雄大な自然がひろがる北海道・滝川市丸加高原から、難病の子どもの自然体験施設「そらぷちキッズキャンプ」の活動を紹介。
そらぷちブログ
新緑の春から彩りの春へ
キャンプ場のある北海道滝川市江部乙町では今、春の訪れを告げる菜の花が真っ盛り。町内のあちらこちらに黄色に染まった畑が広がり、5月20~28日の間は「たきかわ菜の花まつり」が開催されています。青い空と白い雲、黄色の大地のコントラストがとってもきれいです。
見晴らしの丘に登ると、キャンプ場からも菜の花畑を見ることができます。まだ白く残雪をいただいた暑寒別の山並みも、いつもの春の風景です。
春はキャンプ場でも着々と進行中。そらぷちガーデンでは、シバザクラが満開を迎えています。
5月8日に種まきをしたヒマワリとコスモスが芽を出して、2週間ほどでこんな感じに育っています。こちらがヒマワリ。
そして、こちらがコスモス。
昨年植えたアリウム(パープルセンセーション)も咲き始めました。これからどんどんつぼみが開いて、ま~るくなっていくことと思います。
前庭のライラックのつぼみもほころび始めましたよー。
そして、こちらはハクセキレイの幼鳥。成鳥とは色と模様が違っていて、どことなく幼い感じがします。キャンプ場に巣をつくっているハクセキレイがいるので、そのお子ちゃまかな? 芝生の上を散歩中です。
と思ったら、日が当たってあたたかくなったアスファルトに腰を下ろしてひと休み。この日はちょっと気温が低かったので、暖を取っているようです。ぬくぬく…。でも、ちょっと気を抜きすぎ、油断しすぎのような気もします。野鳥のこんな姿はあまり見かけません。
よく見ると、少し離れた場所に親っぽい成鳥がいます。巣立ったばかりで、心配で見守っているのかもしれません。春は巣立ち、別れの季節でもあります。春が終わり、夏が来ることには、この幼鳥も1人前になっているのかな?
おうち de ひまわり 楽しもう
毎年、ご好評いただいているシリアスファンプロジェクト「植物を育てる編」、一昨年のルッコラ、昨年のミニトマトに続いて、今年はひまわりの水耕栽培に挑戦です。第3弾となる今年も全面協力いただくコールマンさんからキャンプ場に先日、栽培キット「おうち de ひまわり」が届きました。
ルッコラ、ミニトマトはペットボトルを使っての栽培でしたが、今回はマグカップで育てます。栽培キットに入っているものは蓋(吸水布付き)、肥料、種、スプーン、説明書です。
まずは内径約74~90mmのマグカップを用意して水を入れます。根が伸びるまでは、吸水布の表面が浸るくらいに水を入れると成長しやすいそうなので、蓋をして様子を見ながら水の量を調整します。
次は種まき。畑などで育てる場合、種は土の中に埋めてしまうので、一度まいてしまうと目にふれることはほぼないですが、水耕栽培では吸水布の上に置くだけ。まいた後もそのまんま丸見えですが、根が生えてきたり、芽が出たりする様子をじっくり、はっきりと観察することができて、そこが水耕栽培の楽しいところでもあります。
続いて肥料をあげます。付属のスプーン約1/2杯分を入れてかき混ぜます。ちなみに肥料は沈殿してしまうので、1日1回はスプーンでかき混ぜるなど攪拌してあげましょう。
最後に日当たりが良くて、マグカップが倒れない場所に置いてセッティング完了。キャンプ場では、日が当たる窓台に置きました。この後は1週間~10日に一度の水替えと肥料やりをきちんと続ければ、かわいいお花を咲かせてくれるはずです。
栽培にチャレンジしてくれた子には、今年も素敵な贈りものをご用意。芽が出て、葉っぱが6枚になるまで成長したら、こちらもコールマンさん提供の「えらべるキャンプ用品ギフト」をプレゼントします。参加申し込みは、そらぷちホームページトップにあるバナー「シリアスファンプロジェクト ひまわりの水耕栽培にチャレンジ!」をクリック。申込フォームに必要事項を記入のうえ送信してください。
ひまわりを育てて、プレゼントをもらって、病室や自宅でアウトドア気分を味わっちゃおう。
桜前線 キャンプ場に到着
例年にない早さで北上している桜前線ですが、キャンプ場でもエゾヤマザクラのつぼみがほころんで、薄ピンク色の花を咲かせています。北海道ではおおむね10日ほど早い開花になっているようです。
春の訪れに合わせて、キャンプ場では冬物と夏物の入れ替え作業を行いました。まずは、あおぞら体育館に収納していた物品をすべて外に出して、館内を大掃除。テントの収納袋をひとつひとつ開けて、チリや虫の混入、汚損がないかを確認します。
