雄大な自然がひろがる北海道・滝川市丸加高原から、難病の子どもの自然体験施設「そらぷちキッズキャンプ」の活動を紹介。
そらぷちブログ
春の陽気とボランティアさんがやって来た
キャンプ場は日を追うごとに春らしくなってきていて、つぼみだったラッパスイセンも一斉に花開き、コブシがあちらこちらで白い可憐な花を咲かせています。


新緑に色づき始めた木々、白いコブシの花と残雪を頂く暑寒別の山並みとのコントラストが青空に映えています。

そんな春の訪れとともに、そらぷちを支援いただいているドラッグストアのマツキヨココカラ&カンパニー労働組合から10人の皆さんが、4月23~25日の3日間の日程でボランティア活動にやって来てくれました。作業初日となった22日は、まずヒグマの侵入を防止する電気柵の設置でスタート。上段、中段、下段の3本のワイヤーロープを施設周辺に張っていきます。

今年も北海道内では雪解けとともにヒグマの目撃情報が相次いでいて、今ではキャンプ場内の安全確保に不可欠な早春の恒例作業となっています。

支柱に通し忘れがないよう、ワイヤーロープを手に支柱を一本ずつ確認しながら張っていきます。


最後に電源の周囲に集まって通電状況を確認。スタッフから必要な電圧が供給されていることが告げられると、皆さんから安堵の笑みがこぼれていました。

午後からは、電気柵の周辺などで雪解けとともに顔を出した笹などの下草刈り。慣れない刈払機を肩に奮闘いただきました。


25日はあいにくの雨模様のため、大東屋の中で動物オブジェの製作をお願いしました。フクロウやエゾシカ、キタキツネ、サケをくわえたヒグマなど、思い思いの個性的な動物たちが生み出されていました。


こうしてボランティアの皆さんに作っていただいた動物たちは、キャンプ場内の施設周辺や通路脇などに飾っていて、散歩中に見つけた子どもたちにオドロキとワクワクをもたらしてくれています。今回誕生した楽しげでユニークな動物たちも、きっと訪れる子どもたちを笑顔にしてくれるはず。マツキヨココカラ&カンパニー労働組合の皆さん、ありがとうございました。

春到来 ちょっとうれしい出来事
この数日間は日差したっぷりで気温も急上昇、20℃超えの日が続いていてキャンプ場内の雪解けが一気に進みました。案内所玄関前を除雪して積みあがった大きな雪山もこんなに小さくなって、真っ白だった見晴らしの丘も雪のコートを脱いで春の装いです。

逆に見晴らしの丘から見下ろすと、こ~んな感じ。雪はほんの一部に残っているのみというのがよくわかります。

場内のあちらこちらで、春の訪れを告げるふきのとうが顔を出し始めました。

ひと足先に芽吹いたもの、まだつぼみのままのもの、それぞれのペースで開き、伸び、育っていきます。

厚い雪に覆われていたラベンダー畑の脇では、白、紫、黄色のクロッカスが咲いています。その鮮やかな色どりに、モノトーンの冬が終わり、ようやく彩りの春が来たんだなぁと実感です。

雪の重みでクシャっとつぶれていたラベンダーも、日を重ねるごとに空に向かって起き上がり始めました。

今日咲いたばっかりなのかな、と思わせるようなラッパスイセン。花の真ん中にラッパのような花びらがあることからそう呼ばれるようになったようですが、つぼみが開いたばかりなのか、花びらはまだしわしわで縮こまっているようです。

まだまだつぼみの状態のものがほとんどなので、これからが本番といった感じ。黄色の群落が茶色の大地を彩り始めるのももうすぐですね。

ナナカマドの木のつぼみも、陽気とともに膨らんできました。葉っぱが顔を出すのも時間の問題です。

モフモフのねこやなぎが見られるのも、この時期ならでは。

最後に見晴らしの丘に登ってみると、驚きの光景が…。アカエゾマツの松かさがこんなに大量に地面に落ちていました。去年は確か1~2個しか落ちていなかったので、今年は当たり年(?)のようです。自然はいつも同じようでいて、実は毎年違う顔を見せてくれます。皆様からいただくご寄付の返礼品としてお渡しする、手づくりリース用に拾って持ち帰りました。よく晴れたとーっても気持ちのいい早春の昼下がり、さらに得した気分になれた、ちょっとうれしい出来事でした。

