「ボクセルポリゴンな日々」 - UnityでMakersとVRをつなぐ挑戦 -

Unityプログラムで3DCGアセットデータをVRや3Dプリンターで利用可能にする最新技術や関連最新情報を紹介します。

「3DCGと3Dプリンターで同人Makersを目指す勉強会」開催しました。(^^)

2013年12月10日 18時38分26秒 | 3Dプリンター

(写真提供:高橋 謙司様)

ということで、先日このブログでご案内しました。

「3DCGと3Dプリンターで同人Makersを目指す勉強会」(於:fablab北加賀屋)

を無事開催することが出来ました。

講師の私を入れて12名というこじんまりとした勉強会でしたが、

ご参加の皆様は熱心に講義に耳を傾けて下さいました。

また、今まで私が3Dプリンターで出力してきた作品も一堂に展示しました。

材料は石膏粉末式フルカラーおよびFDM方式のABS素材、そして光硬化型樹脂の3種類でした。

以下の写真は勉強会参加者のS.J様が撮影された当日の展示状況です。




なお、S.J様はご自身のブロマガで今回の勉強会についての内容を詳細に取り上げて下さっています。

興味をお持ちの方は是非ご一読をおすすめします。(^^)

S.Jのブロマガ
MMD×3Dプリンター勉強会参加レポート(S.J様)



そして、私の方からも当日の勉強会の際に使用したパワーポイント資料をPDF化したものを以下のURLで公開致します。


「3DCGと3Dプリンターで同人Makersを目指す勉強会」PDF資料


・・・・・・・・・・

今回の勉強会の内容を読まれた方は、

「あれっ?3Dプリンターよりも3DCGの話が多いぞ?」

と気づかれると思います。


これは3DCGデータの、とりわけキャラクターモデルの歴史を紐解くことで、

3DCGがいかに発展してきたかという技術的側面と、

3DCGによって描き出されるキャラクターモデルを立体出力する意義を追求したかったのですが、

今回は3DCGの歴史と技術を説明するので手一杯でした。

次回は具体的に3DCGキャラクターを動かして、その結果を3Dプリンターで出力するという

ワークショップ形態の勉強会を実施したいと考えています。


そして、3Dプリンターを使って立体出力を楽しむには、

3Dデータのモデリングについての原理原則を厳密に学ぶより、

手近なデータを自分好みに加工して3Dプリンター出力するという楽しみを、

多くの方に知って頂きたいと考えています。


また近いうちに勉強会を企画したいと考えていますので、

その際は宜しくお願い致します。

要注目まとめ:「MMDモデルと3Dプリンタ出力の可否」(^^)

2013年12月05日 12時02分33秒 | 3Dプリンター

艦娘も3Dプリント。MMDデータを3Dプリンタ用データに変換する「ボリュメトリック・ラスタライザ・エンジン」(Gizmode)
http://www.gizmodo.jp/2013/12/pc-9801ra3dmmd3d.html

先日、「EasyRecaster」の根幹技術である「ボリュメトリック・ラスタライザ・エンジン」をギズモード様に記事として取り上げられた時、

ツイッター上ではMMDを使って映像制作をされてらっしゃる方(=MMDerさん)を中心に様々な論議がタイムライン上で繰り広げられました。

 

私の見られる範囲でタイムラインを追いかけると、想像通りMMDer皆さんは以下の点について懸念を持たれているようでした。

 

1.自分の作ったモデルが勝手に立体出力されて販売される事態になるのでは?

2.作者の了解を得ず勝手に立体出力をやっちゃう人がかならず出てくる。

3.2次創作3DCGモデルなのに、勝手に立体出力されてフィギュアとして販売されるかも知れない。

 

これらの問題は、3Dプリンターの普及とともにいずれ表面化するものと思われます。

しかし、3Dプリンターがこれから普及しようとしている現時点において、

これらの論議をスタートできることは非常に有意義なタイミングだと思います。

 

こうしたタイムライン上のご意見を几帳面に収録し、

ツイートのまとめサイト「Togetter(トゥギャッター)」に掲載された方がいらっしゃいます。

とらみ(@tryme_)さんです。

 

このまとめには上記で紹介したMMDerさんの不安や、逆に3Dプリンターへの希望。

そして上記の不安への対策を提案されているMMDerさんの意見がまとめられています。

 

MMDerさんも、そしてまだMMDを触ったことがないけど3Dプリンターには興味ある方も、

ご一読をおすすめします。(^^)

 

MMDモデルと3Dプリンタ出力の可否 - Togetterまとめ

http://togetter.com/li/597760


思い起こせば1年前・・・。(^^;)

2013年12月04日 10時52分55秒 | MMDアバンドール
本日よりここでは「MMDアバンドール」についての記事を中心に書いていきます。

取り急ぎ、タイトルどおりです。「MMDアバンドール」につきましては以下のリンクをご覧ください。(ニコニコ動画版)http://www.nicovideo.jp/watch...


