「ボクセルポリゴンな日々」 - UnityでMakersとVRをつなぐ挑戦 -

Unityプログラムで3DCGアセットデータをVRや3Dプリンターで利用可能にする最新技術や関連最新情報を紹介します。

【シリーズ】「初音ミクと3DCG」【第3回】あにまさ式初音ミク、そしてMikuMikuDanceの登場。

2013年02月24日 19時59分17秒 | 3DCG


写真は以前紹介した「あにまさ式弱音ハク」の立体出力物。

MMDアバンドールの第2弾であにまささんから許可を頂き立体出力化改造を行なってフルカラー3Dプリンターで色付き立体出力した物です。


さて、
本連載中最も力を入れねばならないテーマに手を出してしまいました。

「あにまさ式初音ミク」モデルと言えば、

MikuMikuDanceをダウンロードされた事のある人ならだれでもご存知の標準添付になっている初音ミクモデルです。

実は本日2月24日はMikuMikuDanceの誕生日でもあります。そして発表から5周年です。

うちにあるMMDの一番古いのはv2.02でした。一番最初のも落としていたはずなのですがv2.02が残るのみでした。

実行してみた所このような画面が展開されました。



ここで画面に表示されるのがMikuMikuDance最大の特徴であった「あにまさ式初音ミクモデル」です。

初期バージョンのMikuMikuDanceではプログラムの起動と同時に初音ミクが表示されます。

そのミクを操作して直ちに動画が作成できる所がMikuMikuDanceのMikuMikuDanceたるゆえんでした。

それは以下の動画を見て頂ければわかります




当時私もちょうど新しい3DCGアニメーションツールの開発を依頼された所であり、ベルレ積分を応用したIK計算を実装しようとして苦戦していた所でした。

そこにMikuMikuDanceの登場を知って、そのツール設計の思い切りの良さにショックを受けた記憶があります。


このMikuMikuDanceも登場から既に5年。その登場のきっかけを作ったのは、上の弱音ハクさんモデルを制作されたあにまささんです。

しかも以下の映像をMikuMikuDance作者の樋口優さんが見た事が、MikuMikuDanceが開発される転機となったのです。



この映像で出てくる初音ミクモデルはMMDの物ではありません。

その大元となったAnimationMasterという3DCGツールで制作された初音ミクモデルとそのレンダリング映像なのです。

あにまささんは勿論、MMDが登場する以前から3DCGモデルを作り続けてきたベテランの3DCGモデラーさんです。

彼もまた2007年に突如起こった初音ミク3DCGモデル制作&PV映像制作の波に刺激されて自ら初音ミクモデルを制作されたのです。

そして、そのモデルに惚れ込んだのがMikuMikuDance開発者の樋口優さんでした。

この時生まれたタッグが、その後のパーソナルな3DCGアニメーション制作環境に大きな影響を与える事になるとは当時誰も考えませんでした。

私も5年前はそんなに大事になるとは全く予想できなかったのです。

しかしこの2人がやってのけた大英断「このプログラムを無償配布する」が、後に「振り込めない詐欺」と言うタグを生み、

そこから今まで3DCGの世界に足を踏み入れる事のなかった人たちを沢山引き込んで、3DCG映像を作って発表する事の面白さを世に広めました。

さらに彼等はMikuMikuDanceで作成された映像の面白さを競う「MMD杯」という映像イベントを開催しました。

今日これが第10回を数え、もはやTVアニメと勝負できるくらいのクォリティと面白さを持った映像作品を数多く輩出する

ニコニコ動画でも指折りの大イベントとなっていることはこのブログをお読みの諸兄にはおわかりの事と思います。


【第10回MMD杯本選】サンダーバードごっこ




今やMMD上で利用可能な初音ミクモデルの数は筆者も正確に把握できない位に増えています。

しかも恐ろしい事に、後から後から魅力的なモデルが増えていってます。勿論初音ミクだけじゃないキャラクターも多数、

それこそ数えきれないくらいではすまされない数のモデルがネット上にアップロードされ、日々恐ろしい数のMMD動画が発表されるに至っています。

今日はこのような輝かしい歴史を作ったMikuMikuDanceの誕生5周年という記念すべき日です。



今日の結果を招来したお二人の大英断に感謝しつつ、本日のブログを締めくくりたいと思います。(^^)


3Dペン"3Doodler"

2013年02月20日 20時55分49秒 | ニュース



ここしばらく、先日開発したプログラムを中心とした新しい構想を説明する資料の作成に追われておりました。(汗)


本日知り合いから教えてもらった情報ですが、

3Dプリンターを使わずに直接ペンで描く感覚で3D空間に軌跡を残すというユニークな3Dペン”3Doodler”が紹介されていました。


3Dプリンターの手軽さを遥かに超える3Dペン『The 3Doodler』がなんかすごい(IDEA*IDEAさんから)


ここで紹介されている3Dペンがまたなんとも、ワイヤーフレームを空間上に描画できるという素晴らしいアイテムになっています。

3Doodler Intro Video


これがあれば3DCGモデルを手描きで再現というか手描きで3Dプリントと言う荒技も可能になると思います。
但しワイヤフレームモデル専用ですが。



・・・・・

表題の画像は、先日開発したプログラムの基本アルゴリズムの説明です。

現在はデモ用映像の制作準備に入っています。

確定申告作業や仕事も絡んできますので、ここしばらくはばたばたしています。(汗)





