したり汚れてしまったらすぐに捨てて次の新しい立体物を印刷できる感覚のものでなければならないのです。

すなわち個人向け3Dプリンターで出力される立体物は限りなく無価値に近いという感覚を植え付けなければなりません。

そうすれば「形」というメディアを大量消費する時代が来ます。


そうなると、世の中の「形」に対する認識が銀塩写真が葬り去られたようにひっくり返されることになります。


iPodが音楽を好きな時に自由に再生できるように、好きな「形」をいつでも自由に取り出せる。

そんな時代が来ることを予想して、そのために必要なことを今進めておきます。

”Pixar's Zoetrope”に見る「動きのあるフィギュア」への可能性。

2013年02月10日 19時42分24秒 | 立体出力(技術およびサービス)
Pixar's Zoetrope



上の映像を見て頂くと、3DCGアニメーション映画作品で有名なPixar社が丹精込めて作った3D立体ゾートロープの素晴らしい作品を見る事が出来ます。これは日本のジブリ美術館から影響を受けて作ったものだそうです。

しかし、上の映像作品中の人形一体一体は、実は3DCG映像のデータを3Dプリンターで一コマ分ずつ立体出力した物を使っています。

すなわち3Dプリンターと3DCGデータがあれば、フィギュアをロボット化することなくアニメーションの技法で動かす事が出来るのです。

その原理は以下の映像からも理解できます。

3D Zoetrope test


これはレコードプレーヤーのターンテーブルを利用した例です。回転台の上にポーズを付けた人形を配置して回転させ、ストロボで一定間隔に照らしてやると人形が生き生きと動き出します。

さらに、この回転台を自作する方法について以下の映像で説明しています。

Make A High Tech Zoetrope


こういった回転台をベニヤ板で作り、等間隔に穴を開けます。これらはレーザーカッターで切りぬくと難しくないと思います。

そして回転台が出来たらモーターの上に乗せ、さらに端点にアニメーとした絵や立体を配置すれば3Dゾートロープの出来上がりです。


この3Dゾートロープを利用して、MMDで作成したショートアニメーションの各ポーズを立体出力したフィギュアを配置すれば、固定ポーズな人形を生き生きと見せる事が可能になるのです。

これは3DCG~作成した立体出力人形だからこそ可能な作品です。立体人形が生き生きと動く不思議さと楽しさは最初に紹介したPixarの3Dゾートロープ作品を見れば一目瞭然です。

これはぜひ挑戦してみたいと思います。(^^)

望みのものを3Dプリンターで出力する時代(YouTubeから)

2013年02月09日 19時44分02秒 | 立体出力(技術およびサービス)
3D Printing: Make anything you want



上記の映像には様々な分野で利用される3Dプリンター出力品とその利用法が取材されています。

医療関係における人体部品の再生から銃器のストック部品の立体出力まで、やや両極端な気がしますがなかなか精力的な特集を行なっていると思います。


そうなると問題になるのが3Dプリンターで出力したい3DCGデータをどのようにして作成或いは調達するかです。

まともにCADソフトを利用して作成するという手段もあると思いますが、どんなソフトウェアを選択するにしても自分の満足する形状を作成するまでには一定の時間がかかります。

そこで3Dプリンターで作りたい形を出来るだけ手間いらずに作成してくれる近道的なソフトウェアが必要になる訳です。

現在、そうしたソフトの第1弾を準備中です。今はまだ机上のアイデア段階ですがプロトタイプとなるアルゴリズムをプログラムに実装して試験を始めようとしています。


果たして今日明日で無事にコーディングしてPC上で動かせられるか、乞うご期待。(^^;)





単発ネタ「うーん・・・。(汗)」

2013年02月04日 11時39分10秒 | 立体出力(技術およびサービス)



上の画像を見て、お分かり頂ける方はおわかり頂けると思いますが・・・。(汗)


先月立体出力させて頂いた「あにまさ式弱音ハク」立体出力モデル(あにまささんの了解を得て作成しました)を、

海外の立体出力サービス会社i.materialiseのサイト上で、モデルデータを直接アップロードした上で立体出力コストの見積もりを取るサービスにかけた結果です。


先日出力して頂いた物より若干サイズを大きくして出力費シミュレーションにかけたのですが、それでも3,713円と先日の費用を大幅に下回る結果が。

これを素直に信じていいものかどうか正直迷っています。よしんば出力依頼したとしても、海外から日本に配送する過程で出力物が破損しないとも言い切れませんし、それ以前に運送費がどれくらいかかるのか不明です。

場合によってはこの出力費と同等またはそれ以上取られる事も覚悟せねばなりません。


それでも一度トライしてみる価値はあるかも知れません。


が、予め断っておきますが前回立体出力して頂いた弱音ハクさんモデルの出力費用は、日本国内では最もリーズナブルな価格だと思います。