「ボクセルポリゴンな日々」 - UnityでMakersとVRをつなぐ挑戦 -

Unityプログラムで3DCGアセットデータをVRや3Dプリンターで利用可能にする最新技術や関連最新情報を紹介します。

【緊急連絡】コミックマーケット83最終日に「東天満Unity研究会」で参加します。【東地区S-21a】

2012年12月29日 23時33分28秒 | ニュース



お伝え忘れしておりましたが、実は現在開催中のコミックマーケット83に参加します。

12月31日、有明国際展示場東地区 S-21a 「東天満Unity研究会」です。

当日はMMDforUnity研究読本の最新版と、私の書いたMMDのモデルデータ(PMDEdirtor中心)や立体出力にまつわるあれこれを入れたPDFになる予定です。

あと、例の立体出力ミクフィギュアを目印に設置します。(非売品です)


もし当日コミケ会場に来られる方がいらっしゃいましたら、上記サークルブースにお立ち寄り頂きますよう宜しくお願い致します。(^^)


「立体出力可能な形状モデルに作り変え(その9)」 立体出力の発注!への道は甘くなかった。(汗)

2012年12月29日 23時10分55秒 | MMDアバンドール



すみません。日記が数日開いてしまいました。
その間必死になって立体出力用のデータ修正を行なっていました。

あにまさ式弱音ハクさん(あにまささんに許可を頂いた上で改造させて頂いてます)の立体出力改造作業シリーズ第9弾です。


取り急ぎ年末までに実際にテストショット立体出力の発注をかけようと思い、デジモデさんのところでEnvisiontec Ultraという立体出力機による光造形方式による立体出力をお願いする事にしました。予算を抑えるために全身像の出力は避け胸像となるようボディをカットしています。これに寄って出力代金は3980円に抑えられます。




しかし、あれだけ水漏れしないように意識して精一杯モデリングをしてきたのですが、いつもお世話になってる立体出力サービス会社のアイジェットさんが推奨するSTLファイルチェックツールのminiMagicsを使用してエラーポリゴンを調べたところ、全身像で1100か所ほどの穴あきが確認されました。そちらを修正した上で胸像にするためブーリアンで胴体その他をすぱっと切り落として再度STLファイル化した物を確認した所それでも99か所で穴あきを報告されてがっくりきました。orz


穴あきの原因の主な所は、胸像の場合ブーリアン演算で強制的に切り落とした断面部分で局所的にポリゴンが展開できてない部分があったり、ブーリアン演算の問題か他の要因か不明ですが一部のポリゴンが脱落してたりといった所です。これをどう調べ、動修復するかを図解していきます。

まずメタセコイアのモデルデータファイル(MQO)からSTLファイルに変換した物をminiMagicsに読み込みます。すると始めに穴あきが発生しているポリゴン部分を黄色の線で教えてくれます。




この図を見ながらメタセコイア上で問題のあるポリゴンの穴を探します。大体該当する部分に問題個所が見つかります。






問題個所が見つかったらメタセコイア上で穴をふさぎます。(図では穴にかかっている形状ポリゴンを「隠す」機能で隠して作業しています。)




こうして問題の穴あき部分がなくなり、モデルは正常に立体出力できる状態になります。




残念ながら現物が拝めるのは来年明けてからになると思いますが、現物が到着次第ご報告致します。

それと、これの全身像についてはフルカラー立体出力で出してみようと考えております。(^^)



「立体出力可能な形状モデルに作り変え(その8)」 ハクさんの残りパーツを一気に立体出力対応へ!

2012年12月26日 20時28分36秒 | MMDアバンドール


あにまさ式弱音ハクさん(あにまささんに許可を頂いた上で改造させて頂いてます)の立体出力改造作業シリーズ第8弾です。いよいよ作業もラストに近づきました。

今回はハクさんのパーツの中でまだ水漏れ対策(=立体出力対応データ修正)を行なっていないパーツである「袖」「腕」「ヘッドホン」「ネクタイ」そして立体出力に対応して上服の厚み等の修正を行ない、出力のためのサイズ検討を行なう所までを御紹介します。