【速報】MMD等の映像用3DCGデータを立体出力可能にする自動変換プログラム開発報告。

2013年02月16日 18時02分05秒 | プログラム開発



タイトルが少々長ったらしくて済みません。

3DCGデータはCADで作ったものでない限り、そのほとんどが直接3Dプリンターにかける事が出来ません。

例えばGoogleSketchUpで作成した3DCGデータや、MikuMikuDanceで利用できる3DCGモデルデータなどはほぼ全て直接3Dプリンターでは出力できない形状データになっています。

その理由は以前あにまさ式弱音ハクさん立体出力データ変換シリーズの最初で説明しましたが、「映像用3DCG形状データは"水漏れ"を意識していない」からです。



このように隙間が開いてると普通は水がこぼれてきます。そして3Dプリンターで立体出力する場合この隙間があるとエラーになるのです。

ところがMMDで使われる3DCGモデルデータは大抵の場合以下のように裏打ちの無い形状モデルとなっています。



これを以下のように裏打ちしなければ立体出力にはかけられません。




しかし当ブログをご覧の方ならば御存じのように、MMD等の形状モデルデータに裏打ち等のデータ修正をかける事は非常に時間と手間がかかります。

あにまさ式弱音ハクさんモデルの場合でもざっと2週間ほど修正作業を行なってやっと立体出力可能になったという経緯があります。

今回開発したプログラムはその過程を全てすっ飛ばし、プログラム処理だけで立体出力可能なモデルに作り変えるというある意味画期的なものなのです。

ここで再度冒頭の画像をご覧ください。



MeshLabに表示されたハク姉さんは左上の小さなウィンドウ(これがレリーフ化プログラムです)で表示されたハク姉さんの画像から再立体情報化したものです。

今回はプログラムの動作テストのためSTLファイルで作成したモノトーン画像から変換してます。将来的にはこれをMMD等の映像用3DCGデータを表示可能にし、そこからレリーフ形状へ変換可能にします。

現在モノトーンのモデルで検証してますが、勿論フルカラーやテクスチャマッピングされたモデルもそのカラーのまま再立体化出来ます。変換時ウィンドウのカラー画像を直接モデルにマッピングするだけでOKなのです。



ということでさっきのモデルを少し斜めから見た図です。見事に奥行きまでズドンとポリゴンが続いています。ここで再立体変換された形状データは閉空間を構成しますのでそのまま3Dプリンターに持っていって立体出力する事が出来ます。

それがこのアルゴリズムを設計した目的なのです。最終的にネット上に多く存在する映像用(=非立体出力対応)の3DCG形状データを直接レリーフ形状に変換します。



さらに顔部分を拡大した画像です。このように1ピクセルを直方体状に配置しているのが良く分かります。それ故にこのモデルは56万ポリゴンと言う数になっています。

現状直方体状にしているのは検証プログラムを組む上で手っとり早かっただけの理由です。各ピクセルの中心点をメッシュ状につなげばもっとポリゴン数を減らせます。


ということで、これからこのプロジェクトを本格的に立ち上げて立体出力を便利にしていきたいと思います。

「誰でもMakers」の時代はもうすぐです!(^^)

【本日9時より】第10回MMD杯本選開始!【開始】

2013年02月15日 19時28分40秒 | 3D空間投影


MikuMikuDanceに興味を持つ人、および作品を作られてる方は既にご存知の情報だとは思いますが、

本日(2013年2月15日)午後9時より、いよいよ第10回MMD杯本選作品のエントリーが開始されます。

作品の視聴につきましては、

「MMD杯公式ホームページ」

および

「MMD杯支援システム Advanced Angel-CUP」

のサイトをご覧になられると宜しいと思います。

今回、選考委員として「観光庁」が参加されている事と企業として「ファミリーマート」が参加されている事、

移植な所では神戸新聞社のサブカルチャー方面マスコットキャラクターとも言うべき「いまいち萌えない娘」さんが参加している事も見逃せません。

それにしても、予選作品で既に591作品がエントリーしているMMD杯は、

日本の3DCG映像イベントとしてもかつてない程の参加人員規模であり、既に日本はおろか世界からも注目を集めるに至っております。

当ブログをご覧の読者諸兄の皆様も、是非ご覧下さいますようお勧めします。


ちなみに前回第9回MMD杯の総合優勝作品は「【第9回MMD杯本選】MMDスーパーロボット大戦Z」でした。




ということで取り急ぎの告知でした。(^^)

【ご連絡】3月24日開催の「NT京都2013」に展示参加します。

2013年02月15日 14時48分44秒 | MMDアバンドール



ということで、来る2013年3月24日(日曜日)阪急京都線西院駅近くの西院春日幼稚園・春日神社で開催される「NT京都2013」に展示参加する事に致しました。

展示物は今まで作ったMMDアバンドール作品と、現在開発中の3DCG立体出力データ作成ツールのPC上でのデモです。

※ 3Dプリンターを持ち込む予定はありません。(^^;)


もし京都周辺にお住まいの方でご興味ある方は、どうか奮ってご参加ください。(^^)