魔法の弾丸

自己に対する選択毒性

記憶の抽象化

2012-01-17 00:22:54 | Weblog
こうやって、少しずつ記憶の詳細を忘れていくのです。

忘れていくことに全力で抗っていても、日々思い出せなくなるのです。

 僕は、もう思い出せないのです。
匂いも、仕種も、声も。


主体が不在になりつつあるから、より一層、純粋な記憶として
僕の心で結晶化しているような感じがします。


物事は、具体から抽象へと一般化されると、その本質をつかさどる法則が明らかとなる。
でも、個人の内部における記憶においては、必ずしもこの段階を踏まない。

記憶の本質は、その行為の主体に属している。
相手が存在しないと、記憶というものは存在しないのと同意義だと思います。
物事とは反対で、記憶は抽象ではなく、具体的なすべての行為の細部に本質があるのです。

だから、忘れることは、世界で一番悲しいことだと思います。

世界一美しい結晶は、決して見ることができない悲しみの結晶だと思います。

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1 コメント

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Unknown (bear)
2012-01-19 22:19:10
「世界一美しい結晶は、決して見ることができない悲しみの結晶・・」切ないけど、あたたかいような・・なんだか心に響くことばでした。^^
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