自転車などの乗り物は、チェーンなど必要な個所に油をさして、タイヤに空気を入れます。
冬のアクティビティに欠かせなかったスノーモービルは、しばしの間休眠に。倉庫棟まで芝刈り機でけん引です。
最後はベンチなどを設置して、この日は作業終了。今後はそらぷちガーデンの種まきがあったり、お馬さんたちがトレーニングに来たりと、何かと忙しい時期に突入しますが、夏キャンプに向けて準備万端整えてまいります。
新緑の季節です
例年になく雪解けが早かったキャンプ場。寒くなったり、暖かくなったりを繰り返す毎日ですが、少し前までは冬枯れで茶色1色だった大芝生広場では、徐々に緑の面積が増えてきました。
冬の間はじっと雪の中でこらえていた木々たちも、「今だ!」とばかりに芽吹き始めています。
こちらはナナカマドの新芽。秋には真っ赤な実をつけます。
こちらはエゾニワトコの新芽。もうじき、きれいな白い花が咲きます。
こちらはエゾノバッコヤナギの花。葉っぱが芽吹く前に花が咲きます。珍しいですね。
ラッパスイセンもあざやかな黄色い花を咲かせています。
森に春の訪れを告げるエゾエンゴサク。淡い青色の花が、清々しい春の空気を感じさせてくれます。
春の風物詩「ふきのとう」もあちらこちらに。
こちらはふたごちゃん。うりふたつですねー。
こちらは「だんご3兄弟」ならぬ、大、中、小が3つ並んだ「ふきのとう3兄弟」。
馬場の脇でも陽光に照らされて、新緑が映えます。
くねくね道を見下ろすと、新緑の木々の向こうに、残雪を頂いた暑寒別の山並みが見えました。
桜のつぼみもこんなにふくらんでいます。もうすぐ春本番、桜の季節がやってきます。
ヒグマ侵入防止対策完了しました
まだ4月上旬だというのに、北海道内ではヒグマの目撃情報があちらこちらで報告されています。例年にない雪解けの早さで、クマさんたちの冬眠からの目覚めも早まっているようです。そんな状況に合わせてキャンプ場では、昨年は5月に行ったヒグマよけの電気柵とモンスターウルフの設置を4月13日に繰り上げて終えました。
電気柵は主要施設の周辺をぐるりと囲むように、9,900ボルトの電流が流れる3本のロープを張っていきます。ヒグマがこの線に触れるとビリッときて、ビックリするというものです。
施設管理上、出入りする場所にはゲートハンドルをつけて、実際に通る際には感電に気をつけながらハンドルを外して出入りします。
見晴らしの丘の外側もぐるり。
人が間違ってさわらないよう、要所要所に看板を設置しています。
キャンプ場の入り口ゲート付近では、コワオモテの「モンスターウルフ」くんが冬眠から目覚めて、さっそく今年も侵入者を警戒中。首を振りながら目を光らせています。このモンスターウルフくん、昼間はオオカミの遠吠えの合い間にかわいい声でウエルカムアナウンス(人間向けに日本語で)をしてくれるんですが、夜にはヒグマが嫌がるさまざまな音と光を出して近づかないようにしてくれる、キャンプ場の頼れるガードマンです。
どうです? なかなか迫力たっぷりの顔でしょ???
厳重なヒグマ対策は自然がいっぱいの丸加高原にあるがゆえの悩みではありますが、自然環境の変化のせいか、近年では札幌市や旭川市などの都市部でも目撃情報が報告されています。できることなら「この対策をしていてよかった…」と実感するような事態が起きないことを願うばかりです。
雪解け着々と
3月の北海道は例年になく暖かい日が続き、少し気の早い雨が降ったりで、雪解けが一気に進んでいます。雪が降り続く厳寒の中、屋外管理チームが製作した巨大かまくらもすっかり小さくなって、陽の当たる南側には大きな穴が開いています。
見晴らしの丘の奥に見える丸加山も、雪解けが進んで地面が顔をのぞかせています。
2月まではホイールローダーが毎日のように除雪していたキャンプ場内の園路も、今ではすっかりこんな感じ。
雪の下で静かに眠っていた笹が、早く太陽の光を浴びようと木の根元から元気に姿を見せています。
そらぷちガーデンでは、シバザクラがすっかりお目見え。雪の下敷きになってぺちゃんこになりながら、ちょこっとだけ顔を出しているのがラベンダー。雪の重みから解放されるのも、あとひと息といった様子です。
静寂の真っ白な季節から、少しにぎやかないろどりの季節へ。春はもうそこまで来ています。
2月キャンプの報告
去る2月10日(金)〜13日(月)、神奈川県在住の1家族(兄弟妹父母・計5名)を招待し、3泊4日のキャンプを開催しました。3年ぶり、待ちに待った冬キャンプの再開です!
