※参考記録

日本百名山山頂宙返りを敢行中の【雪崩★マン】が綴る社会学的山岳エッセイ!

大雪山系大縦走!(11)~ヒサゴ沼避難小屋にて

2006年10月18日 | 山【mountain&climbing】
*ヒサゴ沼避難小屋。なかなか立派♪


 朝、例の女性に会って以来、一人の登山者にも会っていなかったが
意外にも小屋には6人の先客
(二人はカップルで、他は皆単独男性)がいた。
居ても1~2名だろうと思っていたので面食らった。
誰もいなければそのままバタンと寝転がりたかったが
人が居たので、疲れを隠して談笑しながら荷物を降ろした。

 今日は長かった。
でも明日も長い…。


 暫し談笑した後、水の確保をすることにした。
ヒサゴ沼自体は多くの水を湛えているが、
来るときにちょっと湖面を覘いたらかなりゴミが浮いていて、
積極的に飲みたいとは到底思えない水だった。
先客方に聞いてみると

「トムラウシ側からの道に大きな雪渓があり、
 バシャバシャ水が出ていますよ。美味かった(=^ Д ^=)」


という人がいた。

 ヒサゴ沼はトムラウシ山側からと旭岳(化雲岳)側からとではアクセスが異なる。
僕は南下してきたので化雲岳側からやってきた。
だからその雪渓には気づかなかったのだ。
早速その雪渓に行ってみた。
ヒサゴ沼から10分ほど歩くが、なるほどそこには
素晴らしいまでの巨大な雪渓があり、
彼が言うとおり、本当にバシャバシャ音をたてて
キンキンに冷えた無色透明の雪渓の水が道の脇に流れていた。
9月にこんなに大きな雪渓があるとはさすが北海道だ!!
明日は水場を発見できないことが予想されたので
「プラティパス2」二個いっぱいに汲んだ(約4.5リットル)。

 小屋に戻り、早速飲んでみた。

「う、う、うんんーーーーんっまいっっ(=^o^=)!!」

思わずそう唸ってしまった。
エキノコックスなんのその!!メチャメチャ美味い!!
隣りに寝床を構えた奈良からきた男性は

「僕は恐いので煮沸しないと…」

と言いながら僕の“暴挙”を笑いながら眺めていた。


 この山域は、日本アルプスなどと異なる山行形態を取らざるを得ない。
違いは営業小屋が在るか否か
この山域(に限らず北海道は基本的に)には食事付きの営業小屋は無い。
したがって山行形態は
「避難小屋泊」か「テント泊」に限られる
寝具、食料などを背負って登る必要がある。
そのせいか60歳以上くらいの年配者にはほとんど会わない
日帰り山行の可能な旭岳周辺と十勝岳(*近日アップ予定)には
小型ザックの年配の夫婦や団体などがいるが。

 この日のヒサゴ沼避難小屋の宿泊者も比較的若い人ばかりで
40歳弱くらいかと思われる男性がいたが、
次は35歳の僕かな、って感じ。

 行き先はトムラウシ山、天人峡やトムラウシ温泉(下山)。
登ってきたところもトムラウシ温泉から、旭岳からと
様々だった。

 食事をしながら奈良の男性と話した。
彼は弊社田原本店もよくご利用いただいているお客様だった。

「何処から登ったんですか?」
「層雲峡からです。昨日は黒岳でテント泊し、
 そこから今日はここまで。」
「何処まで行くんですか?」
「十勝岳まで登り、吹上温泉へ下山します。
 明日は双子池辺りまで行ってテント泊で…。」
「ええっ!!すごい!!
 本当に十勝まで縦走する人いるんだァ!!」


そう言われると、自分のやっていることが誇らしくて嬉しい


 現在刊行されている某雑誌にこの山域の特集が掲載されているものがある。
いくつか著書もある有名なトレッカーが仲間数名と行なった
旭岳からトムラウシ山までの山行が特集記事になっていたが、
それを『ロングトレイル』と称していた。
確かにロングトレイルかもしれないが、
僕はその倍の距離を、
しかも4日間(*初日は3時間しか行動できていないので正味はもっと短時間だ!!)
で走破しようとしている。
ゆえに僕の山行が本当の“ロング”だ!!

 そういう自負もあり、余計に嬉しかった。

 山の夜は早い。
皆7時前には床につき始め、寝息や鼾が聞こえ始めた。
僕はイヤホンをセットしたラジオを聴きながら
8時前に最後に就寝した。

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