オリンピックが始まった。まずは水泳で萩野選手が金メダル。
それを見ていて、いつも不思議に思うことがあるのを思い出した。
選手が泳いでいるのと同時に、世界記録時のペースを示すラインが示されるけれども、あれで「世界記録が出るぞ!」と思ってはらはらしていると、ゴール前で急にそのラインのスピードが上がり、1位の選手を抜き去って、「世界記録に達しませんでした」という結果になることがある。何だか昔「ビートたけしのスポーツ大将」でやっていた100m競走に出て来た「カール君」(天才スプリンター、カール・ルイスを模した人形がコースの横を走り、後半異常な速さでランナーを抜き去る)みたいで、何だか笑ってしまうのだ。どうしてああなるのだろう。
恐らく、世界記録樹立時の選手のどの部位にそのラインが引かれるのか、基準がはっきりしていないからではないだろうか。ゴールはタッチする指先だから、それまでを胴体の真ん中あたりを示すラインで示していたら、最後は当然、そこから指先へラインが映る速さも加わるから異常な速さになるのではないだろうか。
あのラインの説明を誰かしてくれないだろうか。
男子100mで9秒台に突入するかどうか、大変注目を浴びている陸上競技だが、一方長らく沈滞して淋しいのが距離を競う跳躍競技、走り幅跳び・三段跳びである。
どちらも現在の日本記録が出てからずいぶん時間が経っている。走り幅跳びの森長正樹の8m25が1992年、三段跳びの山下訓文の17m15が1986年である。
先日、山下航平選手が16m85をマークしてオリンピック参加標準記録に到達したが、この記録は52年前の東京オリンピックの優勝記録と同じである。このままでは出場しても予選突破がなるかどうか、というところではないか。やはり17mは突破しないと戦うのは難しいだろう。かつてオリンピック3連勝した種目だけに、復活が望まれる。走り幅跳びも同様にかつて日本人が世界記録を持っていた時代もあった。「跳躍日本」の再来を夢に見るのは高望みだろうか。
走り高跳びの、「正面跳び」=「鋏跳び」=「シザース・ジャンプ」です。
バーを越えるとき、鋏のように脚を交差させます。
助走の角度は人それぞれですが、本当にバーに対して正面に近い方向から跳ぶ人もいました。
今は昔の、美しいフォームです。
100mの日本記録がいつ9秒台に突入するか、話題になっている。
桐生祥秀選手に注目が集まっているけれども、そう計算通りに行かないのが陸上競技である。
注目の大会で必ずしも「記録の壁」を破る大記録が出るわけではない。
走り幅跳びの日本記録が8mを初めて突破した(山田宏臣)のも、たしか小田原での実業団・学生対抗陸上競技大会という大会であった。
棒高跳びの5m超えも、鳥居義正が室内競技会で出したものであった(屋外では丹羽清がメキシコ五輪で突破)。
だから、どの競技会で記録が出るか、予測は難しい。マスコミがよろこぶような展開になるとは限らない。
しかもいま100mには、桐生選手の他に10秒0台の選手が複数いる。
うかうかしていると、あっさり他の選手が栄誉をさらう、という結果だって可能性は皆無ではないのだ。
オリンピックを含めての勝者より、壁を突破した、という栄誉を担う選手の方が圧倒的に少ないのである。
これが記録競技の特質である。
選手としては是非とも勝ち取りたい栄冠だろう。まさに歴史に名を刻む存在になるわけだから。
私の夢見るのは、注目される大会で、複数の選手が一気に壁を突破するシーンである。
選手は大変だが、ファンにとってはたまらない楽しみである。
札幌の女子ジャンプ・ワールドカップ第3戦。
前日圧倒的勝利を収めた高梨沙羅選手は、1回目87mの不本意なジャンプで7位。
しかし2回目、97mの大ジャンプで大逆転勝利。
今期は苦しみながらのスタートだったが、本来の調子を取り戻しつつある様子。
いや、精神的にはもっと強くなったのでは。
高梨選手の、美しく、遠くへ飛ぶジャンプをもっと見たい。
この強さは感動的ですらある。
ソヴィエト式の、足をまっすぐ振り上げるベリーロール。
ナチュラル・スタイルのベリーロールは以下を参照。
https://blog.goo.ne.jp/sketchmoneybox/e/2d41a295ba279e2df5e2afc657f71aff