1日目。キャンプ場に到着後、食堂ホールでおやつを食べてから、雪遊びのためのスノーウェアを試着します。試着後は我慢できず、ウェルカム雪遊び。サラサラで固まらない雪をじっくり堪能してから、宿泊コテージにようやくチェックイン。
2日目。午前は「冬の森」たんけんへ。薪ストーブであったかくなったツリーハウスを拠点に、森の雪遊び。とにかく、雪山に登って滑るの繰り返し。午後は、大滑り台チューブ滑りや、スノーラフティング。少し冷えてきたので、やりたかったシャボン玉遊び。本当にシャボン玉が凍っていく様子に驚き。
3日目。「冬の森」たんけんは、さらにレベルアップ!すごい崖から滑り降り、そして登り返す。ツリーハウスで休憩し、森の奥地へのたんけんを続けました。お昼休憩のあとは、少し湿った雪原で、思いのまま雪像づくり。楽しくて夜まで一瞬で過ぎてしまいました。
4日目の最終日朝。水につけたタオルをぐるぐると回し、タオルが凍って棒状に爆笑。家族みんなで思い切り遊んだキャンプでした。
キャンプの想い出が、これからの日常生活でのエネルギーになってくれたら嬉しいです。久しぶりの冬キャンプ。そらぷちの冬も、やっぱりキャンプが似合います!
スノーギフト Web交流イベントを実施
1月26~27日の2日間、キャンプ場と全国各地の病院(東京、千葉、栃木、茨城、
神奈川、奈良、大阪)をWeb中継で結ぶ相互交流イベントを実施し、約80人の
子どもたちに冬のキャンプ場の様子をお届けしました。今回参加いただいたのは、
キャンプ場に降ったばかりの雪を冷凍空輸で贈るスノーギフトの応募施設。
ギフトはWeb中継にジャストなタイミングで到着するよう指定し、雪のキャンプ場
の様子を見てもらいながら、手元に届いた雪を実際にさわってそらぷちの冬を体で
感じてもらおうという初の試みです。
雪が届いていますね~ ↓
発泡スチロールの箱から出して、ふわふわの雪の感触を楽しんでいます。
「氷と同じくらい冷たい!」などなど、元気な声が返ってきましたよー。
キャンプ場の様子を伝えてくれたのは、フジテレビアナウンサーの今湊敬樹さん。
フジテレビさんには、そらぷちの設立当初からさまざまな形で支援いただいており、
今回の中継も同社の全面バックアップにより実現しました。
中継の舞台は、ツリーハウスのあるきつつきの森。キャンプ場の現在の気温など
のほか、積もった雪の深さはどれくらいか雪原にジャンプしたり、濡れたタオル
を何回振り回せばカッチカチに凍るのかを実演したりなど、クイズを交えながら、
なかなか味わうことのない冬の北海道を楽しく紹介。
2日目はラッキーなことに、早朝にエゾユキウサギが遊びに来ていたようで、
中継現場には点々と続く足跡がくっきり。足跡の主は誰かを当てるクイズで盛り
上がったほか、ツリーハウスの中を紹介した場面では「行きたいな~」との羨望
の声も聞かれるなど、楽しい時間にみんなワクワク、画面にはたくさんの笑顔が
映し出されていました。
中継終了後には、こんなうれしいお便りも届きました。
「普段は自室から出たがらない子が、病室に戻りたくないと雪遊びを目一杯楽しん
でいたり、足がしびれているのも忘れて遊び続けたり、高校生・大学生のお兄さん
たちもハイクオリティな雪だるまを作っており、みんな非常に楽しい時間を過ごす
ことできたようでした」との感想も寄せられ、直筆のお礼もいただきました。
そして、こんな楽しそうな写真も!
雪だるまをつくったり、雪に足をつけてみたり。
みんな思い思いに北海道の雪を楽しんでくれたようです。
たくさんのお力添えにより、子どもたちに元気と笑顔を届けることができました。
中継に協力いただいたフジテレビの皆さん、宅配便の営業所から病院に雪を運んで
いただいた小野薬品工業株式会社の皆さん、そして参加いただいた病院の皆さん、
ご協力ありがとうございました。
ウィンターキャンプに向け、かまくら完成
屋外管理チームが厳寒の中、2月のウィンターキャンプに向けて、機械と自らの
肉体を駆使して製作を続けてきた巨大かまくらがようやく完成しました。
サイズは以下のとおり。
外寸:直径約6.0m、高さ約3.5m
内寸:直径約4.5m、高さ約2.5m
なかなかの大きさですね!
