過去に500公演以上四季の舞台を観てきましたが、こんなに驚かされたのは初めてでした。
京都劇場へ着き、取りあえずクロークで智恵さん宛のメッセージを預けようとしたときでした。
私「井上智恵さんへ、お渡し願いたいのですが・・・。」
女性1「あの・・・。」
私「井上智恵さんです。」
女性1「あっ、井上さ・・・。」
女性2「出演していない方へのお預かりは出来ません。」
私「はっ!? 井上智恵さんですが。」
女性2「ですから、いらっしゃいませんので。」
私「・・・・・。」
人間あまりにも予期せぬ事態になると、笑うしかできないんですね。
慌ててキャスティングボードを見て、愕然としました。
急遽サウンド・オブ・ミュージックを確認すると、マリアが江畑さんと智恵さんのダブルになっていました。
先日の大阪ライオンキングの韓さんと、西尾さんと同様のキャス変です。
取りあえずは、智恵さん側のアクシデントでは無いことを確認して、まずは安心しました。
また、9日付けで加わった飯田洋輔さんの名前は無くなりました。
まるで55stepsの2008年の年末を、観ているかのようでした。
西尾さんが抜け、智恵さんが抜けているため、初日を観ていない私には、どこまでがオリジナルか判らないのがもどかしいです。
取りあえず、ざっと。
第一幕
オーヴァーチュア
ミラーボールがうっすらと透けているオペラカーテンに色とりどりの照明が当てられながら、インストルメンタルのみでさらっと終了します。
愛した日々に悔いはない
幕が開き、福井麻起子さんのソロでスタートします。
光川さん、松元さんがコーラスに加わります。
生きているってすばらしい
55stepsと同様の構成です。
李さんのソロから飯田君にリレーされます。
挨拶
芝さん、福井さん、芝さん、光川さんとリレーされます。
この後は、アンドリュー=ロイドウィーバーとディズニーナンバーで構成されます。
キャッツ メドレー
芝さんの紹介と共に、スタート。
オーヴァーチュア
センターのタントのポジションには、松島さん。
ジェリクルソング
飯田君のマンカストラップから、松元さんのシラバブ、それぞれがリレーしていきます。
スキンブルシャンクス
芝さんのスキンブルで始まり、李さんとリレーします。
汽車は、イントレと階段を運転台に見立て、スタッフさんが持ち込んだユタで使うリングのようなものを3本に蛍光インクでペイントされたクロスを被せ列車のイメージに仕上げます。
本公演と同様に、客席から拍手が起こりました。
ミストフェリーズ
マキャ出現のガラスが割れる音で、スタートです。
飯田君のタガーに松島さんのミストです。
グランフェッテから、ラストまでを見せてくれます。
メモリー
55stepsと同じ構成です。
本来は、智恵さんのナンバーのようです。
イントレ上の光川さんが、しっとり歌いあげ、須田さんが真っ赤なドレスでダンスを見せます。
マチネでは、須田さんが珍しくバランスを崩しフラッとしてました。
シラバブは、松元さんです。
光川さん、グリザもいけますね。
狂信者シモン
メモリーのイントレをばらし、それぞれに民衆がぶら下がったり寄り添いながら歌い始めます。
上手から芝さんのシモンが1コーラス歌い、その後は李さんが続きます。
ヘロデ王の歌
イントレ上に白いジャケットと拡がった羽毛のような髪の毛の飯田ヘロデと、上手に田代さん、下手に松元さんを従えてアップテンポに歌いあげます。
私はイエスがわからない
光川さんが歌いあげます。
ザ・ミュージック・オブ・ザ・ナイト
55stepsと同様です。
イントレ上の芝さんのファントムが歌い始め、階段を降りフロアーで両手を拡げると、西田さんのクリスティーヌが登場します。
バレエの柔らかな動きが綺麗です。
上手から松島さんが登場し、西田さんとシンクロしたダンスをしますが、西田さんが先にトンとステップを踏んでしまうのが、ちょっと残念にも。
マスカレード
華やかなパーティーの雰囲気を出そうとしていますが、やはり人数が足らないかなという感じです。
全員でのコーラスは良いのですが、パート別となると声の厚みが薄い感じです。
仮装の中には、Spiritのノートルダムの鐘のフロローのコートと帽子を被り仮面を着けている姿も見えました。
ガイ・ライク・ユー
ヘアスタイリストらしき飯田君の歌を中心に、松島さん、光川さんが李さんをお洒落にしていきます。
仕上がった李さんの周囲には、Spiritの時の天使達が羽で李さんを囲みます。
ピンクのハート型のクッションを手にした、メガネ姿の光川さんがキュートです。
天使が僕に
Spirit同様に、李さんが歌いあげます。
