魔法の弾丸

自己に対する選択毒性

daliy life

2008-03-09 10:14:28 | Weblog
 何かが起こる。それを表現する。紙の上に再現する。これが言葉の役割です。言葉が最初にあって、それに合わせて出来事が動くことは絶対にありえません。ですから過去を見つめることが、私は小説を書く原点だと思ってます。


先を歩いている人たちが、人知れず落としていったもの、こぼれ落ちたもの、そんなものを拾い集めて、落とした本人さえ、そんなものを自分が持っていたと気づいていないような落とし物を拾い集めて、でもそれが確かにこの世に存在したんだという印を残すために小説の形にしている。そういう気がします。

物語の役割/小川洋子





書くこと。

表現すること。

知的生産といわれる行為。




物語は確かに存在する。

それに気づく視点を有するかどうか。





広大な宇宙に存在する地球のありふれた日常は特別な出来事。

そんな風に感じられること、理解できることは美しいと思う。





rescue

2008-03-04 21:56:57 | Weblog

居場所がなくて、どうしようもなくて

途方にくれる僕を、こんな僕でも

必要としてくれる教授がいる。





必要とされることは、この世界において何よりも尊いこと。

僕は、先生の言葉に救われた。

出発する者

2008-03-02 11:02:50 | Weblog
しかし、その一方で別の時間、別の行動様式があるのだ。われわれがずっと昔の放棄してしまった時間、未知のものをたっぷりと含んで、それに自分は対処できるという自信のある者だけが入ってゆくことができる時間がある。どんなことになっても自分は大丈夫というのではない。それは冒険の時間が中に秘めている危難の可能性を過小評価することでしかない。いくつもの危難を越えてゆくうちに自分の力ではどうしようもない相手に出会ってしまうこともあるだろうと彼らは承知している。それを恐れるのではなく、その存在を知ったまま、ともかく行動することが自分の方針なのだからと考えて、仮にそれを無視する。そういう生きかたがある。それが人を空に向かって、海に向かって、あるいは単なる国内の旅や三日の釣旅行に向かって、押し出す。非日常の時間の方へとそっと促す。

母なる自然のおっぱい/池澤夏樹




旅に関する考察。

理系の視点を有しながら、美しく複雑な論理を語る文学者。




僕は、実験も上記の文章につながるものがあると考える。

ある現象に対して、遺伝子レベルまで還元した理論を執拗なまで構築し、
その仮説を実際に検証するための実験を行う。



しかし、得られた結果は人間の浅はかな想像力を越える。

そこには未知のものがたっぷり含まれている。



人間が忘れてしまったことが確かにそこには存在する。




また、筆者は旅をする人間についても考察している。


利己的な人間。つまり、徹底して個人であること行動者としての植村直己にあってもっとも重要な資質、彼というものを最終的に動かしてしたものは、行動への衝動であった。他のものは後からついてくる。自分を訓練する能力や自制心や時に集団の中で自分を殺して働かせる力などは副次的なものだ。最初にあったのは動こうとする衝動、登ろうという意志、グリーンランドや南極を横断しようという強烈な意欲である。それは功名心とか名誉欲とか、そういう外の社会との関係の中で説明できるものでは決してない。それはまったく彼自身の中から、それも実に深いところから湧いてくる衝動であって、彼を行動者に仕立てたのはまさにこれなのだ。




研究者も同じではないだろうか。

知りたいという衝動、患者のためという衝動がすべて。







独りで旅をするということは、自分と向き合うこと。

研究するということは、思考で旅することと同定義。


priority

2008-03-01 21:28:23 | Weblog
ずっと一緒に戦ってきた仲間の一人がからだの中から出血して死にかけている時、それを悲しいと思わない兵士はいない。彼らは深く悲しんでいる、だが、悲しいとは言わないし、悲しい表情も作らない。悲しい悲しいと叫び大声で泣くことによってミツイが助かるならば彼らはそうするだろう。UG兵はシンプルな原則で生きている。最優先事項を決め、すぐにできることから始め、厳密に作業を行い、終えると次の最優先事項にとりかかる。悲しい時にただ悲しい顔をしていても事態の改善はないことを彼らは子供の頃から骨身に染みて学んできたのだ。

ヒュウガ・ウイルス/村上龍






行動しなければ何も変わらない。

最優先事項とは、信じる強度。