スノーギフト&Webゆき交流イベント実施
1月25~26日の2日間、キャンプ場と全国各地12の病院・施設(東京、千葉、栃木、茨城、神奈川、大阪、奈良、広島)をWeb中継で結ぶ相互交流イベント「森の中の『ゆき』をみてみよう(さわってみよう)」を実施し、約100人の子どもたちに真冬のキャンプ場の様子をお届けしました。
昨年に続き2回目となる今回も、キャンプ場に降ったばかりの雪を箱詰めして冷凍空輸で贈る「スノーギフト」の応募施設に参加いただき、ギフトはWeb中継の日時に合わせて到着するよう指定。雪に覆われたキャンプ場の様子を見てもらいながら、届いた雪にふれて遊んでもらおうという企画です。


贈った雪は厳しく冷え込んだ早朝、キャンプ場でそらぷちスタッフがサラサラの雪を箱詰めしたほか、北翔大学生涯スポーツ学部健康福祉学科の杉岡品子ゼミの学生さんにも、早朝のキャンパス内でお手伝いいただきました。


Web中継でキャンプ場の様子を楽しく伝えてくれたのは、フジテレビアナウンサーの黒瀬翔生さん。フジテレビさんにはそらぷち設立当初からさまざまなご支援をいただいており、昨年同様、今回の中継も全面的にバックアップいただきました。

中継で結んだのはツリーハウスがある「きつつきの森」。どれくらいの雪の深さかを見てもらうため、降り積もったままの雪原に足を踏み入れて説明したり、濡れたタオルをぐるぐる振り回して凍る様子を実演したりと、雪のキャンプ場を全身を使ってご紹介。ツリーハウス近くの雪面に残された動物の足跡クイズでは、こんなやり取りも。
「この足跡は何という動物のものでしょう?」
「クマ~!」
「クマは今、冬眠中です。北海道の冬はとーっても寒いから、暖かくなるまでクマは寝ているんですよ」
「へぇ~」
「正解は…キタキツネでした。ずーっと向こう、遠くまで続いていますね」
「長くてヘビみたーい」
ほかにも、ツリーハウスの中を探検したり、キャンプ場の中でよく見かけるエゾユキウサギやエゾリス、エゾシカなどの足跡のパネルを使ったクイズも楽しみました。

約30分間の中継の終盤、各施設に届いていたスノーギフトの箱が開けられると、子どもたちはもう夢中。握ってみたり、丸めてみたり、恐竜をつくってみたりと、サラサラの雪を思い思いに満喫。「はじめてさわったー」「思ってたよりも冷たーい」などなど、元気で楽しげな声が返ってきました。
今年もたくさんの方のお力添えにより、病気とたたかう子どもたちに笑顔と元気を届けることができました。中継に協力いただいたフジテレビの皆さん、宅配便の営業所から各病院・施設へ雪を運んでいただいた小野薬品工業株式会社の皆さん、そして参加いただいた各病院・施設の皆さん、本当にありがとうございました。


久々に晴れた朝でした
今冬はどうも曇天や雪の日が多く、気持ちよく晴れた朝を迎えることが例年に比べ圧倒的に少ないのですが、1月18日は朝から気持ちのいい青空が広がりました。細く延びる雲が、辰年らしく龍のようにも見えますね。

とーっても気持ちのいい朝なので、スノーシューをはいてキャンプ場内の森に向かいます。ふかふかの深い雪に、スノーシューもこんな感じで埋まり気味。でも、まっさらな雪面を歩くのは、まだ誰も滑っていない新雪のゲレンデにシュプールを描くような最高の気分です。

雪面には、動物たちの足跡があちらこちらにたーくさん。左がエゾユキウサギ、右がキタキツネ。

こちらも、左がエゾユキウサギで、右がキタキツネの足跡。

キタキツネの足跡は遠く丘の向こうまで延々と。

おぉっ、でっかい足だなぁ…と思ったら、ツリーハウスの除雪に来ていた屋外管理スタッフの足跡でした。

枝に育った樹氷が、太陽の光に照らされてキラキラきれい。

枝のところどころに咲いた白くまあるい雪の花が、青く澄んだ空に映えます。

静かだけれど、キラキラしていて、まっ白で、自然と季節の息づかいを感じた冬の朝。ツリーハウスを囲む木々から延びる影はまだ長く、日が短く厳しい季節がもう少し続くことを告げていました。