このシーンでは天使は出てきませんが、李さんの切ない表情が良いです。
彼のカジモドは、いつ観ても素敵です。
パート・オブ・ユア・ワールド
松元さんのアリエルです。
天井や左右に海の中をイメージさせる淡いトーンの幕を使って、うまく見せています。
歌詞は当然、リトルマーメイド本編と同様です。
表情が可愛いです。
ただ、谷原志音ちゃんのアリエルを観た人には、松元さんには申し訳ないですが物足りなさを感じてしまいます。
キス・ザ・ガール
李さんがセバスチャンです。
メタリックレッドのカーテンの前に、スタンドマイクを手にした李さんを始めとした5人組が並び、しっとりと聴かせてくれます。
愛せぬならば
芝さんのビーストが、思いを歌いあげます。
私としては、飯田(兄)君で聴きたいです。
本音は、福井さんの甘い色気のある歌声で是非とも聴きたいです。
お洒落は私の切り札
本来は智恵さんのナンバーのようです。
Spiritと同じ構成です。
今回は、アムネリスを演じている光川さんが歌いあげます。
ソワレでは早変えの最初の白いドレスの足下が拡がってしまい、2着目のマジェンタのドレスが見えていました。
後半は、客席の通路脇から観客を連れ去るのも、ファッションショーも全く同じです。
迷いつつ
上手袖近くで李さんがしっとりと歌い始めます。
アイーダパートは、下手袖から現れた飯田君が歌います。
マチネはハイトーンがちょっと辛そうに眉間にしわを寄せる感じで歌っていましたが、ソワレは普通に歌っていました。
男声でのハモりも、なかなか綺麗です。
サークル・オブ・ライフ
Spiritと同様です。
福井さんのラフィキで始まり、上手のイントレ上の大森さんのレイヨーが応えます。
Spiritで西尾さんが担当していた2声目のレイヨーは下手のイントレ上に太鼓(楽器名が判りません)を持った斉藤さんが歌いますが、さすがにきつそうでした。
その後上手には同様に太鼓を持った飯田君が加わります。
全員が登場します。
バレエは、高田さん、井上佳奈さん、松出さん、林さん。
センターには、朱さんと須田さんです。
ここで、一幕終了となります。
上演時間からも判るとおり、全体の流れがとても速いです。
第二幕
ようこそ劇場へ
55stepsと同様です。
鐘の音が響、アクリルミラーの前にバレエのレッスン用のバーが並びます。
松島さん、松出さん、林さん、井上佳奈さん、西田さん、坂本さんだったと思いますが、おもむろにストレッチやバーレッスンを初めると、ピアノの音が響き始めます。
マチネでは、芝さん、李さん、飯田君へリレーされ、その後芝さんが歌いあげました。
ソワレでは飯田君、李さんの2人が登場したのですが、歌い始めのタイミングを取れていなかったのか、飯田君が遅れたうえに小声で歌い始めていました。
飯田君、李さん、飯田君へとリレーし、遅れて下手から登場した芝さんがマチネ同様に歌いあげていました。
雰囲気的には、ソワレは何か段取りがうまくいかなかったという感じでした。
ワン(フィナーレ)
松元さんがセンターで登場し、指を鳴らしながら囁くように歌い始めます。
途中から坂田さんがセンターへ移動して、1コーラス目が終わると普通に歌いあげます。
挨拶
芝さん、田代さんへとリレーされます。
第二幕は、サウンド・オブ・ミュージックのナンバーと三木たかしさんのナンバーです。
ビー アワ ゲスト(おもてなし)
なぜか、最初にこの曲です。
客席から拍手が始まる中、ポップな感じのビー アワ ゲストです。
終わりなき夜
インストルメンタル
サウンド・オブ・ミュージック
街灯が下手に2灯セッティングされ、ラタンのようなナチュラルカラーのスーツケースを手にし、本編での丘の上にいるかのような動きをしながら田代さんが歌いあげます。
ここでの衣装は、本編2幕のマリアの衣装を思わせるものです。
智恵さんにも似た、透明感のある歌声です。
それだけに、ちょっと切なくなります。
もうすぐ十七歳
洋一郎ロルフと、松元リーズルです。
花の時・愛の時をイメージさせます。
あの時のベンチを縦に3本並べたものと、2本並べたものを平行にセッティングします。
衣装も同じものを着て歌いながら、2人が前後に並んでシンクロするようなダンスをします。
本編では、実際にロルフとリーズルとしては演じていないような気がしますが。
ラストは、本編ではキスをしますが、ピンクで真上にハートが描かれた傘を差し、ラストはそれを客席に向けてキスをしている雰囲気を出しています。
煉獄のおいらたちー暴走族ー
Spiritと同様です。
ただし、いつもここからの暴走族のお笑いネタのような感じでスタートします。