まずは袖部分のモデルデータの修正です。以下の画像をご覧ください。左が修正前、そして右が修正後です。




このように修正前の袖は大きな穴が開いていますが、これを先ずふさぎます。
しかし、良く見るとこの袖は両側が重なってしまっています。3DCGアニメーションの場合こうした布の重なりはある程度までは許容されますが、立体出力された形状は永遠にそのままの形を維持し続けますので直しておいた方がよいのです。ということで両袖の間は出来るだけ重ならないように形状を修正しておきます。それではなぜ袖の下側が修正語版ではこんなにぐんにょりとしているのでしょうか。

その理由は袖の下側に膝が当たるからです。膝と干渉する部分も重なりが目立たないように極力修正をかけます。


続けて腕(手を含む)です。MMDモデルでは服に隠れる部分(例えばひじとか膝とか)を省略したモデルが普通です。その理由は肌と服がアニメーション時に干渉したり肌が服を突き破る現象を避けるために肌部分を削除する方法が一般的です。従って今回のハクさんもひじ部分のモデルデータを持っていません。そこは上記の袖が役割担当しています。


そして腕+手の部分についても水漏り修正を行ないます。




ここでも手の形が左右で違うという事に気づかれた方がいらっしゃると思います。

そこで、ズボンや上着などを加えた図で比較してみます。





このように、親指部分がたがいに重なっている問題を鑑賞するだけでなく、それぞれの指が膝の上に添えられるように調整されています。
これは見栄えの問題だけでなく、実際に3Dプリンターでこの形状データを立体出力する際、指を膝にめり込ませておくことで指先が不用意な力がかかって折れる事を防いでいるのです。


同様な改造はヘッドホンでも行なわれます。以下はヘッドホンの立体出力対応修正をかける前とかけた後のモデルの変化です。





このように、左図では空中に浮いているインカムをヘッドホン上に沿わせています。それでも発生する隙間に対しては強制的に間を埋めることにより、ヘッドホンのインカム部分の弱くなっている個所を直接支えるよう修正が施されているのです。



同様な改造例をもう一つ。ハクさんの服にあるネクタイです。

これも修正前と修正後の画像をお見せします。






これも左が修正前、右が修正後の画像です。左に対して右は奇妙に曲がりくねっています。それと後半部分のネクタイの太さが異常なまでにあります。何でこんな修正になったのでしょうか?


その答えは次のモデルデータ画像を見れば分かります。




このように、左ではネクタイと体の間に大きな隙間が出来ていましたが右ではその隙間をわざと潰しています。実はこの隙間は実際に立体出力するとごく小さいエリアなので、ネクタイの強度を確保するためわざと隙間を埋めていたのです。

同様な操作は上服にも施されています。





上手で見る限り右の修正後の画像では服の内部や襟部分の肉厚が非常に増量されている事が分かります。しかしここまで増量しても実際の出力時には1mmから2mmの厚さにしかならないのです。そうなると簡単にぽっきり折れてしまうため出来るだけ厚みを持たせるようにしてあります。


ここまで修正を済ませた時点でようやくハクさん立体出力対応モデルは完成です。

ここで自由曲面設定されているモデルデータ部分をそれぞれパッチメッシュに変換した形状データを作って並べてみます。






現時点で約16万ポリゴン位です。もはや微小ポリゴンがいっぱい詰まっていて細かく見えます。

実はこれが立体出力にとって重要な事です。元々のハクさんモデルデータの姿のように荒いポリゴンだけで表現されたものだったら、立体化して取り出して見るとカクカクの形となってしまいます。
それに対して今回はできるだけ自由曲面を使って表面を細かいポリゴンで覆うようにしたのです。


ここまでくれば、立体出力まであとわずかです。次回は実際に立体出力に出すまでを御説明します。(^^)

「立体出力可能な形状モデルに作り変え(その7)」 ハクさんのリボンと靴とズボンの水漏れを止める!+β

2012年12月25日 15時35分43秒 | MMDアバンドール


昨日はズボン編を後回しにしてすみません。引き続きあにまさ式弱音ハクさん(あにまささんに許可を頂いた上で改造させて頂いてます)の立体出力改造作業シリーズ第7弾として、昨日説明できなかったズボン編を中心に説明を進めます。