2024年 新年のご挨拶

難病とたたかう子どもを対象とする我々の事業は、これからも感染症対策を徹底した事業運営が不可欠です。それらの制限を様々な工夫で乗り越え、受入人数やキャンプの回数を徐々に増やして行きます。また、キャンプ開催の人的、設備的、資金的サポート体制を更に充実させるため、医療ケア付キャンプ場の団体見学やボランティア活動等の積極的な受入を実施してまいります。今後ともご支援ご協力を賜りますようお願いいたします。
2004年から活動を始めた「そらぷち」の歴史のなかで、過去のキャンプに参加経験があり、成人した「元キャンパー」も少しずつ増えてきています。その中で、職員やインターン、ボランティアとして戻ってきてくれる元キャンパーたちもいます。成人した後も様々な苦労がある彼らにとって「そらぷち」が「戻って来ることができる居場所(こころのふるさと)」のようになることができたら嬉しいなと思っています。
最後に、皆様にとって穏やかな日々が来ることをご祈念申し上げます。
公益財団法人そらぷちキッズキャンプ
厳しい冬のお楽しみ
12月20日、ツリーハウスの雪下ろしを行いました。厚く積もった屋根雪がなくなり、久々にトレードマークのとんがり帽子の屋根の形がくっきりと見えていて、気分スッキリです。

寒さ厳しく、雪がどっさり積もった状況でも、森の中では相変わらず元気に過ごす動物たちの息づかいが感じられます。一直線に歩くこの足跡はキタキツネ。なんとなく几帳面な感じがしますね。

こちらはエゾユキウサギ。左右に2個並んでいるのが後足、前後に2個並んでいるのが前足で、斜面を登っていったようです。深い雪の上でも、ぴょんぴょんと軽快に跳ねながら駆けている姿が見えるようです。

こちらの写真の左側と右側は、先ほどと同じエゾユキウサギなのですが、その間にあるランダムなバタバタした感じの足跡は誰のものでしょうか? あまり見かけない形なのでわからないのですが、足跡のサイズから推測するとエゾタヌキかな…、それともアライグマかな…。想像が膨らみますね。

こちらは、ゴロンゴロンと巨大な「雪見だいふく」が転がっているみたいですね~。雪見だいふくの下では、初夏に実をつけるブルーベリーとハスカップの木が眠っています。ゆっくり休んで、来年もまたおいしい実をつけてくださいよー。

見晴らしの丘に登ってみると、また珍しい足跡を発見しましたよー。まずは、木の周りをウロウロ。

そして別の木に緊急避難?

そしてまた別の木へ。前足と後ろ足が揃っていますね。これはリスです。足跡の大きさから考えるとエゾシマリスではなくて、エゾリスかな? ちょこまかとすばしっこく木から木へ移動する、かわいらしい姿が目に浮かびます。

このところ雪の日が続いていて、屋外施設の管理スタッフは除雪や圧雪に大忙し。寒さも、積雪もどんどん増していて、冬の厳しさを痛感する日々ですが、こんな景色を見られるのも冬だからこそ。いろいろな「もの」や「こと」を楽しみながらこの冬を乗り切っていこう、なーんて考えている今日この頃なのでした。

子ひまわりちゃんに会える日を
あのモーレツに暑かった夏から、キャンプ場のミーティング室の窓辺で太陽を浴びながらすくすくと育ってきたひまわりちゃん。外をぼんやりと眺めているような、哀愁の漂う健気な後ろ姿にはいつも癒やされていました。しかし、紅葉の季節を過ぎ、見つめる先が真っ白な雪景色に変わり始めたころから、緑色でピーンと元気に張っていた葉っぱが1枚、また1枚と枯れてきてしまいました。

葉っぱが茶色くなって、なんとも寂しい後ろ姿です…。
でも、肝心なことを忘れていたことに気づきました。そうです、種です。
もしかして種が採れるのでは??? ということで、花の部分をほじほじしてみると…。

採れました、採れましたよー。
小さな体とおんなじ、とーっても小さな種ですが、未来に向けて子ひまわりたちを残しておいてくれました。

思い起こせば、最後の望みをかけて、三度目の正直でようやく花を咲かせてくれたこのひまわりちゃん。休みの日を除いて、晴れの日も風の日も雨の日も、いつも一緒に同じ部屋にいた相棒です。いなくなってしまうのは寂しい限りですが、来年は子ひまわりちゃんに会えることを楽しみに、小さな種たちを袋に入れました。
種をまき、芽が出て、花が咲き、種を収穫する。たった一輪、小さなひまわりの水耕栽培でしたが、室内にいながらでも、しっかりと命の営みを感じることができました。栽培キットを提供いただいたコールマンさん、楽しい体験をありがとうございました。

