魔法の弾丸

自己に対する選択毒性

MJ

2009-10-29 19:51:59 | Weblog




This Is Itを観た。

ステージで歌い、踊っているときが本当の自分を表現しているような感じだった。
様々なゴシップや裁判などで日常生活は上手くはいかなったけれども、エンターテイメントという非現実な虚像空間がMJの生きる場所だったように思う。

リリースされた曲は数多くはないけれど、彼の曲に対する愛情や理解により、そのすべては時代を越えて聴き継がれていくものだと確信した。


This is it!

空気さなぎ

2009-10-25 10:49:01 | Weblog
「説明しなくてはそれがわからんというのは、つまり、どれだけ説明してもわからんということだ」

1Q84/村上春樹



著者の現在までの作品の要素をすべて詰め込んだ内容だった。
物語の意味や謎の答えは具体的には述べられていない。


ふかえりは素敵な女の子。



これから世界はどこに向かうのか?


世界は「私」という奇跡で満ち溢れている

2009-10-24 09:51:17 | Weblog
ポストコロニアリズムとフェミニズムの文学がなぜおもしろいのかといえば、彼らにはほんとうに言いたいことがあるからです。その位置にいる者のみが感じる思いを伝えたいと、彼らはずっと欲してきた。つまり、強い表現欲をもっていたけれども、その手段がなかったのです。そんな状態に置かれてきた人たちが、手段と機会を与えれられれば当然何かを書こうとする。長いあいだ弱者としていじめられてきたがゆえの思いを、単なるルサンチマン(うらみつらみ)ではなく、表現を鍛えたうえで普遍性につながるように書くのが文学というものですが、それがこの時期は可能になったのです。

池澤夏樹の世界文学ワンダーランド/池澤夏樹

前作の世界文学を読み解くは、過去から現代に続く文学の解説だった。
今作は、これからの世界と文学の方向性や在り方を示唆するような作品の解説だった。紹介されている本はすべて読んでみたいけれど、その時間と忍耐を賭けるだけの情熱が、もはや僕には残っていないのかもしれません。だからこそ、読者にそのエッセンスのみを届ける著者のような存在は、今のような僕には必要不可欠であると思います。過去-現在-未来の世界を自在に見通すエビデンスに基づいた確かな視点からの俯瞰が。


 

ほんとうに言いたいこと、伝えたいことがありますか?



学問とは

2009-10-17 09:53:10 | Weblog
くり返すが、学問とは、なるべく多くの人に向かって、自分が書いた言葉が果たして<読まれるべき言葉>であるかどうかを問い、そうすることによって、人類の叡智を蓄積していくものである。学問とは、<読まれるべき言葉>の連鎖にほかならず、その本質において<普遍語>でなされる必然がある。

日本語が亡びるとき/水村美苗



2回目の読書です。
初回よりは、深い内容を咀嚼し、理解しつつある。


言葉についての思考というよりも、学問についての思考のように感じる。
西欧の学問と出合った非西欧言語圏の国々の衝撃とその後の対応。


まず西欧での学問の成立背景と歴史・政治の解説と論理。
次にその学問が世界中を巡る過程と西欧文明が覇権を握る過程。

最後に西欧の学問という異質な論理体系と出合った非西欧言語の国々の対応。


非西欧言語で思考し、研究を進めることは西欧中心のサイエンスにとっても有意義なことであると思う。


利根川進のノーベル賞 抗体の多様性の獲得 では、日本語で思考するということが発見の背景として必然だったと思う。遺伝子が組み換わるという思想は、「I」という主語が特権化した英語では受け容れ難い事実ではなかっただろうか。こんな柔らかな思考は、日本語ならではの「あいまいさ」をよく表現していると思う。