ズボン部分のポリゴンですが、元々は以下の図のようになっています。






このように腰側とすそ側が開口しており、上からや水を入れると漏れ放題、逆さにしても漏れ放題です。

ということで先ずはこの穴をふさぎます。






その上でズボンに自由曲面設定を施します。その際の注意点はズボンのすそ部分です。すそ部分はポリゴン数を少なくするためシンプルな折り返しとなっていますが、これをそのまま自由曲面に変更すると不格好になるため、すその折り返し部分をわざとポリゴン分割します。これにより自由曲面生成時に起こる不自然な湾曲を抑えます。下の画像では左側がポリゴン割なし、右側がポリゴン割りありの分割形状となっています。





あとはベルト部分(ベルト通し穴+ベルト本体+バックル)の水漏れ対策と立体出力時の強度確保のための厚み付けを行ない、ズボンに統合してズボン側の対策は完了です。

おっと忘れ物。

靴の方もズボンと同じく開口部にポリゴンで蓋をして自由曲面設定することで完成させます。

靴とズボンはお互い※相貫関係(相手に対し刺し貫いている位置関係にある)で配置されます。現実の物体を相貫配置するにはどちらかに穴をあけたりするなどの工程が必要ですが、ZPrinterという機械を使って立体出力する場合にはデータが相貫関係にあっても実際に形になる際にうまく刺さり合って出力されます。今回はその性質を利用してズボンと靴をくっつけてしまいます。

※相貫関係についてのご注意:

  この方法は他の3Dプリンターによっては上手くいかない場合があります。
  また3Dプリンターによっては相貫した部分の立体出力材料が余分に消費される場合が
  あります。決して汎用的なテクニックではない事にご注意ください。




・・・・・・・・・・


さて、すでにお気づきの方がいらっしゃると思いますが、作業の途中でズボンの形、もといハクさんのポーズが少し変更されています。

念のために冒頭の画像をもう一度見てみましょう。





左側のハクさんはひざが伸びていますが、右側では曲がっています。最終的に右側のモデルを出力します。

何故右側にポーズを変更したのかと云うと、右側のポーズの方が釣り合いを取りやすいという理由からです。最終的に足の下に土台パーツを配置して土台と共に出力するため、土台側にカウンターウエイト(釣り合い重り)を置いて人形モデル自体を安定させる予定ですが、それ以前に人形がある程度自立する事を狙ったバランス取りも重要であると気付いたからポーズの変更を決断しました。



さて残るは腕部分と、細かい部分の隙間埋めです。あと少しでデータが完成します。(^^)

「立体出力可能な形状モデルに作り変え(その6)」 ハクさんのリボンと靴とズボンの水漏れを止める!+α

2012年12月24日 17時58分05秒 | MMDアバンドール


先日、ようやくあにまさ式弱音ハクさん(あにまささんに許可を頂いた上で改造させて頂いてます)の立体出力改造作業シリーズ最大の山場「髪の毛の修正」が終わり、立て続けに立体出力用データの修正作業を進めています。



先ずは前回紹介しきれなかったリボンの水漏れ対応、もとい立体出力対応です。まずは以下の画像をご覧ください。



左が修正前、右が修正後です。修正後はリボンの結び目がはっきり出てきています。(修正前は背中に半分埋もれています)その他リボンの端が髪の毛と体にくっついています。これも実は出力時にリボン布が薄くなって割れたり壊れたりしないように対策した結果です。


皿に正面から修正前と修正後のモデルを見てみましょう、



このようにリボンの蝶々部分にあった隙間が修正後では埋められています。ディティール的にさみしい気もしますが実測9cm以下のサイズで出力するためこの隙間はほとんど目立たなくなります。また隙間があるとその部分から割れやすくもなりますので埋めておく方が賢明です。


こうしてリボン部分は出来上がりました。次は靴とズボンです。

靴は上部の断面部分にポリゴンを貼れば水漏れ対策は万全です。靴底の青いパーツと統合した後自由曲面化しておきます。

ズボンもほぼ同様に、左右の靴が出ている部分の穴を埋めた後で腰部分の断面も埋めてしまいます。こうして以下のモデルが出来上がります。




ただ、このままではなんとなく不安定な気がします。

今回のハクさんは全身像を出力する予定ですが、そうなると立たせた時にバランスがとれるポーズにしておきたいのです。


(以下、PM19時以降執筆予定です。・・・でしたが、25日午前中に執筆します。(^^;))