「真剣に楽しむ『シリアスファン』プロジェクト 植物を育てる編」第3弾、ひまわりの水耕栽培への参加は、まだまだ受け付けています。入院中、通院中、在宅闘病中の子どもとそのきょうだいが対象で、参加いただいた方にはコールマンさん提供のキャンプ用品のプレゼントも用意しています。
プロジェクト詳細はこちらのリンクから。
https://www.solaputi.jp/news/pdf/sola20230522.pdf
霧氷の華咲く朝でした
12月6日の朝、キャンプ場がある北海道滝川市江部乙町の丸加高原には霧が立ち込めて、幻想的な景色が広がりました。

見晴らしの丘に登ると、江部乙の市街地は霧の中。

その霧が表面で凍ったためなのか、木々が霧氷に覆われ、白く薄化粧をしています。


まるで白い華が咲いたようで、冬の朝ならではのなんとも美しい瞬間です。


この日は、お昼近くなっても江部乙の市街地は霧の中なのか、いつもならもう消えてしまっているはずの雲海が眼下に広がっていました。

上には青空に浮かぶ雲、下には大地を覆う雲海。なんだか得をした気分になれた風景でした。さぁ、12月に入ってこれからが冬本番。静かで、きれいで、厳しい季節を迎えます。皆さんが見て、ちょっぴり得した気分になれるような、キャンプ場からの風景をたくさん届けられればなと思っております。

冬のお迎え 準備完了です
前回のブログでご紹介した初積雪以来、ずっとぐずついた天気が続いていましたが、11月16日は久々に気持ちのいい青空が広がりました。

雪が積もったキャンプ場内には、あちらこちらに動物の足跡が。突然の大雪に、動物たちもビックリして右往左往していたのかもしれません。




次の日からは再び荒れ模様の予報のため、冬支度の総仕上げを行います。まずは、ヒグマ除けのため、建物周辺をぐるりと囲むように設置していた電気柵のロープと支柱を回収し片付けます。キャンプ場がある滝川市は雪が多いので、そのままにしておくとロープが切れたり、支柱が折れてしまうので、雪が積もる前の恒例行事となっています。

キャンプ場の入り口で、雪解けからヒグマに目を光らせてくれていたモンスターウルフも軽トラックに載せられて、馬房の中で冬眠に入りました。ヒグマも冬眠に入っていてくれればいいのですが…。


葉っぱがすっかり落ちてしまった森の中には、雪の白い帽子をかぶったツリーハウス。沢をまたいで、向かい側にあるあずまやまで伸びるジップラインの落下防止用のネットも片付け完了。雪への備えを終えて、あとは本格的な冬が来るのを待つばかりとなりました。どこまでも真っ白で、きらきらしていて、とってもきれいで、とってもさむくて、とーっても大変で、でもお楽しみが満載の冬。お迎えの準備は完了しましたよ。いつでもどうぞー。

初積雪 冬の足音を実感
11月に入り、いよいよ秋も終盤。根雪になる日もそう遠くはないはずです。キャンプ場では、今シーズン最後の仕事を終えた乗用型芝刈り機が洗車を終えて骨休め。刈り残した細かな部分を、スタッフが肩掛け式の刈払機を手に刈っていきます。雪が解けてから、再び雪の便りが届くようになった晩秋の今まで、何度も目にしてきたこの姿も、今シーズンは見納めです…。


キャンプの要、遊び道具を収納しているSF(シリアス ファン)倉庫も、掃除をして冬バージョンに衣替え。

大あずまやでは、スノーモービルや雪上車など雪のアクティビティに欠かせない乗り物のほか、除雪機もスタンバイ完了です。


雪が降って積もってしまうと、何が埋まっているのか、通路はどこまでなのかなど、雪の下の状況がまったくわからなくなってしまうため、除雪範囲がわかるよう駐車場や通路には赤白ポールを設置しました。

などと書き進めて、冬支度についてのブログを準備していたら…。11月13日の朝には、あたり一面、真っ白な世界に突入。冬の足音を実感です。

赤白ポールを立てた園路も真っ白。

屋根から落ちた雪もどっさりです。

根雪にはまだ早いので、とりあえず人の通るところだけは道を開けて除雪作業は完了。また今年も、長~い雪の季節がやってきます。

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