製作の経過はこんな感じになっております。
1月16日 1段目製作中
コンパネで囲んだ型枠に、投雪機で雪を飛ばします。
ほぼ満杯になったら、ママさんダンプで平らにならした後、ホースで水をかけて
雪を締め(固め)ます。
1月18日 2段目製作開始
コンパネを1段上げて、2段目の製作に取り掛かります。
1段目の高さは1.5mほど。なかなかの高さです。
その上に、さらに雪を積みます。
1月19日 2段目製作中
この日も投雪機でどんどん雪を飛ばします。
雪積み作業もいよいよ佳境。かなりの高さになりましたよー。
この後もホースで水をかけて、雪を締め(固め)ます。
2月1日 成形開始
雪をかけて大きくなった状態から、今度はペイントスプレーでアウトラインを決め、
外側を削って形を整えます。今回めざす最終形は、縦長で背が高く、てっぺん部分
がやや平ら、つりがねのような形が特徴的な秋田県の横手のかまくら。
どこまで美しいフォルムを生み出せるか、屋外管理チームの腕の見せどころです。
「そこはもうちょっと落として」
「なかなかいい感じ。秋田っぽい」
現場監督の指示に従い、スコップ1本で削っていきます。
う~ん、これぞ、かまくら職人!
2月2日 成形作業継続中
きれいな円柱形をめざして、本日もひたすら削ります。
太っちょの下の部分は電動チェーンソーで碁盤目状に切れ目を入れてから、
スコップでブロック状の雪を落とします。
2月3日 掘削作業開始
外見がいい感じになったので、入り口の位置とサイズを決めていよいよ掘削作業
開始。本日も電動チェーンソーとスコップを手にガンガンいっちゃいます。
といいたいところですが、なにせ雪が硬いので、スコップ担当の時には肩を
いたわりつつ、交替しながら中に向かって掘り進みます。
2月6日 掘削作業開始
ずんずんと掘り進め、奥行きは3mを超え、天井も2mほどの高さになりました。
腕と肩に結構きてますが、もうひとがんばり。削っては雪を外に出す、削っては
雪を外に出すをひたすら繰り返します
2月7日 いよいよ完成!
作業も最終段階に入り、この日は床(地面?)の整地作業。なるべく水平に
していきます。作業で踏み固められたせいもあってかなり硬いので、ここも
電動チェーンソーで切れ目を入れてからスコップで削る作戦です。
そして、いよいよ完成! 背の低いイスとテーブルを並べてみました。
なかなかいい感じ、雰囲気出てます。
ふと見ると、屋外管理チームのスタッフの目にはきらりと光るものが…
なーんてことはぜんぜんありませんでしたが、出来映えにみんな満足げです。
今週末のキャンプでは、どんな楽しいことが待っているのかな?
雪のキャンプ場をおさんぽ その2
夜に雪が降った日の朝は、足跡が雪面にくっきりと刻まれるので、どんな動物たち
がキャンプ場で生活しているのかを観察できる絶好の機会です。今回は12月に引き
続き、雪のキャンプ場のおさんぽ企画第2弾をお届けしたいと思います。
森の中に入ると、とっても小さいこんな足跡を発見しましたよー。
拡大すると、こんな感じ。
足跡と足跡の間に、一本線が引かれたようになっているのがわかりますか?
これはネズミの足跡のようです。線が引かれたようになっているのは、しっぽ
の跡なんですって! 木の根元から、エサを探して雪上に出てきたのかな。
お次はこれ。
左右の手足を揃えて跳んでいるような足跡です。答えはリス。
木から降りて、別の木に移動する際についたのでしょう。実際にお目にかかる
ことはできませんでしたが、雪の上をぴょんぴょん跳ねる姿は、さぞかし
かわいいんでしょうね。
あとはこんな鳥たちも!
遠くて小さくしか写せなかったものを、かなり拡大したので画像が荒いですが、
こちらがツグミ。あまりなじみがないので調べてみると、冬に日本にやって来る
渡り鳥のようです。
そして、こちらがシジュウカラ。身の回りによくいる鳥です。
最後に、こんな大きな足跡を発見!!!
謎の巨大生物か!?
もう、おわかりですね?
そうです、人間(私)の足跡です。
いつも「動物たちに会えないかな」と期待しながら、スノーシューをはいてひとり
静かに森の中に入っているのですが、なかなか出会うことはできません。いつか、
キャンプ場の中で生活する動物たちの姿を、このブログでご紹介できればと思って
います。
帰りがけ、見上げると空にはうろこ雲が広がっていました。天気が悪くなるサイン
とも言われるうろこ雲。数日後には、大雪と強風を伴う荒天が予報されています。
動物たちにとっても、人間にとっても、厳しい冬はもう少し続きます。
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