思わず客席から笑いが起こります。
歌は、李さんです。
煉獄のおいらたちーヤクザー
ヤクザ役は芝さんで、壺振りの姐さんは光川さんです。
芝さんはヤクザと言うよりは、寅さんのようなイメージです。
ここは、飯田君の方が小節を効かせた歌はうまいです。
最後に芝さんの「あっけねえ人生だった。いや~、どうもごめんなすって。」の締めに、光川さんからピコよろしく「お粗末な人生ね」の一言がありました。
煉獄のおいらたちー部長ー
駅の発車のベルが響き、新聞を両手で拡げたサラリーマンやOL姿のダンサーさん達の中、飯田部長が歌い出します。
ダンスは、夢から醒めた夢の本編のようなステップをベースにしたものです。
ラストはジャケットを脱いだワイシャツ姿でmスーパードライの空き缶と、寿司折りを放り投げて仰向けにダウンしています。
アンパンマンのマーチ
倒れていた飯田君が起き上がり、膝を抱えて体育座りをしていると、芝さんがこの曲を歌い始めます。
客席から笑い声がチラホラと。
後半は、光川さんも加わります。
アカペラでのコーラスも加わって、歌いあげます。
友達はいいもんだ
引き続き、飯田君?、田代さんのリレーで歌っていきます。
明日は続く
Spiritと同様です。
芝さん、飯田君、李さんのリレーで歌いあげます。
その後、ダンサーさん達のボレロがあります。
どのシーンも、ダンスの切れが良く、みなさん見事です。
すべての山へ登れ
本来は、智恵さんのナンバーのようです。
光川さんが聴かせてくれます。
芯の太い、佐和さんのような歌声というイメージです。
私自身智恵さんの歌声で聴くのを最も楽しみにしていた曲だけに、心残りがあります。
ソワレでは、歌詞を考えているうちに涙が出てきました。
心を開いて
芝さんのソロで始まり、全員のコーラスとなります。
アンダー・ザ・シー
この曲も、当然のごとく、本編のリトルマーメイドと同じ歌詞です。
李さんのセバスチャンです。
フロアーセンターにスチールドラムが2台セットされ、上下のイントレ上と下に楽器毎に別れセンターのイントレ上の松島さんが大きな矢印で各パートを指示し、見せ場を披露ています。
4連ドラムは、須田さんが頑張っていました。
惜しむらくは、視線がドラムに落ちていて、いつもの笑顔がほとんど観る事が出来ませんでした。
この曲も、拍手が起こりリズミカルで楽しいです。
途中、水原さんが両手両足を摑まれて、まな板の上に上げられたりします。
あきらめないで
松元さんが下手でカーテン前で歌います。
スーパースター
カーテンが上がると、見慣れたスーパースターのセットが現れます。
55stepsと同様です。
芝さんのユダが熱唱します。
一時期不安だった喉は、全く問題ないのではと思わせるほどの熱唱です。
ここまでが、本編になると思います。
アイ・ガット・リズム
カーテンコールナンバーで、女性ダンサー、男性ダンサー、女性ヴォーカル、男声ヴォーカルと登場し客席の拍手に応えます。
愛をありがとう
雰囲気的に、55stepsの「魔法使いと私」のような印象を受けました。
福井さんがピコ役になり、歌いあげていきます。
ラストはセンターの雛壇に全員が座り、感謝の花束のフラッグを拡げて終了です。
最後にカーテンが上がり、客席に応えるとロビーへ走っていきます。
お見送りは、最悪です。
ただでさえ狭く渋滞する京都劇場のエスカレーター前で行っている上に、時間で切り上げてしまうため、前方席でブロックの中の方は握手を出来ない可能性が高いです。
全般的に、衣装もセットも過去のセットの使い回しが大半です。
セレクトされたナンバーも再アレンジされている上に上演時間も短縮されているので、中には違和感を感じるシーンもあるかと思います。
それでも、コンパクトにまとめているので、十分楽しめる事と思います。
ただ、上で書いているように、今日のマチネとソワレでも変わっている部分もあるので、最終的な内容がどうなっているのかが判りかねますので、あくまでも参考程度に考えてください。
もし、誤りがありましたら、ご指摘ください。
来週智恵さんや西尾さんが戻るなら、ぜひ観に行きたいと思います。
私には、韓さんや江畑さんの事情が判りませんが、舞台に出られない状況であることは確かです。
1日も早く復帰されますよう、願っています。
【ヴォーカルパート】
芝 清道
李 涛
飯田達郎
光川 愛
福井麻起子
田代美里
松元恵美
【ダンスパート】
松島勇気
朱 涛
大森瑞樹
斎藤洋一郎
水原 俊
松出直也
林 晃平
坂田加奈子
須田綾乃
井上佳奈
高田直美
坂本すみれ
相馬杏奈
西田ゆりあ
加藤久美子
原田麦子