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映画『世界で一番美しい少年』

2021年12月19日 | 映画

ビョルン・アンドレセンの“最も美しい瞬間”を永遠にとどめる映画『ベニスに死す』。

憂いを秘めた圧倒的な美しさは、アーティストたちのインスピレーションの源となった。

少女漫画の黄金時代を作った「ベルサイユのばら」の主人公オスカルのモデルはビョルンだった、と作者・池田理代子さんは本作で明かす。

しかし “世界で一番美しい少年”という称号は、残酷な運命を引き寄せてもいく。

すべての始まりは、完璧な美を持つ少年を探していた巨匠ヴィスコンティとの出会い。

そのオーディションや撮影風景、カンヌの華やかな狂騒から来日時の熱狂まで、

『ベニスに死す』にまつわる豊富なアーカイブ映像が浮き彫りにする傑作の裏側。

“世界で一番美しい少年”ゆえに見た天国と地獄。

50年の時を経て今、真実が明かされる……。 

 

「美しさ」や「若さ」は、永遠ではありません。

15歳の多感な少年は、自分の意思を表現する すべも分からず、

母親代わりの祖母の言うがままに、見知らぬ世界に放り出されます。

年老いたビョルンから当時のことを聞いた人が、

「それは虐待だ」と言いましたが、その通りだと思います。

当時、日本でも映画が大ヒットして、来日したビョルンは

アイドル第1号だったそうですが、本人の意思とは無関係に

様々な仕事をさせられます。

生まれたスウェーデンで、そのまま平凡に暮らしていたかったと

ご本人も思ったことでしょう。

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