・・・この一文で、2012年12月3日よりブログを改装して「MMDアバンドール速報」としてもう1年が経過しました。

その後3月くらいまでは活発に記事を書いていましたが、

4月からは1週間に1記事になり、6月からかなりまばらになり、10月に至っては1エントリーもなかったという状況になりました。(大汗)


・・・実は裏で「Indiegogo」にクラウドファンディングをかけてもらうための準備を進めていたのです。

で、11月からエントリーが復帰。

そして12月。ブログ開設1周年記念が「新しいプラスチック粉末積層型フルカラー3Dプリンター登場」だったことは少し感慨深いものがあります。


ところで、2013年12月11日にこんなエントリーがありました。

昨日アップロードした動画がKotaku様で紹介されました。(^^)

「二次元へは行けませんが、画面から嫁を取りだす事は可能になりました。MMDを現実世界に取りだせる技術(動画あり) : Kotaku JAPAN」
http://www.kotaku.jp/2012/12/mmd_3d_p.html


これは、以下の動画を公開した直後に書かれたエントリーでした。

MMDアバンドール・俺の嫁を画面から取り出すために。


この時ニコニコ動画版では初めて視聴カウントが1万を超えました。(^^;)



で、1年後の今。

実はお伝えするのが少し送れてしまいましたが、今度はGizmode様に先日ご紹介した第5回ニコニコ学会β提出用の論文映像を軸にした技術を取り上げてもらいました。(^^)


艦娘も3Dプリント。MMDデータを3Dプリンタ用データに変換する「ボリュメトリック・ラスタライザ・エンジン」(Gizmode)
http://www.gizmodo.jp/2013/12/pc-9801ra3dmmd3d.html


そして、この記事が上がったおかげでMMDerさんの中で「モデルデータを勝手に3Dプリンターで出力されたら困るのではないか?」という論議が沸騰し、

TwitterのTL上で活発な論議がなされました。


ということで、このブログの1年前を振り返って少し感慨深い気持ちになりました。(^^)



プラスチック粉末積層型最新フルカラー3Dプリンター、登場!

2013年12月03日 17時36分19秒 | 3Dプリンター
Introducing 3D Systems' ProJet® 4500 3D Printer


衝撃的な最新3Dプリンターが登場しました。


フルカラー3D立体出力(最初から色付きで立体出力物が製造できる)が可能な3Dプリンターといえば、

今までZPrinterシリーズ(現在はProjetシリーズ)の独壇場でした。

その方式は、敷き詰められた微細な石膏粉末に接着剤と同時にカラーインクを吹き付け、

インクジェットプリンターの原理で色を付けながら一層ずつ印刷を行い、

一層が終わると印刷面をわずかに下にさげて新しい石膏粉を敷き詰め、再度印刷を繰り返す。

最終的に石膏分に覆われた形で立体物は形成され、粉の中から「発掘」さながらの作業で完成した立体物を取り出します。


しかし、石膏粉を接着剤で固めただけの出力物はとても脆く、

取り出した後「含浸」という工程でシアノアクリレート系有機溶剤(アロンアルファ系の瞬間接着剤の原料)を吸収させることで最低限の強度を持った出力物になります。

それ故に、この最終工程作業には粉の飛沫を処理できて、なおかつ有機溶剤に対する防護が可能な環境での作業が要求されます。

すなわち一般オフィスの中でとか、住居環境の中では出来ない作業なのです。

また、この後工程があるためにZPrinterによるフルカラー3D出力物は普及型の3Dプリンター出力物と比較して割高な費用がかかっていました。



もしこれらの後工程の問題が解決すれば、

フルカラー3Dプリンター出力はもっと手軽になると思っていました。


ところが!

今日その問題を解決した新型フルカラー3Dプリンターが登場したのです。

それがProjet4500シリーズです。

12月3日に行われる3Dプリンター等機器の展示イベント「EuroMold 2013」にて初披露されるとのことです。


このProjey4500は、従来の石膏粉末材料からプラスチック粉末材料に切り替えたことが最大の特徴です。

そして積層時は接着剤で固めるのではなく、デモ映像を見る限りレーザーで溶融積層を行なっています。

このため、上記で説明した「含浸」工程がまるまる不要になっています。

すなわち、後加工でシアノアクリレート系有機溶剤を含浸させて出力物の強度を上げる必要はないのです。


さらに、プラスチック材料である優位性として「出力品の弾性が向上した」があります。

石膏粉末出力品は含浸をかけた後でも壊れやすく、少しのショックで割れたり欠けたりすることがしょっちゅうありました。

しかし今度の新型ではプラスチック材料となったため壊れにくくなっただけでなく、

ボール型のものは床に落とせば跳ね返るといった弾性を持ったものまで作られるようになりました。

これにより、iPhoneケースだとiPhoneを実際に嵌めこむことができる最終製品をこれ1台で作成することが可能です。


これが何を意味するのか?答えは簡単です。

この新型3Dプリンターは、工業製品の試作物を作るためのものではありません。

これ1台で、金型を作らずにカスタムなプラスチック製品を一気に製造できるパフォーマンスを持った工業機械なのです。

例えば家庭用プラスチック製品。

例えば電化製品の本体ケース。

例えば趣味のプラスチック模型のカスタム製造。

そして、例えば完全少数ロットオーダーのフィギュア生産。

おそらく金型1個を発注する値段の2-3倍ちょいの値段でこのフルカラー3Dプリンターを購入すれば、

こうした製品を作っている現場だと、精度が許されるならば直ぐに元が取れてしまいます。

特にフィギュアの生産においては、金型生産に対抗しうる量産価格を叩き出せる可能性があります。

今後は 金型の持つ最大の優位性である「表面の美しさ」で勝負するか、

量産個数を増やして単価が下げれる商品で差別化を図るかのいずれかでの勝負となってきます。


いずれにせよ、2013年の年末に凄いニュースがやってきたものです。

まさに3Dプリンター元年の最後を飾るに相応しい3Dプリンターとなるでしょう。(^^)